講談社、手塚プロダクション、NTTドコモ(以下、ドコモ)、富士ソフト、VAIOの5社は22日、日本発のロボットキャラクターとしては最も有名かつ長い間人気の「鉄腕アトム」をモデルにしたコミュニケーションロボットを生み出す「ATOMプロジェクト」を開始すると発表した。開始するとはいえ、発売日は4月4日と近く、それほど待たずに手に入れることができる。
このプロジェクトで目指すATOMは、会話ができ、二足歩行ができ、クラウドサービスを活用することで機能を進化させることもできる「日本初の進化する本格的なキャラクター型コミュニケーション・ロボット」になるという。
そして、このプロジェクトは、「手塚治虫生誕90周年記念企画」の一つでもある。
ATOMのモデリングでは手塚プロダクションが全面協力。微妙な三次元曲面を再現するため、手作りの粘土塑像からCADデータを起こしているという。
ハードウェア及びソフトウェアの開発・設計には富士ソフト、VAIO、ドコモが携わる。
ATOMには、高齢者施設などでの実績もあるコミュニケーションロボット「PALRO(パルロ)」で培った富士ソフトの技術が投入されている。ATOMはPALROのソフトウェアを活用し、顔認識では家族や友達など12人を認識可能で、リアルタイムで人の表情にも反応できるという。
ATOM本体がわからない言葉だと分析した場合は、音声認識を使ってテキスト化した後、クラウドシステムに渡され、ドコモの「しゃべってコンシェル」の基盤技術を生かした「自然対話プラットフォーム」で対応する。これによって、最初はわからなかった言葉も学習し、会話性能が進化していくという。
ドコモの自然対話プラットフォームを使うとはいえ、3G/LTEといったモバイルデータ通信は使わず、ATOMに内蔵されているWi-Fiを使ってインターネットに接続する。そのため、ATOMを使う上で、モバイルデータ通信の月額利用料が発生する、といったことはない。
メインボードなどの基板製造・実装を担当しているのはVAIO。組み立てが苦手な方向けの「ATOM組み立て代行サービス」も担当する。
いま「組み立て」と書いたが、実は最初に販売されるのは「パートワーク」と言って、ユーザー自身が組み立てるキットバージョン。4月4日にパートワークが販売開始となる。意外と発売日が近く、嬉しいニュース。前述したように、組み立ての代行サービスもある。ただし、組み立て代行を利用しての購入は1,000台限定。代行サービスを利用しての購入代金は212,900円(税抜)。
話を戻すと、パートワークは、講談社が「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」という商品を用意してリリースする。
創刊号が4月4日に830円で発売される。2号目以降は基本的に1,843円だが、高価な部品の号などでは2,306円から9,250円と高額になることもある。全部で70巻! 全70巻での合計金額は184,474円(税抜)。さすがに高価な買い物だが、かなり魅力的なロボットなのは確か。
パートワーク版は「講談社 ONLINE」のほか、全国の書店で購入できる。
完成したATOMの全長は44cm。重さは1.4kgほど。
【情報元、参考リンク】
・講談社 ONLINE
・講談社/プレスリリース(PDF)
・ATOM組み立て代行サービス公式サイト
・NTTドコモ/プレスリリース
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