<▲図:DJI OSMO Mobile> |
今回は、スマートフォンでの動画撮影をサポートする機材、DJIの「OSMO Mobile」を、後編と合わせての2本立てて紹介したい。
<▲図:障害物を避けて飛行するドローン「MAVIC PRO」> |
DJIといえばハイアマチュアやプロ向けのドローンで有名なメーカーだが、そのドローンに搭載するカメラや空撮時の映像を安定させるスタビライザーなどの独自のテクノロジーをもつ。その技術を手持ち動画撮影に反映させた製品が「DJI OSMO」シリーズで、コンパクトなカメラモジュールと電動のジンバルを組み合わせている。
<▲図:カメラユニットが交換可能な電動スタビライザー「OSMO」> |
一般的なビデオカメラと同じイメージセンサーを搭載するものや、プロ向けの「マイクロフォーサーズ」イメージセンサーを搭載し、動画をRAW形式でSSDに保存する製品もラインナップされている。いずれも、カメラの映像確認にはスマートフォンを利用できるとあって手軽に使える。
このカメラモジュールの部分をまるまるスマートフォンに置き換えた製品がOSMO Mobileとなる。
OSMO MobileはDJIのオンラインストアのほかに家電量販店でも購入可能で、2016年12月には楽天モバイルがDJIのドローン「MAVIC PRO」と端末を組み合わせたセットや、OSMO Mobileの取り扱いを開始するなど、この手の機材としては比較的入手しやすい。
→楽天モバイル/OSMO Mobileのページ
<▲図:OSMO Mobile本体> |
製品は、ジンバルとスマートフォンを固定するアームが一体化した形状をしている。グリップ部分にはバッテリーが入り、約4.5時間利用可能だ。
<▲図:OSMO Mobileのコントローラー> |
グリップの前面には、スマートフォンの向きを上下左右に動かすコントローラー(大きな丸い部分)と、動画スタート・ストップボタン(赤丸のボタン)、静止画撮影用のシャッターボタン(下部の丸いボタン)がある、電源スイッチは右側面にあり、スライドして電源のオン・オフを行う。
<▲図:グリップ背面のトリガーボタン> |
グリップの背面にはトリガーボタンがあり、ボタンを3回押しで背面カメラ・前面カメラの切り替え、2回押しでスマートフォンの向きを正面にリセットすることができる。トリガーを押したままにすると、スマートフォンの向きが一方向に固定される。また、トリガーを押したまま、コントローラーを上下に動かすことでデジタルズームが可能だ。
コントローラーの上部分にはマイク端子のような3.5mmの端子があるが、これは充電用の端子となっている。充電は専用のケーブルで行うが、USB給電に対応しているためモバイルバッテリーにケーブルを接続して充電することも可能だ。
<▲図:ここにスマートフォンを固定する> |
スマートフォンを固定するアーム部分は、スマートフォンをしっかりと固定できるようラバーが貼り付けられている。背面のねじを回してスマートフォンを設置・固定する。なお、iPhone 7 Plusなどの大きなスマートフォンをクリアケースに付けたままでも固定することができた。Androidスマートフォンでは5.9インチの大画面スマートフォン「HUAWEI Mate 9」も利用可能だ。
<▲図:ZenFone 3をOSMO Mobileに取り付けてみたところ> |
OSMO Mobileのジンバルは電源オフの状態ではフリーに動くのだが、この状態でスマートフォンが水平になるよう右のアームの長さを調整する。調整は1分も掛からずに終わる簡単なものだ。スマートフォンを一台しか使わないのであれば、ネジで固定しておけば次回からは調整の必要がない(水平に固定できているか確認は必要)。
専用の「DJI GO」アプリを立ち上げ、OSMO Mobileの電源を入れるとすぐに撮影可能となる。初回のみBluetooth接続などの初期設定が必要だが、これも特に難しい設定はない。
→Google Play/DJI GO
<▲図:OSMO MobileによってZenFone 3が常に水平を保っている> |
OSMO Mobileの電動スタビライザーによって、写真のようにグリップを左右に振ってもスマートフォン(カメラ)が水平に固定される。
<▲図:横から見たところ。グリップの動きを打ち消すように水平・垂直が保たれる> |
もちろんグリップを前後に動かしても垂直は保ったままだ。設定によって、スマートフォンの向きをグリップの向きに合わせて動かすこともできる。スマートフォンの向きを固定したままでは、上を見上げたような動画を撮影するたびにコントローラーでスマートフォンの向きを変える必要があるが、グリップを寝かせるように動かせばそれに合わせてスマートフォンが上を向くようになる。
さらにこの状態でトリガーを押したままにすれば上を向いたままでスマートフォンを固定することも可能だ。
このコントロールには慣れが必要だが、観ていて疲れない滑らかなカメラワークで撮影できるため、使いこなしたいテクニックだ。
次回は、OSMO Mobileの機能を実写とともに紹介していく。
→後編はこちら
下はAmazon.co.jpでの商品リンク。
【情報元、参考リンク】
・Amazon.co.jp/OSMO Mobile
・楽天モバイル/OSMO Mobileのページ
(記事:mi2_303)