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【一条真人的Androidライフ】第105回:2016年、スマホの戦いはシフトした

今年、2016年は日本のスマートフォン市場にとってどんな年だったろう? 技術的な視点では、今までにない停滞期だったようにも思えるが、市場での戦いは激化している。そして、その戦いは今までとは違うものだ。

<▲図:多くの企業が参入するMVNO市場(写真はDMMモバイル)>

もはや、市場での激しい戦いの波は「MVNO+SIMフリースマートフォン」市場に移ったと言えるだろう。現在、日本の大手通信キャリア向け端末の進化は、従来からの特性の延長線上で起きている。ソニーモバイルの「Xperia」はデジカメ機能やオーディオなどAV機能を進化させている。富士通の端末はセキュリティやタフさなどを向上させようとしている。

しかし、それらの機能は従来ほどユーザーにアピールできてはいないようだ。

その理由は単純で、すでにそれらの新機能がユーザーの一般的なニーズを超えてしまっているためだ。そのためにアピールが難しくなっている。それとも、大手通信キャリアゆえの料金の高さや契約の縛りからくるものだろうか?

いずれにしても、世界的に見ても日本のSIMフリー端末(MVNO回線の利用)のシェアは欧米ほど大きくない。

おそらく、来年以降に、爆発的に普及して、シェアを大きく奪うことになり、SIMフリーはより一般的なものになるだろう。スマートフォンを頻繁に買い換えたいマニア層にとっては、SIMフリー端末を主に使うことはすでに一般的になっている。今年、大手通信キャリアは敗北への道を進んでしまったようにも思える。

今や、ファーウェイのスマートフォン「P9」に搭載されたライカ監修のダブルレンズカメラのように、SIMフリー端末でも強力な機能を備えた製品が登場している。これは日本の大手通信キャリアの端末にはないチャームポイントだ。

<▲図:ライカのダブルレンズカメラを搭載するP9などで好調のファーウェイ>

<▲図:国内SIMフリー市場を最初に活気付けた「ZenFone」シリーズも
「ZenFone 5」から数えて第3世代の「ZenFone 3」シリーズへ>

これからユーザーの多くがSIMフリー端末に走り、日本の大手通信キャリアの端末の出荷数が減少した場合、日本メーカーはどう動くのだろうか?

まあ、そんなことを考えるのは悲観的に過ぎるのかもしれない。これは2017年の話題として取っておこう。

とりあえず、僕の予測を言っておくと、2017年はMVNO回線とSIMフリー端末が今まで以上に、それこそ加速度的に普及し、より一般化する一年になることだろう。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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