<▲図:空港のあちこちにあるプリペイドSIMカード自動販売機> |
それはさておき、GAPSISを愛読している方の多くは、スマホや携帯電話に精通している方だと思います。となると、海外渡航時には現地でプリペイドSIMカードを購入して、手持ちのSIMロックフリースマホで使おうと検討していることと思います。
<▲図:こちらもプリペイドSIMカード自動販売機> |
しかし、アメリカ(ハワイやアラスカなど、本土外を含む)は、日本・韓国やその他アジア、果てはヨーロッパとも通信に使う周波数帯(Band)の事情が異なり、持ち込んだ端末によっては快適に通信できない可能性があります。
ということで、今回のスマホ講座では日本で販売されているスマホをアメリカで利用する場合のBandに関するあれこれをご紹介します。
■日本の状況
まず、日本の移動体通信事業者(キャリア)が使っているBandについて確認していきしましょう。
日本のLTE通信においては、各キャリアともに「Band 1」(2.1GHz)を利用していることが大きな特徴です。とりわけ、NTTドコモとソフトバンク/Y!mobileにおいては、単純に「LTEエリア」と言った場合、このBandに対応しているエリアを指します。au(KDDIと沖縄セルラー電話)においては、メインではありませんがBand 1も使っています。Band 1は、アメリカ以外(ここ重要)の世界で広く使われています。
一方で、俗に「800MHz帯」と言われているBand 18・19・26については「日本ローカルBand」とも言われており、日本以外での採用例がありません。そのため、海外で販売されているスマホ・タブレットの多くはここに対応していません。「海外端末が山奥で使えなかった!」という場合は、大抵800MHz帯単独エリアにいるときです。
さて、その日本のLTEで利用中のBandは下表の通りです(◎がメイン)。
<▲表:日本のLTEで利用中のBand(◎がメイン)。(※クリックして拡大)> |
日本のW-CDMA/CDMA2000で利用中のBandは下表の通りです(◎がメイン)。
<▲表:日本のW-CDMA/CDMA2000で利用中のBand> |
☆LTEへの完全転用が決定済み。現在既存ユーザーに対する「巻き取り」(機種変更・契約変更促進施策)を実施中
■アメリカの状況
先述のところで伏線を込めていましたが、アメリカ(やカナダ)は日本を含むアジアやヨーロッパとは利用しているBandが大きく異なります。
そのため、国内の大手キャリア端末で、アメリカ地区での利用を想定しているものはしっかりと“別途対応”をしています。SIMロックフリー端末については、グローバルモデルをほぼカスタマイズしていないものはアメリカ地区でも問題なく使えるようになっています。一方で、国内メーカーや、海外メーカーでも国内投入に当たって対応Bandにカスタマイズを加えたSIMロックフリー端末については、アジアやヨーロッパではそこそこ使えてもアメリカ地区ではGSM(2G)しか使えない可能性すらあります……。しかも、AT&TのようにGSMの終了を予定している会社もあると考えると……。
アメリカのLTEで利用中のBandは下表の通りです(◎がメイン)。
<▲表:アメリカのLTEで利用中のBand(◎がメイン)> |
アメリカのW-CDMA/CDMA2000で利用中のBandは下表の通りです。
<▲表:アメリカのW-CDMA/CDMA2000で利用中のBand> |
ということで、アメリカ地区でSIMロックフリー端末を利用することを検討している人は、端末の対応Bandをくれぐれもご確認を。
記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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本コラムは毎月第1・第3日曜日更新予定!
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