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【島田純のMobile×Travel】第75回:スマートウォッチで電車・バスに乗ってコンビニで買物ができる!台湾の「ZenWatch 2」特別モデルを紹介

ZenWatch 2は日本向けにもASUSが販売しており、国内でも正規品を購入することができますが、台湾向けのZenWatch 2にはバンド部分に「悠遊卡」(EasyCard)を搭載した特別モデルが販売されています。ASUSの公式価格(定価)は5,490台湾ドルで、2016年8月29日現在のレートではおよそ17,500円です。

<▲図:バンド部分に悠遊卡を搭載したZenWatch 2>

「特別モデル」とは言うものの、このZenWatch 2は各種Androidアプリケーションからの通知を受け取ることができるほか、ZenWatch 2上でAndroid Ware対応アプリケーションを実行できるなど、基本的なスペックははZenWatch 2と同様です。

通常モデルのZenWatch 2との違いは、急速充電に対応していて15分間で60%の充電ができるほか、バンド部分に悠遊卡を搭載しており、バンド部分をかざすことで台北を中心としたバス・地下鉄などの運賃支払やコンビニなどでの買物を行うことができます。「悠遊卡」がなんなのかは、実際に台湾で悠遊卡を使ったことが無いとちょっと想像し難いかもしれませんが、ひとことで言えば、ZenWatch 2のバンド部分にSuicaなどの交通系電子マネーのチップが内蔵されていると考えればわかりやすいでしょう。

<▲図:バンド部分に内蔵された悠遊卡でバスや地下鉄に乗れる。
また、コンビニなどでの代金支払も可能>

電車やバスの運賃支払いに使える、またコンビニの支払に使える支払方法として、筆者が国内で使っているのはモバイルSuicaやiDなどで、国内ではこれらのサービスなしでの移動や各種支払は考えられないのですが、特別モデルのZenWatch 2はスマートフォンやケータイなどを取り出す必要すら無く、腕に装着したZenWatch 2のバンド部分をリーダーにかざすことで電車やバスに乗れるようになるため、おサイフケータイと比べても非常に便利です。

従来、交通系電子マネーとしての悠遊卡は、対応するエリア(路線)が台北市内を走る地下鉄や臺灣鐵路管理局(台鉄)の一部路線に限られていましたが、2016年8月時点では台鉄の全線と、高雄市内の地下鉄の運賃支払いにも使えるようになったため、交通系電子マネーとしても利用可能なエリアが広がっています。

<▲図:台湾南部最大の都市「高雄」の地下鉄でも悠遊卡が利用可能に>

ただし、2016年8月時点では高雄の地下鉄各駅では悠遊卡のチャージには非対応になっているため、高雄の地下鉄に悠遊卡を使って乗車する際は予め残高に注意が必要です。

<▲図:高雄市内の地下鉄では悠遊卡のチャージができない>

また、Android WareとしてのZenWatch 2とバンド部分に内蔵されている悠遊卡は、両者が連携しての残高確認および使用履歴の表示やチャージなどを行うことはできないため、「スマートウォッチに悠遊卡が内蔵された」とは言っても、サービス面での連携などがあるわけではないのは少々残念なところです。

当然ながら、悠遊卡は台湾で使われている交通系電子マネーのため、ZenWatch 2を使って日本国内の電車やバス・地下鉄などで利用することはできません。ただし、ZenWatch 2は技適マークを取得し、本体で技適マーク表示も可能となっているため、Android Wareとしては日本国内で問題無く利用することができます。

<▲図:ZenWatch 2は技適マーク表示に対応>

筆者が気に入っているということもあり、ややひいき目に紹介している特別版ZenWatch 2ですが、使い込んでいくと少々気になる点もあります。例えば、コンビニに設置されているタイプのリーダー/ライターではまず問題がありませんが、地下鉄駅に設置されているリーダー/ライターで残高表示やチャージを行おうとした場合、ZenWatch 2を装着したままでは構造上やや操作に難(不可能ではないですが、ちょっとコツがいる)があるほか、場合によっては腕から外さないとチャージすることができないなどのケースがあるのは事実です。

<▲図:駅改札などに設置されているマシンでチャージする際は、
腕からZenWatch 2を外す必要がある場合も(※下の写真も参照)>

<▲図:チャージしているところ>

<▲図:地下鉄の改札にZenWatch 2をかざす>

それでも、日本国内では通常のAndroid Wareとして各種通知を確認したり、「Ok Google」から操作できる各種音声コマンド(予定登録や天気情報の確認)を利用したり、いわゆるスマートウォッチとしてZenWatch 2を活用し、さらに台湾に滞在中は「腕に装着した悠遊卡」として便利に使うことができるので、ZenWatch 2特別モデルは台湾を頻繁に訪問する方には非常にオススメのスマートウォッチです。

【関連リンク】
ZenWatch | ZenWatch | ASUS 台灣


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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