ソフトバンクグループは18日、英国のARM Holdings pls(以下、ARM)の発行済株式および発行予定株式の全てを現金で買い付けることをARMとの間で合意したと発表した。
今回の件においてソフトバンクグループは、裁判所の承認を取得する「スキームオブアレンジメント」の方法によって、総額約240億ポンド(約3.3兆円)の買取価格を対価として、ARMの株式1,412百万株を取得する。
この件はソフトバンクグループの取締役会ですでに承認されているが、ARMの株主およびイングランドの裁判所の承認を条件としている。ただし、ARMの取締役会は、ARMの株主に本買収案件を推奨する意思を全会一致で確認しているとのこと。
買収は9月30日までに完了する予定で、完了後はARMはソフトバンクグループの完全子会社となる。
完全子会社になるとはいえ、ARMはソフトバンクグループ内で独立した企業として、引き続き英ケンブリッジを本拠地として事業を行っていく。
なお、ソフトバンクグループは買収に要する資金の一部をみずほ銀行からの借入で賄う。みずほ銀行とは総借入限度額1兆円のブリッジローン契約を締結。残額はソフトバンクグループの手元資金で賄う。
ソフトバンクグループの代表取締役社長である孫正義氏は次のようにコメントしている。
「当社は、これまで、ARMを世界的に名高いテクノロジー企業であり、この分野における圧倒的マーケ ットリーダーとして高く評価してきました。今回の投資の目的は『IoT(モノのインターネット)』が もたらす非常に重要なチャンスをつかむことにあり、ARMは、当社グループの戦略において重要な役割 を果たしていくでしょう。
加えて、今回の投資は、当社の英国に対する強いコミットメントと、ケンブリッジにおける豊かな科 学技術の才能集団がもたらす競争上の優位性を特徴としています。当社は、本件買収に不可欠な要素と して、向こう5年間で、英国におけるARMの従業員数を、少なくとも倍増させようと考えています。
当社は、ARMに投資し、経営陣を支援し、戦略を加速し、そして、上場企業として考えられる以上の 潜在力を引き出すことを目指します。ARMは、当社グループ内において独立した企業として、引き続き ケンブリッジを本拠地として事業を行います。
本件買収は、当社にとってこれまで行ってきた買収案件の中でも最も重要なものの一つであり、今後、 ARMが当社の成長戦略の重要な柱となることを期待しています」
また、ARMのChairmanを務めるStuart Chambers氏は次のように述べている。
「当社取締役会の総意として、本件買収は、将来価値を現在かつ現金にて確実に実現する提案であり、 大変魅力的なものです。当社取締役会は、当社が今後も重要な英国事業として存続し、新たなテクノロ ジーの開発において重要な役割を担い続けることを保証されています。また、ソフトバンクから、英国 における当社従業員数の倍増や当社固有の企業文化・ビジネスモデルを継続していくこと等、当社に対 して相当な投資を行う旨の確約をいただきました。ARMは非常に優れた実績を誇る特別な企業です。当 社取締役会は、ソフトバンクの有するリソースをフルに活用することにより、コンピューターが用いら れるあらゆる場面においてARMテクノロジーの使用をさらに加速させることができると確信しています」
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