<▲図:UQコミュニケーションズの代表取締役社長の野坂氏> |
UQコミュニケーションズは言うまでもなく、KDDIの子会社なのだが、「ぴったりプラン」など独自の低価格プランによって、低価格さと全てがセットになった手軽さを求める人々を取り込もうという計画のようだ。ただし、現時点では端末がイマイチなところもあり、やや商品性が弱いと感じるのは残念だ。しかし、取り扱いを開始するiPhone 5sはもしかしたら市場に受け入れられるかもしれない。
<▲図:イマイチぱっとしたい端末だが、iPhoneならイケるか?> |
最近、このUQ mobileに関する発表会に行ってきたのだが、大手キャリアよりもコスパがよく、普通のSIMフリースマートフォンよりも信頼性があるということで、中間の第3市場を狙うという。大手キャリアよりもコスパがいいのはわかるが、他のSIMフリーよりも信頼性はあるんだろうか? まあ、最近出てきたようなメーカーと比べれば、もともとauで扱っている端末を揃えていることまり、一般ユーザーにとっての信頼性や安心感は高いのかもしれない。
ちなみに、「ぴったりプラン」は実は今年2月頃から始まっていたサービスだが、一般向けにはややわかりにくい面があるので、メジャーに対してアピールするために時間をかけているという感じだ。
<▲図:UQの戦略的プラン「ぴったりプラン」> |
僕も初期に端末をお借りして試しているが、そのときに思った「ターボ機能」の切り替えアプリを作って欲しいという要望は、前述の発表会のときには実装されていた。UQ mobileでは有効な意見をすぐにフィードバックするという行動力はあるようだ。
このターボ機能については以前、このコラムの「第88回:低速通信が新しいトレンドになる?」でも触れたが、要するに、高速通信のオンオフができる機能だ。オンのときには何の制限もなく高速通信ができる。一方、オフのときには通信速度を最大で300kbpsに抑える一方で、そのときの通信量は通信プランごとに定められた月間データ通信量としてカウントされない。要するに遅い通信で問題ないときにはオフにしておけば、月間データ量を節約できるわけだ。
さて、日本におけるこのあたりの機能/サービスのパイオニアとも言えるのはトーンモバイルの「TONE」だろう。
<▲図:「TONE」の端末はTONEの独自端末だ> |
UQ mobileはSIMフリー市場、格安SIM市場で戦うことに加え、TONEにも戦いを挑んでいるように僕には見えるのだが、多くのケータイジャーナリストの皆さんにはTONEが見えてもいないようだ。僕の気のせいかな? ちなみに、TONEは「ツタヤのスマホ」と呼ばれているように、オンラインだけでなく一部(現時点では)のTSUTAYAの店舗でも購入できる。
低速度通信で通信料金を下げるというアプローチを持つ両者だが、その違いは速度管理の方法などにある。UQ mobileではターボをオフにしたときに速度制限がかかるが、TONEでは通常は速度制限があり、解除したいときに「高速チケットオプション」を購入する。アプリによるコントロールはTONEの方がよく感じる。
そして、両者のキャラクターの違いはそのCMキャラクターにも表れている。
TONEがマザコンの息子であるのに対して、UQ mobileはかわいい女の子だ。CMレベルでどちらの市場戦略が勝つのか? は広告関係の仕事をしている人なら明白だろう。ちなみにTONEでマザコン篇のCMにも出演しているのは若手俳優の坂口健太郎さん、UQ mobileはモデルの堀田茜さんだ。
何にしても、ユーザーがスマホに支払う料金は下がっていくことになるだろう。そして、遠くない未来に日本国内では低価格スマホの方がシェアが大きくなることだろう。そんな中、2020年に実現を目指す5G通信がどのような意味を持つものになるのか? 興味深い限りだ。
【参考リンク】
・UQ mobile
・TONE
記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo、
ブログ:一条真人メモ
クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。
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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!
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