Windows、Mac、Androidなど様々なプラットフォーム向けにセキュリティアプリを展開するセキュリティソフトベンダーのAvast Software(以下、Avast)は12日、同じくセキュリティソフトベンダーであるAVG Technologies(以下、AVG)を買収することに両社が合意したと発表した。この発表は米国時間で7日に行われているが、改めて日本向けにも発表された。
AvastはAVGの発行済普通株式の全てを1株あたり25ドルの現金で購入するため、取引総額は約13億ドルとなる。
両社はそれぞれ1980年代後半と1990年代前半にチェコ共和国で設立され、2000年代に海外進出を果たしている。Avastは今後セキュリティ業界で継続的な成長を目指し、両社の強みを相互補完的に活用していくという。
そもそもの買収目的は、スケールの拡大と技術的深化、展開地域の拡大を図ることだという。
両社のユーザー数を合算すると1億6,000万のモバイル・エンドポイントを含む4億以上のエンドポイントによるネットワークが完成するという。これらが事実上のセンサーとして働くことで、マルウェアに関する情報を即座に得ることができ、新たな脅威を素早く検出・無効化できるという。
Avastの最高経営責任者であるVince Steckler氏は次のように述べている。
「私たちの業界は急速に変化しています。そうしたなかで、今回の買収により、私たちはセキュリティプロバイダーとして現在および将来のお客様から選ばれるために必要な幅と技術的な深みを得ることができます。ともにチェコ共和国で設立され、共通の文化と使命を持つ最高のテクノロジー企業2社の強みが組み合わされることで、圧倒的な成長を見せるIoT向けセキュリティなど、今後の新たな機会を生かすための絶好のポジションを得ることができます」
一方のAVGの最高経営責任者であるGary Kovacs氏は「非公開企業として圧倒的なリソースを持つAvastとの協力は、私たちの成長目標を全面的に後押しすると同時に、当社株主にとって最善の利益をもたらすものと考えています。新たなスケールを得られることで、成長市場への投資を加速できるとともに、今後も一般消費者と企業の双方にシンプルで使い勝手に優れる包括的なソリューションを提供し続けることができます。オンライン・セキュリティの定義は、デバイス中心のものから、デバイス、データ、人に関するものへとシフトしています。そうしたなかで、合併後の企業はより強力な価値を提供し、この成長市場のリーダーとして確固たる地位を築くものと考えています」とコメントしている。
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