ソフトバンクグループは21日、代表取締役副社長であるニケシュ・アローラ氏が7月1日をもって同職から退き、顧問に就任すると発表した。アローラ氏は最高事業責任者を務めていたGoogleを退職し、2014年9月にソフトバンクグループへ入社。孫正義氏の後継者候補として、投資事業などに関わってきた。
ところが今回、アローラ氏が退任することになり、今後も孫正義氏がグループのトップとして指揮をとり続けることが明らかにされた。
グループの代表取締役副社長の後任には、ソフトバンクの代表取締役社長 兼 CEOを務める宮内謙氏が就任する。
アローラ氏が退任することになった理由は孫氏、アローラ氏のコメントでも明らかにされているが、アローラ氏としては数年のうちに孫氏に代わってソフトバンクグループのトップに立つ意向を持っていた一方で、孫氏はまだしばらくは指揮をとり続ける意向を持っていたため。この両者の時間軸のズレが大きな理由となったようだ。
本件に関して孫氏は次のようにコメントしている。
「ニケシュと私は、ソフトバンク 2.0 を共に創り上げていくパートナーでした。彼は、当社のビジョン、将来の事 業成長計画、またソフトバンクグループ全体の戦略の明確化について考え抜く手助けをしてくれました。また、彼 は当社に世界レベルの事業遂行スキルを持ち込んでくれました。このことは、昨年の数々の投資実績や Alibaba Group の一部株式売却による現金化、また直近では、Supercell の株式売却の成功などによって裏付けられていま す。私は、これらの業績は彼の貢献に負うところが非常に大きいと考えています。 彼は、事業戦略とその実行において比類なきスキルを持った非常に稀なリーダーです。グローバルビジネスの CEO となりえる人物であることから、私の 60 歳の誕生日にソフトバンクグループの経営を引き継いでもらおうと 考えていましたが、その一方で、私はまだやり残した仕事があると感じていました。ソフトバンク 2.0 の構想をよ り強固にし、スプリント・コーポレーションを真に甦らせ、またその他いくつかのクレイジーな構想も実現したい と考えているからです。これらに取り組むには、少なくともあと 5 年から 10 年は代表取締役社長として当社を率 いていく必要がありますが、この間ずっとニケシュを当社のトップになるまで待たせてしまう期間になってしまっ てはいけないと考えました。ニケシュと私は話し合い、彼が次のチャレンジへ向けて活動をしながら、顧問の立場 で引き続き当社をサポートすることで当社に貢献してもらうことになりました。引き続き彼は当社と友好的な関係 にあり、私も彼を頼りにしていきます」
一方のアローラ氏は次のコメントを寄せている。
「ソフトバンクグループの変革においてマサを手助けし、変革の種まきができたことは非常に大きな経験でした。 マサやソフトバンクチームの皆さんと楽しんで仕事ができましたし、これからの挑戦については自分自身楽しみに しています。しばらくの間は、ソフトバンクグループや投資先企業へのサポートを続けていきます」
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