ソフトバンクとGilat Satellite Networks Ltd.(以下「Gilat」)は16日、基地局とコアネットワークを中継する回線に衛星回線を利用してLTEサービスを提供する検証実験を実施し、実用化に向けた技術開発に成功したと発表した。
この技術を使うことで、基地局までの間に固定回線の設置が困難な地域でも低コストで高速無線通信サービスの提供が可能になるという。また、年内にも商用環境でのサービス提供を目指す。
Gilatの高速衛星通信システム「SkyEdge Ⅱ-c」の開発にソフトバンクは企画段階から協力し、共同で技術開発と検証作業を行ってきたのだという。
その結果、実際の端末での利用における回線速度として、従来の衛星通信では実現が難しかった下り100Mbps以上の通信に成功している。
今回の実験の成功にあたり、ソフトバンクの専務取締役 兼 技術統括の今井 康之氏は次のように述べている。
「今回の技術により、固定回線が敷設困難な山間部や離島などの地域においても、安価かつ短期間で、高速なLTEサービスを提供することが可能になりました。当社では、同地域で衛星回線を利用する基地局を設置していますが、そこでもLTEが利用できるようになります。また、国内での利用だけではなく、米国子会社であるSprintのモバイルネットワークでも応用されることを期待しています。この技術が世界のデジタルデバイド解消に役立つことを願っています」
また、Gilatの会長兼CEOのDov Baharav氏は「Gilatはモバイル事業者向けの衛星を利用した4Gモバイルバックホール技術において先駆者です。今回の新しい技術によって、モバイル事業者は短期間で4Gサービスのカバレッジを実現することが可能になります。われわれはソフトバンクのような世界的な通信事業者と共同で作業し、同社がさまざまな地域で高速モバイルサービスを提供することができるようになったことに、大変興奮しています」と述べている。
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