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【一条真人的Androidライフ】第85回:高級機という新しいマトリックス

どこかのWeb記事の見出しで、マイクロソフトが「Surface Phone」というものを出し、これでiPhoneに勝つぜ! というようなものを見た気がする。もしかしたら幻かもしれないが、どこかのニュースサイト(隠語)ならそんなニュースを流しそうな気がするので、現実だったのかもしれない。

<図:VAIO Phone Biz>

このSurface PhoneというのはContinuum機能を搭載する予定らしい。これは「スマホをパソコンみたいに使えちゃうよ!」という機能だ。「VAIO Phone Biz」なども搭載していて、最近ちょっと話題になっているには違いない。

しかし、スマホがちょっとWindowsパソコン風に使えることと、スマホであるiPhoneに勝つというのは関係があるのだろうか? もちろん、ほとんどない。むしろ、iPhoneを使っている人が進んでWindowsパソコンが使えることを喜ぶという思考回路が不思議だ。しかし、そんな不思議なことがまかり通るのが民主主義。いろいろな人がいろんな意見を持てるのだ。

まあ、そんなことはどうでもいいが、そんな話も出てきてしまうほど、最近のスマホ界は話題がないのだろうか? 昨年、2015年はスマホのセールスはあまり振るわなかったという話もある。僕の周りでも以前は忙しかったスマホライターの人がちょっと暇そうに見えるので、それは実感できる。まあ、それはそれで健康に良くていいんじゃないかと思う。何事もポジティブシンキングだ。

最近、デジカメ界の巨匠、山田久美夫さんが日曜日に、「次に寝られるのは水曜日だ」なんて言っていた。そんな生活をしていたらマジで寿命が縮みそうだ。

1月に米ラスベガスで開催された「CES」でも正直、スマホはあまりパッとしなかった、何しろ、LGエレクトロニクスなどはスマホの話は一言もせずに、テレビとか冷蔵庫、空気清浄機とかの話をしていたのだ。まあ、この新しいLGのテレビはなかなか注目できるものだが、その話はまたの機会にしたい。

スマホはコモディティ化が進み、これからは利用料金とかが重視されるようになるんじゃないかと思う。いや、もうすでにかなり重視されるようになってきている。

もうユーザーは通信キャリアに搾取されて黙っている羊ではない。女性誌でもバンバンスマホの特集が組まれる時代なのだ。一方では「ZenFone Zoom」のような高機能機も注目されるのは間違いないが、自動車にスポーツカーと大衆車があるように、ジャンルの分断がより進んでいくことだろう。

<図:ASUS ZenFone Zoom>

すなわち、大衆的なモデルが人気を集める一方で、高級機というジャンルが明確にできていくということだ。高級機であって、高機能機ではない。高機能機は今までも存在したが、これからは高機能とラグジュアリーなルックスを持った高級機がハイエンドのマトリックスを構成するようになるのではないだろうか?

たとえば、それはASUSのZenFone Zoomのような機種だ。スマホのメインストリームがコストコンシャスになって、あまり目立ったものではなくなる一方で、高級機というマトリックスが生まれるのではないか? という気がする。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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