UQコミュニケーションズは9日、「WiMAX 2+」における周波数拡張の進捗を発表した。WiMAX 2+の周波数拡張は、従来WiMAXが使っていた周波数帯のうち20MHz幅をWiMAX 2+に割り当て、WiMAX 2+で「キャリアアグリゲーション」を利用できるようにするために行っている。
割当変更によってWiMAX 2+では20MHz幅が2つになり、その2つの周波数帯で同時に通信を行うことで下り最大速度が110Mbpsから220Mbpsに向上する。キャリアアグリゲーションというのはこのように複数の周波数帯で同時に通信を行うことで速度を向上させる技術。
WiMAX 2+対応ルーターでは「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)がキャリアアグリゲーションに対応しており、周波数拡張を行ったエリアでは下り最大220Mbpsでの通信が利用可能となる。
同社は当初、9月末までに既存のWiMAX 2+エリアにおける周波数拡張を完了させる予定としていたが、一度延期され、10月末まで、と案内されていた。しかし、まだもうしばらく掛かるようで、11月9日時点でも一部地域が残っているようだ。とはいえ、一部地域を除き、概ね全国のWiMAX 2+エリアで周波数拡張が完了しており、キャリアアグリゲーションが利用可能になっているとのことだ。
なお、W01と同時期に発売になった「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NECプラットフォームズ製)はキャリアアグリゲーションではなく、「4x4 MIMO」という技術で下り最大220Mbpsに対応している。この4x4 MIMOは周波数拡張が行われていないエリアでも利用可能だが、4つのアンテナを使って同時に通信することで速度を向上させる、という技術のため、反射波を上手く捉える必要があり、速度が出る条件が少し厳しい。どちらかと言えば、屋内でより速い速度が出やすい技術だ。こちらは2月の時点でエリア対応が完了しており、既存のWiMAX 2+エリアで利用可能となっていた。
また、周波数拡張が完了したエリアではWiMAXは下り最大速度が40Mbpsから13.3Mbpsに落ちるので注意が必要だ。WiMAXが使ってきた周波数の一部をWiMAX 2+に譲ったためで、WiMAX 2+に非対応の古い機器を使っている方は新しい機器へ機種変更する方がよいと案内されている。
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