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【島田純のMobile×Travel】第57回:成田空港や東京駅におけるプリペイドSIMカードの取扱いが拡大

数年前までは「ほとんど選択肢が無い」と言っても過言ではなかった日本国内向けのプリペイドSIMカードの選択肢が、急速に増加を続ける訪日外国人の需要を受けて一気に拡大。現在では家電量販店、主要空港や駅などでもカンタンにプリペイドSIMカードを購入することができるようになりました。

成田空港に設置されたU-mobileのプリペイドSIM自動販売機
(成田空港第3ターミナル)

今回は、最近新たにプリペイドSIMカードが購入可能になった成田空港と、東京駅にて販売されているプリペイドSIMカードをご紹介します。

成田空港でのプリペイドSIMカードの自動販売機といえば、2015年7月にNTTコミュニケーションズが「ONC モバイル ONE」のプリペイドSIMカード自動販売機を設置した後、U-NEXTも2015年9月より「U-mobile」ブランドのプリペイドSIMカードを販売する自動販売機を設置しています。

NTTコミュニケーションズ(OCN モバイル ONE)の自動販売機が第一・第二ターミナルのみとなっているのに対して、U-mobileは第三ターミナルを含めて、全てのターミナルに自動販売機を設置しています。

OCN モバイル ONEのプリペイドSIMカードの自動販売機は、以前の連載にて紹介したように「パスポート読取」に対応しており、SIMカードを購入後その場でアクティベーションができるのが特長ですが、U-mobileのプリペイドSIMカードはアクティベーション不要で利用開始できるため、基本的にはAPNさえ設定が完了すればその場ですぐにインターネット接続が可能になります。

筆者は、成田空港や関西国際空港に設置されたプリペイドSIMカードの自動販売機の前で開通作業が上手く進められずに困っている外国人を見かけたり、自分自身が海外でSIMカードを購入時にアクティベーション作業を行うのは面倒に感じることが多いため、アクティベーション手続そのものが無いU-mobileの方がOCN モバイル ONEのプリペイドSIMと比べて「より手軽」であることは間違いないと思います。

U-mobileのプリペイドSIMカードは有効期間7日間で2,000円のものと、15日間で3,500円タイプの二種類。どちらも高速通信は1日200MBまで、高速通信可能な容量を超過すると通信速度が128kbpsに低速化します。OCN モバイル ONEのプリペイドSIMカードが7日タイプで約3,200円となっているのと比べて、U-mobileのプリペイドSIMカードの方が販売価格が安くなっている上、前述の通り「アクティベーション不要で使える」という点では手軽です。

成田空港に設置された自動販売機の他にも、東京駅構内でプリペイドSIMカードの販売が行われています。

成田空港から東京駅の間は、片道1,000円程度のいわゆる「格安バス」と呼ばれるバスが運行されており、従来と比べて気軽に移動ができるようになりました。

東京駅 - 成田空港間を結ぶ「格安バス」には、京成グループの「東京シャトル」と、ビィー・トランセグループとJRバス関東が共同運行している「THEアクセス成田」の二種類があり、筆者のおすすめは後者の「THEアクセス成田」です。

THEアクセス成田

その理由は、路線バスと同様に、バス車内で直接交通系電子マネーを使った運賃支払いができる上、座席間隔が東京シャトルと比べて広く、膝の上でノートPCを使った作業を行う場合にもそれほど苦にならない(個人差はあると思いますが)スペースが確保されていること、一部車両には電源付きの車両があることです。

プリペイドSIMカードに話を戻しましょう。東京駅でのプリペイドSIMカードは東京駅構内にある「STANDBY TOKYO」というコーヒースタンド兼ショップにて販売されています。STANDBY TOKYOは新幹線乗換口の近くにあります。なお、同ショップは駅構内にあるため、切符または入場券などを購入してショップを訪れる必要があります。

STANDBY TOKYO店舗外観

STANDBY TOKYOにて販売されているプリペイドSIMカードは、So-net SIM。通信容量1GBが2,778円、2.2GBが3,704円、3GBが4,630円(価格は税抜)の3種類です。

STANDBY TOKYOで販売されるPrepaid LTE SIM

So-netのプリペイドSIM「Prepaid LTE SIM」は、利用開始にあたってアクティベーションが必要となります。STANDBY TOKYOは、SIMカードや通信サービスが専門のショップではありませんので、SIMカード購入後のアクティベーション手続については基本的に代行してもらうのは難しく、自力で行う必要があると認識しておいた方が良いでしょう。なお、アクティベーションはインターネット経由で行うため、SIMカード以外のインターネット接続手段が必要になります。

STANDBY TOKYO以外にも、東京駅日本橋口にある「TIC TOKYO」(ツーリストインフォメーションセンター)では、IIJmioの「JAPAN TRAVEL SIM」が販売されています。こちらは東京駅構内の施設ではないので、切符(または入場券)などが不要で、東京駅のすぐそばでもプリペイドSIMカードを購入できます。

東京駅日本橋口 TIC TOKYO

「JAPAN TRAVEL SIM」が購入可能

冒頭に記載したように、空港や主要駅に限らず、国内向けのプリペイドSIMカードは家電量販店などでも気軽に購入することができるようになっています。国内向けのモバイルインターネットサービスを契約している場合は利用する機会はほとんど無いと思いますが、海外留学や駐在中の家族・友人などが帰国する際の通信手段として、国内向けのプリペイドSIMカードの販売場所やサービス内容を押さえておくと役立つことがあるかもしれません。


記事執筆者プロフィール
島田純
ブロガー/フリーライター
Twitter:@shimajiro、ブログ:shimajiro@mobiler

ブログとモバイルと旅が好きなフリーランスのブロガー/ライター。
モバイルWi-Fiルータやデータ通信関連が得意です。

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