「おサイフケータイ」使ってます? |
GAPSISは「Androidスマホ・アプリ情報」サイトということで、見ている方もAndroidスマホをお使いの方が多いと思います。しかし、管理人さんは……おおっと、これを言ったらこの世にいられなくなる(※編集部注:編集長は色々な端末を使ってますが今のメインはXperiaです!! Z5もそこそこ熱いなぁと言いながらですが。iPhoneも使ってます)。
それはさておき、Androidスマホ(と、一部タブレット)には、「おサイフケータイ」が付いています。
自分のライター仲間では、使っていない人はほぼいないのですが、世間ではそうでもない……と思いきや、前回(こちらの記事)ちょっとだけ触れた、通信キャリアが力を入れている秋冬のミドルレンジモデルでも、ワンセグは省いてもおサイフケータイはしっかり付けていることから、それなりのメリットはあるはずなのです。
ということで、今回と次回のスマホ講座では、おサイフケータイの便利なサービスをマニアックにご紹介します。今回は、筆者が特にヘビーに使っている「モバイルSuica」と「iD」をご紹介します。まだ使ったことのない人は、特に参考にしてみてください!
■首都圏・仙台圏・新潟圏に住んでいれば超便利な「モバイルSuica」
ライター仲間では一番利用率が高い「モバイルSuica」 |
東日本旅客鉄道(JR東日本)の「モバイルSuica」は、同社のICカード乗車券・定期券兼電子マネー「Suica」のおサイフケータイ版です。通常のSuicaと同様にICカード乗車券・定期券、電子マネーとして使えるほか、以下のような便利さがあります。
- VIEWカード以外のクレジットカードでもクレジットカードチャージできる
- 銀行振込やキャリア決済でチャージできる(クレジットカード登録不要)
- 普通列車用グリーン券を、車内でも「事前料金」で買える
- 定期券を「みどりの窓口」や指定席券売機で並ばず買える
- 通常の乗車券+指定席特急券より割安な「モバイルSuica特急券」を買える
- JR東海・西日本の「エクスプレス予約」の「EX-ICカード」として使える
- Suicaポケットからのチャージをその場でできる
順に追加説明をしていきたいと思います。
銀行振込でのチャージについては、Androidスマホ・ケータイ・タブレットでは、三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・じぶん銀行で対応しています。じぶん銀行は手数料無料で、他の2行は取引状況次第で手数料がかかります。また、キャリア決済はドコモ・au・ソフトバンク各社で対応しており、手数料は「当面無料」となっています。
普通列車用グリーン券を車内でも事前料金で購入できる、という話については、JR東日本で「Suicaグリーン券」システムに対応している区間と、東海旅客鉄道(JR東海)東海道線の熱海~沼津間で導入されています。平日と休日、乗車距離(50km未満と50km以上)、事前購入と車内購入の組み合わせで、計8パターンの料金があります。なお、JR東海区間については、Suicaグリーン券は使えないので、事前に「みどりの窓口」か、改札外の自動券売機で磁気グリーン券を購入しておきましょう。
定期券については、JR東日本の駅を発駅とする首都圏の私鉄(PASMO・Suicaエリア)への連絡定期券も購入できます。ただし、以下のパターンに当てはまる場合は、購入前に「モバイルSuicaコールセンター」に電話・郵送で問い合わせる必要があります。
- 1. 「通学定期券」を新規購入、または年度をまたいで更新する場合
(PCで購入予約→プリントアウトした申込書に通学証明書を添付してコールセンターへ郵送)
(年度内の継続購入は、端末だけで購入可) - 2. JR東日本の新幹線の定期券(FREX・FREXパル)を新規購入する場合
(FREXは電話問い合わせ、FREXパルは1.に準じ、年度をまたぐ更新時も要問い合わせ) - 3. 「グリーン定期券」で、実乗車区間とグリーン車の利用区間が異なるものを新規購入する場合
- 4. 「分割定期券」や「2区間定期券」を新規購入する場合
(分割定期券:連続する2区間の定期券を1枚にまとめたもの。本来は、「A-B間は通勤定期、B-C間は通学定期」というふうに異なる券種で、区間が連続している定期券をまとめることを想定しているが、2区間が同一の券種でも発行してもらえる。3.は、厳密には分割定期券の一種となる)
(2区間定期券:第1区間の定期券の途中駅から分岐して、別の路線の駅へ向かう第2区間の定期券を1枚にまとめたもの。分岐する第2区間はJR東日本・私鉄の路線が対象で、全区間私鉄駅になってもOK) - 5. モバイルSuicaの自動経路案内では出ない経路の定期券を新規購入したい場合
話を戻しましょう。通常の乗車券+指定席特急券より割安な「モバイルSuica特急券」については、乗車券としての効力は、発着駅限りとなります。新幹線から在来線などへの乗り継ぎには、別途有効な乗車券が必要です。そのため、目的地によっては普通に乗車券+特急券を購入した方が割安になることもありますのでご注意ください。
JR東海・西日本の「エクスプレス予約」の「EX-ICカード」として使える、という点については、登録クレジットカードを「ビューカード」(ビューカードが発行したものに限る)または「エクスプレスカード」(JR東海とセディナの提携クレジットカード)にする必要があります。なお、ビューカードでの利用時は、別途JR東海の「エクスプレス予約会員」(年会費1080円)の申し込みも必要です。
細かく書きましたが、便利さを享受するには知らないといけない知識もそれなりに必要なのが難点です。また、ごく一部を除いて駅の券売機・チャージ機では使えないのも考えようによってはデメリットです。さらに、クレジットカード登録をする際に、ビューカード(ビューカード以外が発行したものでもOK)では年会費1080円が必要、っていうのも問題です。もっと言えば、現在のところSIMロックフリーなおサイフケータイスマホでは使えないのです……。
ただ、モバイルSuicaが出て以来、1080円の年会費を2014年まで払っていた(※)自分としては、年会費を払ってあまりあるメリットがあると思っています。特に、並ばずにチャージしたり定期券を買ったりできるのは、混雑する駅ほどメリットを享受しやすいのです。並ぶのが好きではない自分としては、願ったり叶ったりなのです。
※ オートチャージ目的で、三井住友カードの「SMBC CARD Suica」を作った結果、年会費が「当面無料」となりました。
■主要なスーパー・コンビニで使える非接触ICクレジット「iD」
ドコモの非接触ICクレジット「iD」 |
モバイルSuicaに次ぐキラーサービスだと個人的に思っているのが、NTTドコモが展開している非接触ICクレジットプラットフォーム「iD」です。
ドコモは、iDを普及させるために、三井住友カードに出資したり、自らも「DCMX」(12月から「dカード」に名称変更)というクレジットカードを発行したり、コンビニに出資してiD加盟店にするなど、結構いろいろ頑張ってきました。携帯電話料金との一括請求で簡易審査で1万円(利用状況によっては2000円~3万円)まで使える「DCMX mini」も発行し、カジュアルユースに力を入れてきました。
結果、iDに対応するクレジットカードを発行する会社は、ドコモと三井住友カード(VJA/オムニカードグループ)(※1)だけではなく、クレディセゾン(セゾンカード・UCカード)、イオン銀行、オリエントコーポレーション(オリコ)、セディナ……などなど結構あります。また、大手コンビニで使えないチェーンはありませんし、大手スーパーもイオン、ユニーに加えて最近イトーヨーカ堂でも使えるようになりました。マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン(一部)、すき家(一部)でも使えるし、国内で使えるお店が一番多い非接触ICクレジットとなりました。さらに、ドコモがMasterCardと提携したことにより、海外の「MasterCard PayPass」加盟店でもiDを使えるようになりました(※2)。
※1:全国の銀行やカード会社の互助組織で、三井住友カードが持つVisaカードライセンスを利用してVisaカードを発行するのが「VJA」、MasterCardライセンスを利用してMasterCardを発行するのが「オムニカード」です。「三井住友VISAカード♪」と言いますが、実は「三井住友MasterCard」もあるんですよ。知っていましたか?
※2:NFC決済用の領域がある「ドコモUIMカード Ver.5」(ピンク色)と、それを読み取れる「NFC(FeliCa+TypeA/B)」対応のAndroidおサイフケータイが必要です。また、iDとひも付くクレジットカードがDCMXまたはオリコのiD対応クレジットカードである必要があります。
スマホさえ持っていれば、財布を出さずに決済できるiDは、正直やみつきになります。日々の決済は、基本的にiDで、使えない場所はモバイルSuica、それでも使えない場所は現金かクレジットカード、なんていう生活をしています。万が一、財布を忘れても、生活できてしまうのは都会だからなのか、なんなのか……。
iDのデメリットは、携帯電話・スマホは「ドコモ」ダケで、スマホはさらに「spモード」の契約が必要っていうところです。auやソフトバンク、あるいはSIMロックフリーのおサイフケータイでは使えないのです。最近では、クレジットカード一体型、あるいはプラスチックカード型のiDもあるので、ある程度はそのデメリットは緩和できます。
ということで、後編は、ICプリペイドカードやポイントカードについてご紹介します!
記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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本コラムは毎月第1・第3金曜日更新予定!
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