最近SIMロックフリースマホに増えている「デュアルSIMスロット」(写真はHuawei「honor6 Plus」) |
それはさておき、最近、国内で販売されるSIMロックフリー端末を中心に、2つのSIMカードスロットを持つ「デュアルSIM」対応のものが増えています。最近グローバルモデルが発表された、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia Z5」「Xperia Z5 Premium」にも、「Xperia Z5 Dual」「Xperia Z5 Premium Dual」というデュアルSIM対応モデルがあります(一部の市場のみ販売)。
実は、アジア圏を中心に、このようなデュアルSIM対応端末は広く支持を集めているのです。一体何が便利なのでしょうか。今回のスマホ講座では、デュアルSIM端末について、その利便性と課題について考えていきます。
■2枚のSIMで同時待ち受けOK!
デュアルSIMの最大のメリットは、2つの電話番号で同時に着信を待ち受けられることです。たとえば、1枚を日本のキャリアのSIMカード(事実上NTTドコモかソフトバンクか、そのMVNOじゃないとダメですが……)、もう1枚を海外のプリペイドSIMカードにしておけば、海外渡航時でも日本からの電話を待ち受けつつ、現地の格安なデータ通信を併用できるという大きなメリットがあります。また、現地の電話にかける場合は、現地のSIMカードの方が(当然)安いので、そちらから発信することもできます。
2つの電話番号で同時待ち受けOK! |
■「2G」がない日本では現状はメリット薄?
ただ、日本で使う限りにおいては、デュアルSIMのメリットは皆無です。片方のSIMスロットはGSM(海外の第2世代【2G】携帯電話規格)でしか待ち受けできない端末が多いからです。GSMは、日本と韓国では一切採用されていない規格なので、デュアルSIM対応だとしても、事実上1つのSIMしか待ち受けできないのです。
現行のスマホは、片方のSIMがGSMオンリーになってしまう…… |
「なら、両方のSIMカードスロットでLTE(4G)やW-CDMA(3G)で待ち受けできるようにすればいいのに……」という声も出てきそうなものです。非対応な理由としては、LTE/3Gを2回線分待ち受けしていると消費電力の面で実用的に使えないということと、その割に端末コストに大きく跳ね返るため対応しない、という要素が大きいようです。
もっとも、Huawei製の最近のAndroidでデュアルSIMなスマホのように、LTE/3G/2Gで待ち受けるSIMカードを設定から自由にすぐ替えられるものもあるので、「データ通信しまくる用SIM」と「通話しまくる用SIM」を用意して、都度都度切り替える、という運用ができないわけではないのですが、面倒です。
技術革新で、2回線(枚)とも、LTE/3Gで待ち受けできる端末が出るまでは、先述のとおり海外渡航時に、日本の番号での電話待ち受けをしつつ、格安な現地でのSIMカードでパケット通信を併用する、という使い方になりそうです。
記事執筆者プロフィール
せう
ブログ:せうの日記、Twitter:@shoinoue
静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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静岡県三島市で産まれ、静岡県駿東郡長泉町で生まれ育ったアメリカ系日本人3世。見た目が日本人離れしている反動で、身の回りの道具は日本で開発されたものだらけである。ITmedia、andronaviを始めとするWeb媒体を中心に執筆活動を展開。自前のブログ「せうの日記」も宜しくお願いします。
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本コラムは毎月第1・第3金曜日更新予定!
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