虹彩認証を搭載した富士通製「ARROWS NX F-04G」 |
この虹彩認証がどの程度のものなのか? 発表会のタッチ&トライで試してみた。
<外観>
パッと見にはARROWS NX F-04Gの外観は普通のスマホ。背面も至って普通のスマホ。スクエアな形状で、背面のメインカメラのレンズ部は少し飛び出ている。
背面から見ると普通のスマホと変わらない。 |
下は側面の写真。側面から見ても、全体的にスクエアな形状であることがわかる。
側面。インターフェースは特に変わりない。
カラーバリエーションは3色で、Iris GreenとBlackは下のプレス写真からわかるようにグラデーションがかかっている。
カラーバリエーションは3色。左上から順にWhite、Iris Green、Black。 |
<虹彩認証を試す>
■センサーは?
ARROWS NX F-04Gの前面上部には色々なものが搭載されている。
一番右にある目立つカメラが虹彩認証用の赤外線カメラ。 その左に通常の前面カメラ、その左に赤外線照明や近接センサーがある。 |
ARROWS NXに搭載される虹彩認証システムは「Iris Passport」という名前の機能。Iris Passportでは、普通のサブカメラではなく、専用の赤外線カメラで人間の目の虹彩を読み取り、認証するようになっている。
■まずは登録
言うまでも無いが、まずは自分の目の虹彩のデータを登録する必要がある。登録モードにして、カメラに向かって、目を大きく見開いて行う。
登録モードにすると、画面の上部に2つの円が表示される。この円の中に1つずつ目が入るようにすると登録処理が自動的に開始される。普段メガネを掛けている方は、メガネを外し、できるだけ目を見開いている必要がある。ちなみに、メガネを外すのは登録時のみでよく、ロック解除の認証時には掛けていても構わない。
登録処理はそれほど長い時間はかからない。数十秒程度だったと思う。
登録時の注意事項 |
登録時のポジション |
この2つの円の一つ一つに目が入るようなポジションをとる。 |
目を2つの円の部分に入れると、実際の登録処理が始まり、円の周上に進捗を示すバーが表示される。
登録完了 |
■速い認識
Android端末のロック解除はパターンやコードなど色々な方法で行うことが可能だが、ARROWS NX F-04Gの場合は、この虹彩認証を使って行うことができるわけだが、実際に虹彩認証でロック解除するように設定し、一旦画面をオフにしてから電源キーを押すと、虹彩認証画面が表示される。
登録時と同じような2つの円が画面に表示されるので、そこに自分の目を入れるようにすれば、自動的に認証処理が始まり、合致すればロックが解除される。
実際に試してみると、裸眼だとまさに一瞬で認識されてしまう。また、片目だけが円に入った状態でもOKだった。
一方、メガネを掛けた状態だと、認識に数秒を要する。とはいえ、メガネを掛けたままでも認証してくれるのは便利だ。
短時間しかテストできなかったが、正直、非常に実用性が高いと思った。
円に目が入るような位置に顔や端末を移動する |
こんな距離、位置で認証できる。登録時はメガネを外すが、認証時は掛けていても構わない。
ただし、メガネがあると認証に少し時間がかかる。裸眼だと一瞬。
ただし、メガネがあると認証に少し時間がかかる。裸眼だと一瞬。
ロック解除だけでなく、docomo ID認証の際にも利用できる |
■富士通の技術力の凄さ
それにしても、この時期にこんな技術をスマホに普通に搭載できるのが凄い。
富士通の技術力は非常に高いと言わざるを得ないだろう。高いセキュリティが欲しい人は世界中にいると思うので、世界進出した方がいいのではないか? と思う。実際、富士通は「らくらくスマートフォン」に関しては欧州に進出しているので、虹彩認証技術を搭載したスマホなども、世界進出時の武器になるはずだ。
現在の市場では、各社のスマホは機能が似通い、価格競争になりかねない状況だが、このような独自技術があれば、市場でも十分な差別化ができることだろう。
<その他、ARROWS NXの概要>
今回のARROWS NXは、他社製スマホと比べて、虹彩認証以外にも独自機能などの魅力をいくつか搭載している。
■TransferJetで実効最大375Mbpsでの近距離通信
ARROWS NX F-04Gはスマートフォンでは世界初となる「TransferJet」対応だ。近距離無線通信技術のTransferJetを使って、F-04G同士をタッチするだけで、何と実効速度レベルで最大375Mbpsでの通信が可能となる。そのため、写真や大容量の動画データもタッチだけで手軽にかつ短時間でやり取りできる。
■ヒューマンセントリックエンジン
富士通おなじみのヒューマンセントリックエンジンの様々な機能も健在。クリアな通話ができる「スーパーはっきりボイス4」や「スーパーダブルマイク」などの他、日光下でも見やすい「スーパークリアモード」など色々とある。
■カメラ
カメラも進化していて、Xperiaとほぼ同等の1/2.4型というスマホとしては大型で、約2,150万画素のCMOSセンサー「Exmor RS」(ソニー製)を採用する。機能面もリアルタイムHDRや4K動画撮影など基本を押さえる。サブカメラは約240万画素。
■通信
今夏モデルはドコモの下り最大225Mbpsの「PREMIUM 4G」に対応するが、ARROWS NXも同様。さらに、Wi-FiでMIMOをサポートするので、Wi-Fiでは最大で867Mbpsでの通信が可能だ。また、TD-LTEもサポートし、中国でもLTEローミングが利用できるようになっている。
富士通おなじみのヒューマンセントリックエンジンの様々な機能も健在。クリアな通話ができる「スーパーはっきりボイス4」や「スーパーダブルマイク」などの他、日光下でも見やすい「スーパークリアモード」など色々とある。
■その他の機能及びスペック
機能面では、FMトランスミッタ、ハイレゾ対応、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグ、フルセグ、VoLTE、DLNA、MHL、防水・防塵など考えられる限りの機能に対応し、「全部入り」といった端末になっている。バッテリー容量は3,120mAh、ディスプレイは約5.2インチで1440×2560ドット、OSはAndroid 5.0、CPUはオクタコア(2.0GHz+1.5GHz)、メモリは3GB RAM、32GB ROMといったスペック。
サイズは約146×70×8.8mmで、重さは約155g。
ちなみにARROWSと言えば、指紋認証だが、今回は虹彩認証を搭載したことで省かれている。
発売時期は5月下旬の予定で、すでに予約受付は始まっている。
(記事:一条真人。概要は編集部が加筆)
【情報元、参考リンク】
ARROWS NX F-04G