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この技術は、大規模災害時など、携帯電話網への接続がしにくくなった場合や機能しなくなった場合に役立つもの。東日本大震災が記憶に新しいが、大規模災害時にはどうしても携帯電話網が繋がりにくく、特に音声通話ができない状況が長く続くことがある。データ通信についても同様で、やはり繋がりにくくなるという懸念がつきまとう。
今回開発された技術はそうした状況を想定したもので、スマートフォンに搭載されているBLEを使って、近距離端末間で情報をバケツリレーし、携帯電話網に繋がる位置にある端末まで情報を届け、そこから安否情報の登録をしてしまおう、というものだ。
従来、BLE等の近距離通信は、同じOSのスマートフォン同士で主にデータ交換の手段として利用されてきたが、今回の技術は異なるOS間をまたがって利用できるように開発されている。
例えば、大規模災害時に自分のスマートフォンが携帯電話網に繋がらなくても、100m、200m先にいる誰かのスマートフォンは繋がる状況にあるかもしれない。そういう時、その間にBLE接続でのバケツリレーができる端末が複数あった場合、BLEで情報伝達し、携帯電話網に繋がるスマートフォン経由で災害用伝言板へ登録することができる。
瓦礫に囲まれてしまって身動きが取れない場合など、とにかく様々なシーンで役立つ技術になりそうだ。
ドコモでは今後、この技術のソフトウェア開発キットを公開するとともに、新たな安否情報登録サービスについても実用化に向けて検討を進めていくということだ。ソフトウェア開発キットはdocomo Developer supportにおいて3月中に公開される予定。
なお、この技術はAndroid 5.0以上とiOS7.1以上を対象としているので、現時点の動作要件では市場に多く出回っているAndroid 4.x搭載スマートフォンでは利用できないことになるが、今春以降に発売されるスマートフォンではおそらく多くが対応できるはずだ。
【情報元、参考リンク】
NTTドコモ/プレスリリース