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人の目には瞳孔の外側に虹彩と呼ばれる部分があり、この環状の部分の皺のパターンを認識することで本人確認を行うことができる。注目したいのは、虹彩は約2歳頃から生涯を通じてほとんど変化することがなく、また外傷を受けにくいという特徴があること。そのため、認証に使いやすく、指紋と比べて偽装しにくいという大きなメリットもある。
富士通が開発したスマートフォンには、赤外線LED照明と赤外線カメラがスマートフォンの前面上部に配置されている。この赤外線LED照明から赤外線を照射し、赤外線カメラでユーザーの眼球部分を撮影することで虹彩パターンを取得し、登録・照合する。
ちなみに、赤外線カメラでは、赤外線LED照明が発する光の周波数帯を撮影することができるようになっている。
従来の虹彩認証システムでは、目と赤外線カメラの距離を約10cmにまで近づける必要があったが、今回の技術では高速かつ高信頼性の虹彩認証エンジンであるDelta ID社の「ActiveIRIS」を採用することで、通常のスマートフォン使用時の目とカメラの位置関係でも認証が可能となっている。
現在のスマートフォンでは、画面ロックの解除を行う際、パスワードの入力やパターン入力、指紋認証などが一般的だが、虹彩認証ではいちいち認証解除のために指を動かす必要すらないため、かなりスムースになりそうだ。
富士通は今後も研究開発を進め、2015年度中での製品化を目指すということだ。2015年もしくは2016年春モデルまでには虹彩認証システムを搭載した「ARROWS」シリーズが登場するかもしれない。
【情報元、参考リンク】
富士通