HJホールディングス ヴァイス・チェアマン 船越 雅史氏 |
同社はこれまで日本国内でのユーザー数を未公開としていたが、ついに明らかにされ、大台に乗っていることが分かった。
ついに100万人を突破 |
《プレゼンテーション》
登壇したHJホールディングス ヴァイス・チェアマン 船越 雅史氏は、Huluのユーザー数が100万人を突破したことを、ユーザー、スタッフ、関係パートナー等、様々な方に感謝すると述べ、改めてHuluの特長を語った。船越氏はHuluの大きな特長は2つあるとしている。1つはシームレスに再生できること、もう1つはマルチデバイス対応ということ。
家でテレビやパソコンで視聴していた動画を、外出先のスマートフォンですぐに続きを視聴できたり、といったことがスムースに楽しめることが大きな特長。そのため、Huluとしてもできるだけ多くの機器に対応することが大きなモットーとなっている、ということだ。今回、そのマルチデバイス対応に関しても、一つの大台に乗ったことが明らかにされた。
パソコンを除き、対応機器数が1億台を突破したことだ。
対応デバイスがPCを除き1億台を突破した |
そして、新たに「PlayStation 4」(以下、PS4)に対応することが明らかにされた。4月1日からPS4でもHuluを利用することが可能になる。これによって、PSファミリーでは「PlayStation 3」「PlayStation Vita」に続いて3機種目となるが、PS3やPS Vitaを持っていないPS4ユーザーもHuluを楽しめるようになる。しかも、後述するが実際に筆者が体験したところPS4でのHulu利用はPS3でのそれよりも挙動が改善され、よりスムースに操作できるようになっている。そのため、現在PS3でHuluを楽しんでいる方がPS4へ移行するメリットもある。
これまでのHuluでの総視聴時間は3億6000万時間になる |
また、Huluでの総視聴時間は3億6000万時間に達している。
100万人を突破したことを感謝し、Huluでは2015年、「フールー、オン」というフレーズでキャンペーンを実施することも明らかにされた。詳細発表は後日だが、4月に第一弾のキャンペーンが開始され、一年を通して様々な企画が用意されるようだ。
2015年、「フールー、オン」と題したキャンペーンが実施される |
さらに、Huluではコンテンツ強化の一環として、オリジナル作品にも挑戦していきたいということで、詳細を発表できる段階になり次第明らかにされる。どうやらHuluオリジナルドラマも制作しているようだ。
発表内容は以上で、続いて質疑応答、そしてPS4での実機説明会となった。以下、紹介していきたい。
《質疑応答》
まず、以前と違い、2014年4月以降は日本テレビ傘下に入って運営されている現在のHuluだが、その前後での違いに関して、日本テレビ傘下に入る前の時点でのユーザー数は61万人だったことが船越氏から質問への回答の中で明らかにされた。そして、今後日本上陸が予定されている米「Netflix」への意識については、切磋琢磨しつつ、共に「有料VOD市場」を大きくしていきたいという。
質疑応答に対応する船越氏 |
次に今後の目標とHuluオリジナル作品の具体的な話だが、100万人突破後の目標はまだ具体的に数字を出すなどといった段階にはなく、着実に取り組みつつ、何か発表できる時には明らかにしたい、とのことだった。オリジナル作品については、日本テレビ傘下になる前から検討されており、2014年12月にコンテンツ制作部という、新たなコンテンツを制作する部署を設け、どのようなコンテンツを投入していくかということを検討、制作している。第一弾についてはすぐにでも発表できるレベルまで準備が進んでいるが、その後についてはユーザーの動向、制作会社等のパートナー含めて考えていきたい、とのことだ。第一弾は近いうちにリリースされるようなので、楽しみにしたいところだ。ちなみに、前述したように、オリジナルドラマを制作していることが発表会の資料に記載されていたため、第一弾はドラマかもしれない。
今後料金プランを増やす、例えばハイグレードプランを用意するなどの計画・考えはあるのか? という点については現時点ではない、との回答だった。もちろん、完全に排除するわけではないものの、「完全定額制で全ての作品を見放題」という分かりやすさが魅力の一つであるため、今のところはそれを崩す考えはない、とのことだ。
より高画質での配信の予定はあるのか? については、現時点では具体的な予定はないものの、今後そういった対応が必要になるとは考えているという。
今後追加予定の国内コンテンツについては、フジテレビの深夜アニメ枠である「ノイタミナ」の作品の配信について交渉中で、4月にも投入できる予定。また、テレビ朝日ともコンテンツ配信について交渉中とのことで、海外コンテンツだけでなく、日本のコンテンツについても拡充を図っていく、とのことだ。
質疑応答はここまでで、以下、PS4の実機紹介タイムとなった。
《PS4でのHuluの実機デモ》
4月1日からはPS4でも視聴できるようになるHuluだが、質疑応答の後で実際にPS4向けアプリケーションの紹介があった。説明して下さったのはプロダクト部の福田氏。福田氏は基本的にHuluの全プロダクトを担当しているという。
4月1日からプレイステーション4でもHuluを視聴できるようになる。
Huluでは基本的なデザインルールがあり、縦スクロールでカテゴリを見て、自分の気に入ったカテゴリがあれば横スクロールして追っていく、というスタイルになっている。横スクロールも延々と続けるわけにはいかないので、途中で止めて、それ以上見たい場合にはもっと見るとクリックすることで、より多くのリストを見ることができるようになっている。これはパソコンなどでも同じ。Huluでは作品のサムネイルが並んだリスト表示を「グリッドビュー」と呼んでいるという。
プロダクト部の福田氏が説明を行った |
縦スクロールで特集や映画、テレビ番組などのサムネイルが並んだ各「トレイ」を表示。 |
各「トレイ」で横スクロールすれば、同じカテゴリの作品のリストを見ていける。 |
PS3でHuluを利用したことがある方なら一目で分かると思うが、基本的にPS4でのHuluも見た目、操作性は変わらない。筆者もPS3でのHuluも利用しているが、特に変わった点は気付かなかった。PS4のコントローラ「DualShock4」にはタッチパッドなど、PS3のコントローラにはなかった新たな操作系も導入されているが、それらを使うようにはなっていないので、PS3ユーザーは何の違和感もなくPS4へ移行できるはずだ。逆にPS4ならでは、という機能もなく、オーソドックスなアプリだ。
画質もPS3とは変わらない。
何か変わった点があるのか? と言えば、PS3よりもPS4の方がハードウェアスペックが高いため、処理が速くなったことが挙げられる。筆者も帰宅後、PS3でのHuluを確認してみたが、確かに発表会で体験したPS4でのHuluの方がメニュー操作が速くなっていた。PS3でのHuluではスクロール処理で表示遅れが発生する。速くスクロールした時に各作品のサムネイル表示が間に合わず、少し待つ。それがPS4ではかなり解消されている。他のデバイスでのHuluとも比較してみたところ、スマートフォンやタブレットでのスクロール、サムネイル表示の方がスムースだが、PS4もかなりスムースになっている。
おそらくPS3ユーザーがPS4に移行するとストレスが大きく軽減されるはずだ。
Huluでは「グリッドビュー」と呼ぶ画面。スクロール時のサムネイル表示が速くなった。 |
Huluでは上図の画面を「グリッドビュー」、横並びのカテゴリ別並びを「トレイ」と呼んでいるのだという。
画面構成はPS3と同じ。メインカテゴリも「テレビ番組」「映画」「マイリスト」など。 |
PS4の実機デモでは特に目新しい情報はなかったが、特集コーナーはスタッフが手作業でピックアップし、まとめているということだ。新作や人気作ではなくても面白い作品、オススメしたい作品というものはあるわけで、そうした作品は特集コーナーで紹介しているのだという。また、家庭用ゲーム機向けにはキッズ向けコンテンツの特集を表示させたり、スマートフォンでは別にしたり、と機器の種類別にも分けたりしているということだ。しかも、特集は毎週更新などではなく、毎日だったり、随時更新しているということだ。
特集はスタッフが手作業で作っているという |
PS4でのHuluアプリは「PlayStation Store」で「Hulu」で検索し、ダウンロードすればいい。Hulu起動後、既存ユーザーの場合は「すでにHuluアカウントを持っている」を選び、Huluアカウントのメールアドレスとパスワードを入力。新規ユーザーの場合は、「今すぐ無料トライアル開始!」を選び、画面に表示されている指示に従っていけばいい。通常は無料トライアルは2週間だが、PS4から登録した場合には他のゲーム機などと同様に1ヶ月間の無料利用が可能となっている。
ちなみに、今回のHuluの発表会では、参加したプレス陣に、「御礼 100万達成 hulu」と書かれたどら焼きがプレゼントされた。なぜどら焼きなのか? という疑問は残ったが、味は普通のどら焼きで、おいしく頂いた。
なぜか「御礼 100万達成 hulu」と書かれたどら焼きがプレゼントされた。味は普通だった。 |
【情報元、参考リンク】
・Hulu