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【一条真人的Androidライフ】第60回:「アンドロイド・イズ・デッド」? Androidも新しい時代へ

初代Xperia
iPhoneがはじめて日本で発売された数日後、僕はなぜかA社の編集部でアップル雑誌の編集者と話をしながら、「いやあ、電話がパソコンになっちゃうと、通話中に再起動しちゃったりいろいろ大変だよねえ」とか、のんきな話をしていた。すると、偶然にもiPhoneを速攻で買った知人が来ていて、「一日、何度も再起動しちゃうんですよ!」と明るく話をしていた。3GSあたりですでにかなりの安定度を持っていたiPhoneだが、はじめのころは、そんなものだった。

さて、一方の日本のAndroidだが、2009年の「HT-03A」(NTTドコモ向け)から始まったが、言うまでもなく、あまりブレークしなかった。Androidを日本でメジャーにしたのは翌年3月に国内販売が開始されたソニーエリクソン(当時)の初代「Xperia」(NTTドコモ向け)だろう。その大規模なテレビコマーシャルのおかげもあり、Xperiaは大ヒットとなった。僕がこのXperiaを見たのは、その年の1月のCES(毎年1月上旬に米ラスベガスで開催される世界最大の家電展示会)だった。

新しい勢力が登場してきて、それがソニー製品だということもあり、僕の中でのXperia熱はなかなかに高まり、発売から間もなく購入していた。当時の僕にとっては、重要度はAndroidというよりはソニーだったと言える。

そんな、ようやく国内でブレークしたAndroidだが、当初は実際に手にとって使うと、やはり色々と手を加えないと実用的に使うのは難しいというか、手を入れてもiPhoneのようなレベルには追いつかなかった。

それでも、毎年のハードウェア及びソフトウェアの進化によって、Androidスマートフォンもソニー製品で言えば、Xperia Z2世代あたりでは完全な実用性とアイデンティティを持つまでに進化した。もうAndroidで完璧にイイじゃんというわけだ。

そうなって、しばらく時間が流れると、僕にとってのAndroidの存在が今までとは違うようになってきた。

Xperia Z3などは、もはや「超えろiPhone」などと願うこともない。言うまでなく、

「Xperia Z3はiPhoneを軽く超えているからだ」

少なくとも僕の中ではだが。

Xperia Z3。デザインも初代の頃と比べると異なる。

そして、Xperiaに対する、日本人独特の“追いかけている者を応援するようなメンタリティ”はもう終わってしまったのかもしれない。

今年のCESにおいて、「ポラロイド」のブースなどでAndroid端末を見ていると、もはや、Androidにとって、ユーザーがマニア層を主流としていた時代は過去の暗黒時のことであり、今やコモディティの時代に突入したのだと感じるのだ。

CES 2015におけるポラロイドのブースにて。同社のAndroid端末。

最近の僕が妙にASUS ZenFoneのようカジュアルな端末も気に入っているのも、そのようなことを認める潜在意識なのかもしれない。

もはや、「僕が当時好きだったアンドロイドは死んだ」のだ。

しかし、みなさん悲しむことはない。

新しい時代が始まっているのだから。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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