Xperia Z3ではDSEE HXを搭載するため、そのデモ環境も展示されていた |
Xperia Zシリーズの新しいナンバリングモデルが登場するのは来春かと考えていたので、個人的には唐突な印象もあるが、新機種が登場するのは嬉しいものだ。それにしても「Xperia Z1」が昨秋、「Xperia Z2」が今夏、Xperia Z3が今秋と、ナンバリングモデルの登場間隔は随分と短くなってきている。Xperia Z3の発売は10月下旬の予定だ。
間隔が短くなってきたことも影響していると思うが、旧モデルのXperia Z2からの「機能的に」大きな違いは単体でのハイレゾオーディオへの対応、「PlayStation 4」のリモートプレイに対応したことくらいだ。なぜ、ここで「機能的に」と絞って言ったのかというと、そのルックスは大きく変化しているからだ。
Xperia Z2までのXperia Zシリーズは、どちらかというとエッジの効いたデザインを一つの特徴としていた。これに対して、Xperia Z3では、側面が丸みを持つ、きわめてマイルドなボディになっている。
これはXperia Zシリーズにとっては大きな事件だ。
もちろん、角の丸みなどは徐々に大きくなり、マイルド化の流れはすでにあった。しかし、今回のXperia Z3のそれは、印象として大きな変化に感じるのだ。背面はガラス素材でできており、iPhone的なデザインを継承している。
サイドは丸みが強くなったことでイメージが変わってきた
しかも、カラーリングも一変したのだ。
従来から受け継がれたのはホワイトとブラックだけで、これにカッパーとシルバーグリーンが加わった。このカッパーは、最初は地味なゴールドかとも思ったのだが、10円玉と同じ、銅の明るい奴だった。なんという地味な転身!
カッパー。紫に変わってこの色が新しいイメージカラーなのか? |
カラーは4色。ホワイトなどはXperia Z2とそれほど印象が変わらない。 |
「Xperiaのテーマカラーは紫では?」と思っていた僕のショックはきわめて大きかった。
「エッジの効いたデザインで紫色のセクシーな端末が、10円玉色で地味なデザインになるって何よ?」
と思ったが、このデザインが今後も継承されるのかは不明だ。
それにしても、なぜ、ソニーはこのようなことをしたのか? Xperia Z2からたいした機能アップもしていないのをごまかすためか、あるいは同じく冬の時期に例年リリースされるオーディオ機器との関係もあるのかもしれない。「ハイレゾ」繋がりということは何らかの関係があるのかもしれない。といいつつも、結局は丸みを帯びた形状の方が持ちやすい、という判断なのだろう。しかし、印象は大きく変わってしまった。
さて、デザイン面の話ばかりになってしまったが、単体でのハイレゾオーディオ再生対応に加えて、カメラ機能で「ARファン」機能が追加されたのが個人的には大きく感じる。
このARファン機能は、画面をキャンバスにして、ARの3Dオブジェクトとペンやブラシツールなどを使って、様々な加工を施した写真や動画を作成できる機能で、空中に字を書いたり、バケツが降ってきたりするのが面白い。また、今回のXperia Z3のカメラでは、暗い場所での撮影により強くなり、ISO12800に対応している。もともとXperia Zシリーズのカメラは暗所に強いが、より高感度に対応したことで、かなり暗い場所でも撮影できるようになっているはずだ。
落書きしたり、バケツが落ちてきたり、色々な加工が面白い
他の特徴も簡単に紹介しておこう。
カメラ関係では、ハンディカムやサイバーショットなどで採用されている電子式手ブレ補正「インテリジェントアクティブモード」が搭載されている。これにより、動きながら撮影したとしても、ブレの少ない動画撮影ができる。
オーディオ面では何度か述べてきたように、単体でのハイレゾオーディオの再生に対応した。さらに、mp3などの圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」を搭載している。デジタルノイズキャンセリングの搭載や、フロントステレオスピーカー、バーチャルサラウンド技術S-Forceなども継続搭載だ。
地味だが、冬に便利な機能として、タッチパネルの感度を上げて手袋に対応する「手ぶくろモード」がある。このモードにすれば、手袋をした状態で操作ができる。もちろん、手袋の素材や種類によってはできないこともある。
そして、「PlayStation 4」のリモートプレイに対応した。家の中はもちろん、外出先からでも家に置いたPlayStation 4にXperia Z3からアクセスし、ゲームをプレイできる。この時には、PlayStation 4のコントローラー「DUALSHOCK4」を使う。
PS4 リモートプレイ機能の利用イメージ |
基本的な仕様を確認すると、OSはAndroid 4.4で、CPUはQualcomm Snapdragon 801(MSM8974AC) Quad-core with 2.5GHz、メモリは3GB RAM、32GB ROM、ディスプレイは約5.2インチでフルHD、本体サイズは約146×約72×約7.3mmで、重さは約152g、バッテリー容量は3,100mAh、防水・防塵仕様などだ。
Miracastを使ってワイヤレスで映像を出力できるほか、ケーブルでの出力ができるMHLもサポートする。おサイフケータイ、NFC、ワンセグ、フルセグもサポートする。
■まとめ
デザイン的にXperia Z2のような、ある意味派手なものが馴染まない方には今回のマイルドなルックスのXperia Z3はいいかもしれない。また、持ちやすさを重視する方にもXperia Z3はマイルドでいいかもしれない。単体でのハイレゾオーディオ再生に対応したのもAV機能を重視している人には嬉しいだろうし、カメラも進化し、PlayStation 4との連携機能も図った。
それにしても、本来は色々な意味でもっとインパクトがあっていいのではないか? Xperiaも何か壁にぶつかっているのか? と疑ってしまう。結局、最終的に僕がもっとも興味があるのは、今後のXperiaのデザインがどうなっていくのか? だった。
とはいえ、いくつかの進化点があるので、それらにピンと来る方には嬉しい新モデルだろうし、Xperia Z1やXperia Z2をスルーしてきた方には大きな進化になっているはずだ。
(記事:一条真人)
【情報元、参考リンク】
・ドコモオンラインショップ/Xperia Z3製品ページ
・NTTドコモ/Xperia Z3製品ページ