Xperia ZL2を片手にブライアンポーズをしている筆者 (※編集部注:ブライアンポーズについてはこちらの記事を参照) |
《カメラアプリ》
カメラの画質ではなく、アプリを担当しています須藤です。
カメラ関係ですが、画質ではなくアプリケーションの担当をしています。 Xperia Z2から「+アプリ」というボタンが進化していて、ボタン自体はXperia Z1時代から搭載してるんですが、ユーザーにより見やすくなるようにUIを進化させています。
ちなみに、「+アプリ」というのは、ソニー製のアプリだけではなくて、パートナーのアプリを追加できるというものです。開発の仕組みを公開しておりまして、誰でもこのXperiaのカメラアプリ機能を追加できるというオープンなものなんです。
もう1つは「クリエイティブエフェクト」の進化です。今回はビデオでも使えるように進化しています。
Xperia Z1までは9種類のエフェクト、静止画撮影のみだったのが、Xperia Z2では動画でも使えるようになっています。動画を撮影しながらエフェクトを切り替えることもできます。そのため、Xperia Z1までに使っていた設計を大幅に見直し、動画に対応させ、かつ18種類のエフェクトが使えるようになりました。
クリエイティブエフェクトについて |
+アプリについて |
《オーディオ》
次はオーディオ系の話です。オーディオのハードウェアを担当している内山と申します。
オーディオについて |
いつでもどこでも高品質なサウンドを楽しみたい |
Xperia Z2世代のオーディオ面の進化としては、デジタルノイズキャンセリングを搭載していることがあります。
「電車モード」、「航空機モード」、「室内モード」という3つの動作モードを持っており、それぞれのモードではそれぞれの環境に最適化されたノイズキャンセリングをかけることができます。
もう一つがスピーカーです。Xperia Z1まではスピーカーの穴が下向きでしたが、実際にユーザーが使うときは液晶面を向けて使うので今回はスピーカーをフロント側に用意しました。また、音量をより上げるためもあってステレオにしました。
ノイズキャンセリングに関してなんですが、これはすでにウォークマンで搭載している機能ですが、それをスマートフォンに取り入れたという形です。
ノイズキャンセリングをざっくりと説明すると、周囲の騒音に対して、電話機側から逆位相の信号を入れることで周囲の音をかき消してクリアにすることを可能にしています。
ノイズキャンセリング対応のイヤフォンでは、イヤホンのすぐ反対側に穴かありまして、両耳の方にそれぞれ配置してノイズをモニターするという形になっています。
電車、航空機、室内という3つのモードでノイズキャンセルのチューニングを変えており、それぞれの状況に最適化したフィルターをかけてノイズを削除します。ウォークマンと同等の、約98%のノイズを除去できることが今回の売りになっています。
デジタルノイズキャンセリングについて |
デジタルノイズキャンセリングはモードによってフィルタが異なる (※写真がブレていて申し訳ありません。モードによってフィルタ波形が異なることは分かると思います) |
続いてステレオスピーカーの話に戻りましょう。
先ほど話しましたように、Xperia Z1では下から音が出ていて、かつモノラルスピーカーだったものが、Xperia Z2では両端の前面にスピーカーがある、ステレオスピーカーになっています。Xperia Z2 Tabletも同じです。
ステレオスピーカーということで、バーチャルサラウンド技術の「S-Force」も搭載しています。このおかげで臨場感のある立体的なサラウンドを聴くことができます。
S-Forceについて |
今までのスマートフォンはモノラルだったので、こういった機能が入れられなかったのですけど、スピーカーの進化に合わせてこういった機能を入れています。
あとはハイレゾオーディオですね。
Xperia Z2、Xperia Z2 Tablet限定の話で、かつUSB出力限定ですがハイレゾオーディオ出力ができます。外部にUSB-DACアンプが必要になりますが、より高音質で音楽を楽しめる仕組みとして導入しています。
《ディスプレイ》
合田です。ディスプレイに関してはBRAVIAの技術をXperiaに投入しています。
まず1つ目が「トリルミナスディスプレイ for mobile」です。
トリルミナスディスプレイについて |
これは描ける色の範囲が広がったものです。色域を拡大したことで、今まで描けなかったような色が、より鮮やかに表現できるようになったわけです。特に赤と緑方向の色がより鮮やかになっています。海のシアンとかブルーも、この辺に該当するので鮮やかになっています。
続いては「X-Reality for mobile」です。これはテレビの技術を基にした解像度復元技術です。YouTubeとかちょっと荒いソースの映像でもより美しく表示できます。
Z2世代での進化点として、今回は新開発のLive Color LEDというものをXperia Z2、ZL2、Z2 Tabletに搭載しています。
これまでのコンベンショナルなLEDというのは、青い光を発する蛍光体の周りに黄色い物質がいまして、トータルとして白を表現していました。
今回のLive Color LEDというのは黄色の代わりに緑と赤の蛍光物質に青い光を当てることでトータルで白を表現しています。
これによって青赤緑の純度の高いベクトルを取り出すことができるようになっていますので、色再現という面で改善されています。
Live Color LED |
画質に関しても一歩踏み込んだ形で話をしますと。色のパレットが広がったということがあります。
我々はまず人肌の表示に注力しているんですが、単純に色が広がった分そのまま表示してしまうと、人肌が赤方向に引かれてしまって、不自然な色になってしまっています。
それをできるだけ自然な人肌に抑えるというのを重点的にチューニングしています。
一方で、植物ですとか自然の風景といった、人の記憶にある色は出来るだけこの広がったパレットを使って鮮やかに出るようなチューニングを行っています。
(※注:以前、ソニーのテレビBRAVIAの取材で聞いたことがあるのだが、人の記憶の中にある風景というのは現実にあったものよりも鮮やかによみがえる傾向があるという。そのため、録画は忠実に再生するよりも、明るめに再生したほうが記憶と一致するという研究結果があるという。そのようなノウハウがソニーのビジュアル開発セクションで共有されているのだろう)。
あとはタッチパネルなんですが、これも地味に進化していまして、ダブルタップでスリープ状態から起動します。スタイラスに関しても、1.5mmの細いスタイラスにも対応しています。
細いスタイラスでも操作可能 |
《質問》
説明の後、気になることをいくつか質問させていただいた。
「DTSの11.1チャンネル仮想サラウンドのようなものはXperiaで実現できるのか?」という話を聞いてみたが、これはまだかなり時間がかかりそうだった。また、Xperia本体だけでハイレゾオーディオを聞けるようになるとありがたいとリクエストしてきた。
また、「デジカメの超解像ズームに関してもっと倍率が欲しい」という話をしてみた。将来的には現在の3倍くらいから伸ばしたいと考えているようだが、その時期に関しては不明なようだ。
他には、「できれば、端末を落としたときの壊れない感が欲しい」という話をしたが、「人々の要求があるのはわかっている。サイズアップなどを受け入れてもらえるなら、ある程度、可能ではあると思う。しかし、デザインと強度のバランスは苦労しているところ。メカとしてはケースに入れることで、自分の意図したデザインではなくなるのもさみしい」とのことだが、強度に心配があるから人々はケースに入れるわけで、とりあえずはより強度の高い、スタイリッシュな端末を作ってほしい。
Xperiaシリーズのさらなる進化に期待する筆者。再びのブライアンポーズ (編集部注:最近の一条氏はサイバーなグラスとポージングにこだわっています) |
《他を寄せ付けない「Xperia Z2」のAV機能》
さて、正直な所、今回のXperiaに関する話は、実は筆者としてはほとんど知っていることばかりだし、カタログにも書かれていることもあり、あまりインパクトはなかったが、「インサートモールディング」、「ウーブンファイバー」、「Live Color LED」などの話は興味深かった。特にLive Color LEDに関してはよく知らない人がほとんどだろう。
それにしても、Xperia Z2世代はXperia Z1から大きく進化している。ノイズキャンセリング機能やステレオスピーカーを新たに搭載したオーディオ関連機能は誰の目にも進化が明白だと思うが、ディスプレイ表示のクオリティやデジカメ機能などの飛躍的な進化は素晴らしい。
XperiaシリーズはAV面に関しては、もはや現在の他のスマートフォンに対して数世代分の圧倒的な差をつけているのではないか? と最近の僕は考えている。
(記事:一条真人)
【情報元、参考リンク】
・Xperia Z2レビュー記事
・Xperia ZL2実機レポート
・Xperia Z2 Tabletレビュー記事