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【一条真人的Androidライフ】第50回:目に見える世界を変える仮想世界ゲーム「Ingress」

最近、「Hulu」で「プライミーバル」(※英国のSFドラマ)の新しいシーズンが登場したので、早速見ている。このプライミーバルには、次元の亀裂というものが出現する。この亀裂が他の時代と繋がっていて、現代に恐竜などが登場してトラブルとなり、それを解決するために主人公達が活躍するという話だ。この次元の亀裂の類いのものは、プライミーバル以外にも様々な作品で登場する。

そして、 「Ingress」というゲームには「ポータル」というものが出てくる。このポータルからは新しいエネルギーが放出されていて、人間に色々な影響を及ぼすのだ。

「Ingress」のプレイ画面

このIngressというのはAndroid向けのゲームで、実は1年ほど前にリリースされており、世界的にはかなりのブームになっているようだ。最近iPhone版が出たので遊んでみたというわけだ(なぜ?)。

IngressはGoogleが開発したゲームだ。基本、このゲームは現実世界を舞台としており、ユーザーが実際にあちこちを歩き回って(走り回ってでもいいが)ゲームを進めていくことになる。このゲーム世界の中で、ユーザーは2つの陣営のどちらかについてプレーする必要がある。 1つは「エンライテンド」、覚醒者だ。人類の中でも、ポータルからのエネルギーを受け入れて革新していこうという考えの人々だ。

そして、もう一つは「レジスタンス」、抵抗者だ。彼らは逆に古い人間としての生き方にこだわるという人たちだ。

このゲームのキーとなるのはポータルで、そのポータルを押さえ、 3つのポータルを線で囲むと、その線で囲まれたエリアがその勢力の陣地となる。要するに2つの陣営による世界的な陣取り合戦ゲームなのだ。

ポータルの例

さて、このポータルというのは聖なる場所というか、現実世界では有名なランドマークのような場所であり、例えばスカイツリーだの公園だの銅像などになっている。これらの場所にポータルがあり、未知の力を放っているというわけだ。

このポータルは実際に僕の家の周囲にも多く存在している(※東京都墨田区あたりでは)。僕の近所では、2、300メートルに1つという感じだ。Ingressでは実際に歩き回って、これらのポータル押さえていくことになる。要するに現実世界で自分の足を使って歩いていくのだ。現実世界と仮想世界をクロスさせたゲームになっている。

ポータルはあちこちに点在している。この画面内にも複数ある

このポータルに接近してハックすると、エネルギーやアイテムが手に入る。

このポータルには、ディフェンスするシステムがある。すでに敵陣営に占拠されているポータルの場合、そのディフェンスシステムを破壊して、自分の陣営のポータルにする必要があるのだ。

ポータルをハックしているところ

ポータルはそれにふさわしい場所をユーザーが申請して登録することもできる。

それにしても、

「なぜGoogleがこんなゲームを?」

という感じだが、これは1つにはソーシャルゲーム的なコミュニティーを広げていきたいと言うこともあるにはあると思うが、実はGoogleの地上制覇戦略の一環なのではないかと思う。

現在、Googleは、言わずと知れた「Google Maps」という地図サービスを提供している。非常に便利で完成度の高いサービスだが、これだって完璧ではないかもしれない。

普通の地図には存在しない、地元の人達だけが知るようなランドマーク、それをGoogleは抑えたいのではないか? という気がする。

さて、僕も少し遊んでみたが、とても面白い。これまでにもARゲームは数多くあったが、どれもリアリズムという面で不足していた。それらに対してこのゲームは、今までに見ていた場所を、なんだか違った角度から見ているような印象があるのだ。

また、「こんな場所があったのか」という、新しい発見があったりするのも面白い。

プレイしていると、今までになく、あちこち歩き回ってしまいそうになるのが面白いのだ。

実際、海外のプレーヤーなどでは、このゲームをプレイして10kg痩せたという人もいるようだ。また、このゲームはプレイしていると現実とゲームの区別がつかなくなってくるという人もいるようだ。

日本ではあまりポピュラーではないかもしれないこのゲームだが、世界のIngress熱は半端ではないようだ。

夏休みなどで少し時間のある人は、このゲームでAndroid片手にあちこち歩き回ってみるのも面白いだろう。


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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