Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11本体(ホワイト)とクレードルにセットした状態
発売日は6月20日で、公式通販サイトの「UQ WiMAXオンラインショップ」では「UQ Flat ツープラス おトク割」適用時の販売価格がNAD11本体パッケージのみで2,800円、オプションのクレードルとのセットで4,800円となっている。
クレードルは充電スタンドとして使えるほか、固定回線を有線LANポートに接続してホームルーターのように使ったり、出張や旅行時などにホテルの有線LANを繋いで手軽にWi-Fi環境を構築できるような便利さもある。クレードル単品での販売はされていないので、入手したい場合には本体とのセット購入しかない点には注意が必要だ。
カラーバリエーションはホワイトとブラックの2色 |
以下、このNAD11の詳細をチェックしていきたい。なお、本記事では概要をお伝えしているが、実機の試用レビュー記事も用意しているので、そちらも併せて確認してみてほしい。
→NAD11レビュー記事
≪対応ネットワークと通信モード、速度制限について≫
NAD11が利用できるネットワークはWiMAXとWiMAX 2+。HWD14はそれに加えて「au 4G LTE」も利用できるが、「au 4G LTE」の利用には月額1,005円(利用月のみ)が発生するので、HWD14の料金体系は若干複雑だった。しかし、NAD11はWiMAXとWiMAX 2+だけなので逆にシンプルだ。
WiMAXとWiMAX 2+しか利用できないので、速度制限の話についてもシンプル。
実際には通信モードを分けたり切り替える意味はほとんどないのだが、一応通信モードは2つ用意されている。「ハイスピードモード」と「ノーリミットモード」で、ハイスピードモードはWiMAXとWiMAX 2+を利用できるモードで、その時の電波状況によって回線が自動的に切り替わる。ノーリミットモードはWiMAXのみ使用するモードだ。
ノーリミットモードはその名の通り、毎月どれだけのデータ通信を行っても速度制限が掛からない。一方のハイスピードモードでは課金開始月から25ヶ月間は速度制限なく利用できる。
結局のところハイスピードモードでも2年間は速度制限なく利用できるので、基本的にはハイスピードモードに設定しておけばよい、ということだ。
また、NAD11は公衆無線LANサービスなどのWi-Fiネットワークへの接続も可能だ。しかも、UQコミュニケーションズは7月25日よりWiMAX 2+の利用者向けに新しい公衆無線LANサービス「UQ Wi-Fi プレミアム」を無料で提供開始する。もちろんNAD11でも利用可能だ。このサービスは従来の「UQ Wi-Fi」という公衆無線LANに加えて、ワイヤ・アンド・ワイヤレスが運営する「Wi2」のスポットも利用できてしまうというもので、嬉しいサービスだ。
今後も併売されるHWD14との大きな違いがau 4G LTEへの対応有無なので、au 4G LTEへの接続機能を重視する場合にはHWD14、そうでない場合にはNAD11という選択の仕方になるかもしれない。
≪通信速度と通信エリア≫
WiMAXは下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbpsで、WiMAX 2+は下り最大110Mbps、上り最大10Mbpsだ。WiMAX 2+の通信エリアは既にかなり広範囲になっており、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県などの関東、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県ではかなりのエリアで利用できる状況だ。さらに、福岡県、広島県、北海道の札幌、宮城県の仙台などでもエリア整備が進められており、7月末までにはある程度のエリアで利用可能になる予定。
WiMAX 2+のエリア整備状況については下記リンク先のページで確認できるのでチェックしてみよう。
http://www.uqwimax.jp/service/area/
≪通信性能:WiMAXハイパワーと11acの5GHz対応など≫
NAD11はWiMAX、WiMAX 2+を利用できるルーターだが、HWD14と違い、「WiMAXハイパワー」に対応している。「WiMAXハイパワー」というのはWiMAXの送受信能力が高い機能のことを言い、WiMAXの電波が弱い場所でも繋がりやすいので、より快適に利用できる。
さらに、NAD11はWi-Fi(無線LAN)機能も優れている。
NAD11は2.4GHzではIEEE802.11b/g/n、5GHzではIEEE802.11a/n/acに対応している。特に最新規格である11acの5GHzに対応していることが大きな魅力だ。標準設定状態では11acの5GHz使用はオフになっているが、スマートフォン/タブレット/PCなどのブラウザから設定ツール「クイック設定Web」にアクセスすればオンに設定変更できる。5GHzはNAD11単体で使用可能(クレードルへのセットは不要)だが、使用に関しては注意事項があるので設定変更の際には画面に表示される注意事項をしっかりと確認したい。
また、NAD11に同時接続できるWi-Fi機器の台数は10台までだ。
NAD11はPCとUSBケーブルを使って接続し、通信することもできる(Ether over USB通信対応)。PCでの利用が多い方には嬉しい。
≪バッテリー≫
搭載されるバッテリーの容量は2,100mAhで、ユーザーが自分で取り外すことができる。NAD11は背面カバーが外せるので、カバーを外せばバッテリーも交換できる。ただし、現時点ではバッテリー単品での販売は予定されていないので、純正の予備バッテリーを入手する手段がないのは残念だ。
バッテリーをフル充電した状態での連続通信時間はWiMAXの場合が約10時間30分で、WiMAX 2+の場合が約7時間。連続待受時間はウェイティング(待機状態)で約30時間、休止状態(休止モード)で約500時間となっている。ただし、500時間というのはリモート操作を無しの場合で、操作をありにしている場合は約300時間だ。
フル充電にかかる時間は付属のACアダプター使用時で約150分。
≪本体の特徴、操作系、SIMカードについて≫
本体のサイズは約109×65×8.2mmと、業界最薄のルーターになる。重さは約81gだ。軽量薄型なので持ち運びしやすい。キーは上面に電源キーと「SET」キーが用意されているだけで、他にはない。他に、ストラップホールとmicroUSB端子が用意されている。
ホワイトモデルの上面と下面。上面にはSETボタンと電源ボタン、下面にはmicroUSB端子。 |
ホワイトモデルの左側面と右側面。左側面にはストラップホールがある。 |
前面には0.8インチの有機ELディスプレイが搭載され、電波状況やWi-Fi機器の接続台数、バッテリー残量などはここに表示される。
ホワイトモデルの前面と背面。背面はカバーを外せる。
操作は「SET」キーで行う。普通に押すとメニューや設定項目の切り替えで、長押しをすることで「決定」操作になる。本体だけでWi-Fiの接続先情報(SSID、接続キー)を表示したり、WPSを起動したり、一部の設定変更などができる。今述べたようにWPSにも対応しているので手軽にWi-Fi接続を行うことが可能だ。また、本体パッケージにはAtermシリーズではお馴染みの簡単接続用のQRコードのシールも同梱される。
NAD11は背面カバー、バッテリーを外した場所にSIMカードスロットを搭載し、そこにSIMカードを挿した状態で使う。対応カードは「au Micro IC Card(LTE)」だ。
なお、本体のカラーバリエーションはホワイトとブラックの2色だ。
≪設定ツール/スマートフォン向けアプリ≫
NAD11の細かい設定はスマートフォンやタブレット、PCなどのブラウザからアクセスする「クイック設定Web」から行う。一部の設定は本体だけでも可能。また、スマートフォン向けに用意される「NEC WiMAX 2+ Tool」アプリを使えば、NAD11のバッテリー残量などの確認のほか、リモート操作で休止状態へ移行させたり、逆に起動させるような操作ができる。このアプリは発売日の6月20日にリリースされる予定。なお、NAD11はBluetooth 4.0に対応している。
アプリの画面例。左がトップ画面で、右が情報表示画面。
≪クレードル≫
オプション品として用意されるクレードルにはmicroUSB端子、有線LANポートが用意され、充電スタンドとしての使用のほか、有線LANポートの活用ができる。このクレードルはサイズが約117×27×37mmで、重さは約45g。小型軽量であることも大きな魅力。
クレードルの前面と背面
有線LANポートは2通りの使い方がある。一つは記事冒頭で紹介したようにブロードバンド回線やホテルなどで提供されている有線LAN回線を接続し、それらの回線の無線LANアクセスポイントとして使うもの。家に設置した据置のホームルーターのような使い方だ。もう一つはクレードルの有線LANポートとPCの有線LANポートをケーブル接続する使い方。この場合はNAD11はWiMAX/WiMAX 2+に接続したルーターとして機能し、NAD11とPC間の接続が有線ということになる。この状態でスマートフォンやタブレットなどをWi-Fi接続することもできる。
なお、クレードルは単品販売はされない予定なので、入手したい場合には最初からセットで購入する必要があることには注意したい。
≪通信料金≫
2年契約の「UQ Flat ツープラス」の月額料金は4,196円だが、最大25ヶ月間に渡って毎月500円引きとなる「おトク割」を適用することで、月額3,696円になる。ただし、これはUQコミュニケーションズで直接契約した場合の話で、ビッグローブやソネットなどプロバイダ各社が提供するサービス経由で契約した場合にはそれぞれの設定料金となるが、概ね同じような設定だ。
また、auのスマートフォンを利用している方の場合は、auのキャンペーン「auスマートバリュー mine」を適用できるので、auスマートフォンの料金が最大2年間に渡って月々最大934円安くなる。
≪HWD14、auからの販売について≫
NAD11の登場によって気になるのがHWD14の存在だが、今後もHWD14は併売される予定。特徴が異なる2機種だけに選択はしやすいだろう。利用月に約千円のオプション料金が発生するもののau 4G LTEを重視するならHWD14、そうでないならNAD11となりそうだ。生活圏がWiMAX/WiMAX 2+のエリアに入っている方の場合はNAD11の方が良さそうだ。
また、HWD14はau 4G LTEを利用できるためauからも販売されたがNAD11はau 4G LTEに非対応なので、auからの販売はない。UQコミュニケーションズ、そしてWiMAX/WiMAX 2+のサービスをMVNOとして提供する各社からの販売となる。
≪各社のキャンペーン≫
ニフティやビッグローブ、ソネット、GMOとくとくBBなど、WiMAX/WiMAX 2+の回線を利用したサービスを提供中のプロバイダ各社もNAD11を販売するものと考えられるが、各社のキャンペーンや販売価格は情報を確認でき次第、ここに追記していきたい。また、各社が現在実施中のWiMAXルーターやHWD14に関するキャンペーンの情報はこちらのページで確認してほしい。
■ビッグローブ(Biglobe)
まずビッグローブはNAD11のクレードルセットが0円、月々の利用料金が24ヶ月間は毎月575円引きで3,620円、しかもこの金額にはビッグローブの基本利用料金の「ベーシックコース」の200円/月も含まれている。ビッグローブの他のサービス加入者の場合は200円引きで3,420円になる。もちろん2年間はWiMAXのみならずWiMAX 2+も速度制限無しで利用可能、そして「Kindle Fire HD」か「Kindle paperwhite」のどちらか好きな方をプレゼントされ、さらに6ヶ月間の継続利用で5,000円をキャッシュバックというキャンペーンだ。
■ニフティ(@nifty)
ニフティではNAD11のクレードルセットを1円、そしてキャッシュバック額が14,000円というキャンペーンと「Nexus 7」(2013年モデル、ストレージ容量32GB)をプレゼントというキャンペーンを実施している。24ヶ月間の月額利用料金は3,670円(@nifty基本料金250円含む)だ。初期費用として登録手数料が3,000円発生する。
※Nexus 7とのセットについてはリンク先ページをスクロールすると下の方に記載されている。
■GMOとくとくBB
GMOとくとくBBでは2種類のキャンペーンを開始している。一つはキャッシュバック額が15,000円で、端末代が0円、初期費用0円、2年間の月額料金が3,609円というもの。ただし、端末は本体パッケージのみでクレードルはセットではない。クレードルが不要な方向きだろう。もう一つは「Nexus 7」(2012年モデル、32GB)とのセットというキャンペーンだ。
→GMOとくとくBB WiMAX2+で15,000円キャッシュバックキャンペーン
■UQ WiMAXオンラインショップ
UQコミュニケーションズの公式通販サイト「UQ WiMAXオンラインショップ」では3,000円分の商品券(JCBギフトカード)をプレゼントするキャンペーンを実施している。
UPDATE
レビュー記事を20日に公開しました。そちらもぜひチェックしてみて下さい。
→NAD11レビュー記事
【情報元、参考リンク】
・UQコミュニケーションズ/プレスリリース