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【取材レポート】“シュタゲ”で有名なMAGES.へ - 後編:開発ライン、開発会社に求めること、海外展開、プロモーションについて

前編に続き、MAGES.の取材レポートをお届けしたい。前編では同社のスマートフォン向けアプリへの取り組みや「STEINS;GATE」のスマートフォン版アプリなどについて話を伺ったが、後編ではアプリ開発会社に求めることや同社の海外展開及び海外委託、そしてプロモーションなどに関する内容をお伝えしていきたい。

左から市川和弘氏、森田恭司氏。手前は坂口氏。


◆開発ライン、パートナーに求めること、海外委託について

坂口氏:
例えば移植系のアプリの場合、開発パートナーさんは決まったところがあるんでしょうか?

市川氏:
あるにはありますが、もちろんやって頂けるところがあれば募集中ではあります。

坂口氏:
ここは深くお聞きしたい部分なのですが、開発パートナーさんの条件にはどのようなものがあるのでしょうか?

市川氏:
移植作品については、コンシューマー作品を移植するわけなので、やはりハイクオリティを求めることになります。とはいっても、販売数や価格帯などはコンシューマーと市場的に異なりますので、どうしてもコストは抑えて、ということになります。

坂口氏:
移植作品を開発する場合、Objective-Cでガリガリとプログラムを書いていくようなイメージでしょうか? それとも何かのツールを噛ましてということでしょうか?

市川氏:
いえ、というよりもうちのアドベンチャーのエンジンをそっくりそのまま移植して動かしてもらう、という形になります。

坂口氏:
となると、これまでにそのエンジンを移植した経験がある開発会社の方がやりやすい、ということになりますね?

市川氏:
そうですね。

坂口氏:
3ラインくらいで月1本リリースというスケジュール感ですと、今の委託先も1社に絞っている、というわけではなさそうですね?

市川氏:
はい、1社に絞っているわけではありません。実は委託先も日本国内だけでなく中国もあるんです。

坂口氏:
そうなんですね。それは費用の面からですか?

市川氏:
はい、費用の面からです。

長田:
「STEINS;GATE」を5月に中国市場でリリースするため、アクセスブライトとライセンス契約を結び、同社が中国での展開を支援するというニュース(こちらの記事参照)が2月にありましたが、これもやはり中国のパートナーと取り組んでいるのでしょうか?

市川氏:
はい。ガッチリ組んでやっていますね。中国に限らずアジア向けについては韓国や台湾などでもやっています。

坂口氏:
海外展開については、言語対応だけすればリリースできるというイメージがあります。そのため、現地の開発会社と組まなくてもできそうに思うのですが、実際のところはどうなんでしょうか?

市川氏:
そうでもないですね。韓国語版についてはうちから普通に出したんです。そして、そこそこ売れました。でも、日本ではiOSの人気が高いですが、海外も同じというわけではないんですね。そしてAndroidについては各国で端末も異なります。特に中国が顕著で、その点で面倒な部分があるので現地の会社にやってもらうことになります。

坂口氏:
なるほど、そうなんですね。海外展開のお話から、中国の開発会社に委託しているという話に戻したいと思います。費用面から中国の開発会社に委託しているということですが、やり取りは日本語のできるSEなり担当者がいて、特に問題なくできているのでしょうか?

市川氏:
はい、日本語でのやり取りができています。とはいえ、やはり色々と壁があるので、できれば日本国内でやりたいというのはあります。

坂口氏:
開発会社の能力面では何か条件はありますか?

市川氏:
スマートフォン開発しかやったことがない、という場合だと厳しいです。やはりコンシューマー向けタイトルも手掛けたことがある、というパートナーさんにお願いしたいですね。



◆リリース後のプロモーションについて

坂口氏:
スマートフォン向けアプリをリリースした後はゲームに限らずパブリシティ、プロモーションが鍵になってくると思いますが、MAGES.さんはどのような取り組みをされているのでしょうか?

森田氏:
スマートフォン向けについてはどういった手法があるか探っている段階です。コンシューマーとは異なりますので、有料の広告をはじめ、ランキングへの施策なども探りつつ、元々弊社はコンシューマーをやっていて、キャラクターものに強いということもありますので、その辺りを活かして、どういったことができるのか検討しています。ゲーム媒体さんとも相談をしているところです。

坂口氏:
これまでの移植アプリについてはあまり広告費を掛けてプロモーションするような展開はされていないのでしょうか?

森田氏:
そうですね。

坂口氏:
なるほど。それでも手堅く売れているという印象があります。

市川氏:
そうですね。おそらく元々売れていたタイトルだからではないでしょうか。

坂口氏:
確かにそうですね。逆にスマートフォン向けの新規タイトル等の場合は、最初から知名度があるわけではありませんよね。その分、プロモーションにはより力を入れることになりますか?

森田氏:
はい、そうなると思います。特にソーシャル系は幅広くということもありますが、しかしながら、弊社のタイトルは、物語やキャラクターが重要になるので、やはり固定ファンを創出して、そこで温めていきたいという考えはあります。固定ファンの方がついて下さって、その方々がコアになって下さるということが目指している一つの形です。

坂口氏:
ちょっと話が変わってしまって申し訳ありませんが、「STEINS;GATE」のiOS版のレビューをApp Storeで見ると、動かないとかアップデートできないなどのトラブル系のコメントが多少ありつつも★4.5など、評価が高いと思います。これは実際に全体的には非常に高い評価を得ていると捉えていいんでしょうか?

「STEINS;GATE」の評価は★4.5と高い。またiOS向けには数多くのアプリをリリースしている。


市川氏;
そうですね。App Storeでのランキングについては一つの傾向があるんです。実は最初の頃は高いんですが、OSのアップデートなどシステム面で何らかの変化があるタイミングで一旦ガクンと落ちてしまうんです。ダウンロードできないとか動かないという話でですね。しかし、そういった場合は実際にはアプリ側の不具合が原因ではないんですね。それでも★1が多く付けられたりします。その後、OS側の問題が解消されたタイミングなどでまた★の評価が安定して戻ってきます。そういう傾向があります。

森田氏:
レビューされる方によって、内容に対する評価と、動作や利便性に関する評価など視点が異なりますが、それらが平均化されたものが、総合的な評価点として表示されていますね。



以上、MAGES.取材レポートをお届けしてきたが、今後同社から新規タイトルがリリースされる際にはゲームについての取材なども行っていきたいと思うので、楽しみにしてほしい。

なお、「STEINS;GATE」をまだ遊んだことがない方はぜひ遊んでみてほしい。第1章だけではその面白さを全て堪能することはできないが、雰囲気は掴むことができる。中盤以降大きな盛り上がりを見せる作品なので、できれば最後までプレイしてみてほしい。「SF」、「タイムトラベル」、「ミステリー」などのキーワードに惹かれる方には特にオススメだ。また、初回プレイでは攻略サイトなどの情報を何も見ないことをオススメする。この作品は本当に面白い。




(記事:長田

【情報元、参考リンク】
MAGES.
「STEINS;GATE」Android版をダウンロードする
「STEINS;GATE」iPhone版(有料版)をダウンロードする
「STEINS;GATE」iPhone版(Lite版)をダウンロードする

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