AQUOS PAD SH-06F |
まずは、スペックから。
ディスプレイは約7.0インチサイズで解像度がWUXGA(1200×1920ドット)のIGZO液晶で、プロセッサはQualcomm Snapdragon 801 MSM8974AB 2.3GHz クアッドコア、OSはAndroid 4.4、メモリはRAMが2GB、ROMが32GB、バッテリー容量は4,200mAh、メインカメラが約800万画素の裏面照射CMOSで、インカメラが約210万画素の裏面照射CMOS、IPX5/7相当の防水仕様、Bluetooth 4.0、ワンセグ・フルセグ、Wi-FiがIEEE802.11a/b/g/n/ac、microSDカードはmicroSDXC 128GBまで対応など、という仕様になっている。
本体サイズは幅約106mm × 高さ約175mm × 厚さ約8.4mmで、重さは約233gだ。
左からSH-06F前面、SH-06F背面、前機種であるSH-08E |
シャープは最近の新製品では左辺、右辺、上辺の3辺の縁部分を限りなく狭くする三辺狭額縁の「EDGEST」デザインを採用しているが、このタブレットにも採用された。EDGESTになったことで、前機種と比較してみると、横幅そして高さが小さくなったことが分かる。また、音量を調節するボリュームキーが、SH-06Fの場合、EDGEST端末独特の前面に配置されたタッチセンサー式のボリュームキーではなく、左側面にハードキーとして設けられている。ハードキーを好む方には良いだろう。電源キーは右側面にある。
前機種は持ちやすくするため、角を落とした丸みのある背面デザインだったが、SH-06Fは板のようなフラットな背面となっている。このデザイン変更は持ちやすさに影響がありそうで気になっていたのだが、実機を手にしてみると本体が薄くなったこともあり、このデザインがマイナス要素になるとは感じなかった。側面はややエッジが立っているが、厚みを少し持たせることでホールド感が増している。この側面は同時に発表されたスマートフォン「AQUOS ZETA」(SH-04F)と同じ「ヘキサグリップシェイプ」デザインを取り入れたもので、スマートフォンとタブレットでシリーズの統一感を出している。
重さが約233gとなったことも持ちやすさに大きな変化をもたらした。前機種との差はたったの約53gとは言え、持ち比べてみると明らかに違う。前機種のユーザーである筆者はこの時ショックを受けた。
au版の「AQUOS PAD」(SHT22)にはなかった通話機能がある点もドコモ版の特徴だ。隠し機能とかではなく、ホーム画面にちゃんと「電話」アイコン(電話アプリ)が並ぶ。音声付きのドコモUIMカードを入れれば本体のみで通話が可能となる。要するに「大きなスマートフォン」といってもいい。通話機能も改良が加えられており、前機種では背面にあったマイクが本体下部に変更となり、裏返しにして通話する必要がなくなった。ドコモの夏モデルなのでもちろん・・・と言って良いのか分からないがタブレットながら「VoLTE」にも対応する(※6月下旬以降のソフトウェアアップデートで対応予定)。
タブレットなのに「電話」アプリのアイコンがある。言わば「大きなスマートフォン」だ。 |
さらに、おサイフケータイ(FeliCa)にも対応しており、本当にスマートフォンとして利用しても良いのではないだろうか? というほどに機能が充実している。
背面にはFeliCaのプリントがある。おサイフケータイも使える。 |
ドコモUIMカード、microSDカードスロットは上部に移動し、USB端子はキャップレス防水仕様となった。キャップレス防水仕様というのは、言葉通り、キャップ無しの剥き出し状態の端子ながら防水だというものだ。いちいちキャップがキチンと閉まっているか確認しないで済むので便利だ。
しかし、一つ残念なことに、今回のAQUOS PADでは卓上ホルダでの充電やTVアンテナ接続機能がなくなった。前機種はシャープ初のフルセグ・タブレットということで、それをウリにして卓上ホルダが贅沢な作りをしていたわけだが、今回は外部アンテナを接続できるケーブルが付属するだけだ。
上部に移動したドコモUIM、microSDカードスロット。 |
下部にはUSB端子と中央にはマイクがある。USB端子はキャップ無しで防水性能を確保。 |
とはいえ前機種はテレビの感度が良く、外部アンテナ接続なしでも十分視聴できていたのでSH-06Fにも期待したいところだ。本体にはロッドアンテナが内蔵されていて、このアンテナだけでも屋外や電波状況の良い場所では十分視聴できるはずだ。また、テレビ機能ではフルセグでもデータ放送の視聴・操作が可能となった。天気予報やニュースの確認の他、番組内で行われる視聴者参加型の投票企画などにタブレットからも参加できる。もちろん、朝の「じゃんけん」にも参加できるというわけだ。
その他、全画面表示時にタッチパネルのジェスチャー操作でチャンネルやボリューム操作ができるようになっていた。
縦置き・横置きが可能なスタンドと、アンテナ接続及び充電が可能なケーブルが付属する。 |
ロッドアンテナが内蔵されているのでAQUOS PADだけでのテレビ視聴ももちろん可能。 |
データ放送に対応し、4色のボタンも画面下部に表示される。 |
他のアプリを使いながらの視聴が可能な「ミニテレビ」機能(小さな画面でテレビを表示)も健在。 |
前機種には付属のタッチペンによる操作ができたが、SH-06Fはこのペンに関しても改良が加えられていた。
専用のタッチペンは付属しないので、タッチペンを利用するには対応するタッチペンを購入する必要がある。さらに、本体設定でタッチペンを使用する設定に切り替える必要がある。初期設定ではタッチペン操作がオフとなっているが、オフの場合は実はディスプレイが濡れていても操作可能だ。この点は前機種よりは良くなっているとのこと。過度な期待は禁物だが、前機種の弱点だった、防水端末なのにディスプレイが濡れると誤動作をするという点が改良されているというのであれば期待したいところだ。
このタッチパネルの改良以外に、IGZO液晶も新しくなっている。
自然な発色をさせるため、新たに「PureLED」というバックライトになったことが進化のポイントだ。色鮮やかさを前面に押し出す展示も行われており、従来機より赤と緑の表現力が改善されているという。
スリープ解除時に全画面で写真を表示するウェルカムシートが、液晶の綺麗さとEDGESTの良さを感じるところだ |
カメラ機能はスマートフォンのSH-04Fと同じく、「フレーミングアドバイザー」などの機能が充実している。カメラはおまけ機能的なものではなく、しっかりと作り込んである。タブレットだが本体サイズが小さくなったことで、カメラとして使う機会が増えそうだ。ちなみに「フレーミングアドバイザー」というのは写真撮影時に構図のアドバイスをしてくれる機能だ。人物写真を撮るときに人物をどの位置にした方がよいかなどを、画面上の枠などで示してくれる。
背面には約800万画素のカメラ。写真では分かりにくいかもしれないが、背面はクリアパネルを埋め込んだデザインとなっている。 |
前面のカメラは右下にある。EDGESTの場合、上辺、左右の辺にはカメラ設置スペースがないのでここに来る。 |
卓上ホルダの省略が残念だが、小型軽量で多機能な7インチタブレットであるSH-06Fはドコモの夏モデルの中でイチオシとしたい。発売時期は6月中旬の予定だ。
(記事:mi2_303)
【情報元、参考リンク】
・ドコモオンラインショップ/AQUOS PAD SH-06F製品ページ
・NTTドコモ/AQUOS PAD SH-06F製品紹介ページ