【島田純のMobile×Travel】第15回：フィリピンでLTE対応モバイルWi-Fiルータを固定回線代わりに使ってみる

フィリピンにおいてプリペイドSIMカードで利用可能なLTE通信サービスについては、以前の記事にて紹介しましたが、今回はLTE回線を固定回線代わりに使う方法をご紹介します。

フィリピンの通信事業者である「SMART」の提供するプリペイドSIMカード向けのLTEサービスは、通信容量の制限はありません。そのため、LTE回線の通信状態が良ければ、固定回線の代わりに使うことも可能です。筆者は、語学留学のためフィリピンに滞在していますが、語学学校の固定回線が遅かったり、あるいは施設内でも通信状態が良くない場所があるため、SMARTのプリペイド契約で使えるLTE回線を固定回線代わりに使用しています。

SMARTのLTE回線を使って行ったスピードテストでは、最速で下り通信速度が60Mbpsを超えたこともあり、電波状態さえ良ければ、極めて快適に利用できる通信手段であると言えます（ざっくりと平均すると、筆者の経験上、屋外では下り10Mbps／上り 1Mbpsを超えることが多いです）。

SMARTのLTE回線でスピードテスト

LTE回線を固定回線代わりに使う最も簡単な方法は、SMARTのLTEに接続可能なモバイルWi-Fiルータを使用する方法で、現地のショップの店頭などでもこういった使い方を案内されることがあります。

それを証明するように、SMARTのLTE対応モデルのWi-Fiルータは、外部アンテナ用の端子に対応しており、外部アンテナを装着することで通信環境を改善することができるようになっています。

※SMARTのデータ通信端末やモバイルWi-Fiルータで使える外部アンテナについては、現地で購入しようと試みているのですが、在庫があるお店を見つけることができず、手配することができていませんので、購入でき次第改めてレポートできればと思います。

SMARTのモバイルWi-Fiルータの外部アンテナ端子

モバイルWi-Fiルータを固定回線代わりに使う最大のメリットは、最も手軽にLTE回線を固定回線として使うことができる点で、端末価格も4,888ペソ（約11,000円）と、LTEに対応しているモバイルWi-Fiルータであることを考えれば低価格であると言えるでしょう。

固定回線を契約するのと比べて初期コストも非常に安く済む上に、SMARTのLTEプランは1日プラン（50ペソ）、7日プラン（299ペソ）、30日プラン（995ペソ）が提供されており、滞在期間やLTEが必要になる期間に合わせてサービスを利用することができます。

外国人であっても気軽にLTE対応端末を購入し、その日からすぐに使用することができるため、非常にカンタンかつスピーディにサービスを利用することができるのも、プリペイド契約でLTE回線が使えるメリットです。

ただし、SMARTが販売するモバイルWi-Fiルータは基本的にSMARTでのみ利用可能なSIMロックのかけられた製品となっている点には注意が必要です。

SMART以外のSIMカードでは利用不可

モバイルWi-Fiルータを固定回線代わりに使用すると、外出中でも設定などを変更する必要なく、モバイルWi-Fiルータ経由でインターネット回線を利用することができるため、外出中に地図を確認する、SNSに画像をアップロードする、SkypeでSkype Out（音声通話）やビデオ通話を行う、Webサイトで情報を集めることができるようになり、移動中でも通信環境に困ることが無くなります（利用する地域や混雑状態によって通信速度が低下することはありえます）。

筆者の個人的な感想としては、フィリピンでは3Gの通信速度が著しく遅く、例えばSNSに画像をアップすることは基本的に難しいと感じていますが、LTE対応エリアで電波状態が良好であれば、固定回線代わりに使っても全く問題を感じることが無いため、現地での通信環境を重視される方は、LTE対応端末で利用することを強くオススメします。

モバイルWi-Fiルータを固定回線として利用する際に注意すべきポイントは、LTEのエリア内であっても、建物の中では著しく電波状態が悪くなり、極端に通信速度が落ちることが多くなるため、極力電波状況の良い窓際などにモバイルWi-Fiルータを設置すると、快適な通信速度を得られます。

また、LTEの電波が弱いために、LTEに繋がらずに3Gでの接続となってしまう場合でも、モバイルWi-Fiルータ側のネットワーク設定をLTEに固定することで、LTEが利用可能になる場合があるため、利用するエリアによっては思い切ってネットワーク設定をLTEに固定してしまった方が、快適に通信が使えることが多いように思います。