ドコモは6月26日にドコモプレミアクラブとドコモビジネスプレミアクラブを今冬以降に順次改定すると発表していた(詳細はこちらの記事を参照)。このとき、同社は長期ユーザーへのさらなる優遇特典拡充の要望などにこたえて見直しを実施するのだとしていたが、実際の改定内容は一部ユーザーを除けば改悪と言って差し支えないものだった。
今回の発表において、ドコモは長期利用者からドコモポイントの付与条件に関する要望等が多いことを踏まえて改定内容を変更するとしている。
このことからも、6月に発表された改定予定内容に対する不満の声が多かったことは明らかだ。
以下、ポイントプログラムの変更について紹介していきたいが、6月発表時点の改定予定内容を旧改定内容、今回新たに発表された改定予定内容を新改定内容と記して説明していく。
現行のポイントプログラム(※クリックして拡大) |
6月に発表された改定予定内容(記事中では「旧改定内容」と記す)(※クリックして拡大) |
今回発表された新改定内容と旧改定内容の違い(※クリックして拡大) |
旧改定内容では、現行のポイントプログラムに加えて、新たに2つのステージが新設されることになっていた。DCMX GOLDカードのユーザー向けの「ゴールドステージ」とドコモ継続利用期間が15年超のユーザーが対象の「グランプレミアステージ」だ。そして、その下に「プレミアステージ」「3rdステージ」「2ndステージ」「1stステージ」「ベーシックステージ」と続く形で、当然上のステージから順に付与ポイントが多い。
そして、この旧改定内容で改悪と感じられた点は、ステージの決定条件が厳しくなったことだ。
現行のポイントプログラムではステージの決定条件は基本的に継続利用期間で決まる。もしくは年間累計SPだ。ところが、旧改定内容では、継続利用期間に加えて、サービスの加入条件が追加されることになっていた。ベーシックステージとゴールドステージ以外のステージでは、スマートフォン・タブレットのユーザーは「あんしんパック」または「おすすめパック」のどちらかに加えてMyインフォメール受信登録が必須とされたのだ。フィーチャーフォン(iモードケータイ)の利用者の場合は「ケータイ補償お届けサービス」か「iコンシェル」、そしてMyインフォメールの受信登録だ。
これらの有料サービスに加入しない限り、DCMX GOLDカードを持たないユーザーはドコモを何年使っていようがベーシックステージになるという内容だ。
そのため、この改定が適用された場合、多くの方がステージダウンするものと予想される。
一方で、DCMX GOLDの契約者、15年以上の継続利用者で元々これらの有料サービスに加入していた方、またはDCMXカードの利用者の場合は、付与ポイントが増えることになっていた。
ドコモは今回、この旧改定内容を捨て、新たな改定内容を用意した。
まず、ステージの決定条件からサービス加入条件が削除され、ドコモの継続利用期間のみで決まる形に落ち着いた。この結果、2014年4月改定後も、基本的に各ユーザーはステージダウンすることはなくなったはずだ。その代り、旧改定内容と比べて付与ポイントは減らされている。
旧改定内容では、グランプレミアステージでは利用金額1,000円につき50ポイント、以下、ステージ順に40、30、20、10、5ポイントと続き、DCMXカードを契約している方の場合はそれらが1.5倍される、というものだった。しかし、新改定内容では、ベースの付与ポイントがグランプレミアステージから順に25ポイント、20、15、10、5と半減している。そして、DCMXカード契約者の場合は、ここに20ポイントもしくは5ポイントが加算される。さらに、サービスの加入状況次第で5ポイントが追加される。
例えば、ドコモを15年以上継続している方で、スマートフォンを利用し、サービスパック(スマートフォン・タブレットの場合は「あんしんパック」か「おすすめパック」、フィーチャーフォンの場合は「ケータイ補償お届けサービス」か「iコンシェル」)に加入し、Myインフォメールに登録している方でDCMXカードも契約していれば、利用金額1,000円につき25+5+20=50ポイントが付与される。
一方、対象サービスパックやDCMXカードを契約していない場合には1,000円利用につき25ポイントにとどまる。
実は現行のポイントプログラムでは10年以上継続利用している方はプレミアステージとなり、100円の利用につき4ポイント付与されるので、1,000円の利用では40ポイントもらえる。すなわち、対象サービスパックとDCMXカードを利用していない方の場合は、結局、付与ポイントが減ることには変わりない。
しかし、同じ条件の場合、旧改定内容では15年以上継続利用していようが、対象加入サービスに入っていない限りベーシックステージ扱いとなるので、1,000円につき僅か5ポイントだった。そのため、旧改定内容からは改善されていることになる。
ポイントプログラムの改定を巡る話は複雑化しているので理解しにくく、各ユーザーの契約状況次第で付与ポイントの増減も異なってきてしまうので、人によって改善・改悪の判断も違ってくる。そのため、自身の継続利用期間と対象サービス加入状況、DCMXカードの契約有無から、ご自身のステージを確認してみてほしい。
また、ドコモは、「会員優待サービス」については、レジャー・エンターテイメント施設を特別優待料金で利用できるクーポンの配布対象ステージを1stステージ以上からプレミアステージ以上へ変更する。
新改定内容 |
旧改定内容 |
なお、ビジネスプレミアクラブのポイントプログラムについては下図の通りだ。
ビジネスプレミアクラブのポイントプログラムの改定について |
【情報元、参考リンク】
・GAPSIS/コモ、ポイントプログラムを改定へ。ステージ条件を厳しく、オプションやDCMX利用者に多くのポイントを付与へ
・NTTドコモ/プレスリリース