実証実験の構成と各社・各大学の役割 |
発表によれば、数十万人規模のユーザーへのサービス提供を想定して今回のような実証実験が行われるのは世界初ということだ。
実験ではまず、テスト環境において、音声通話・メール通信・動画配信など、複数のサービスによる通信混雑状況を擬似的に発生させるという。
この環境下で、東北大学及び横須賀リサーチパークに設置されている通信設備を仮想化・連携させ、拠点間をまたがって通信処理能力の増強を図る。この結果、通信混雑を緩和できることになり、今回の実験ではこの技術の検証が行われる。
加えて、両拠点の通信設備を一元的に管理・運用することを目的とした、両拠点の通信状況の可視化、運用管理技術の検証なども行われる。
今回の実験において、ドコモは実験全体のアーキテクチャの検討と運営を行い、NECは混雑している拠点の通信処理を離れた拠点で行うための連携制御技術の研究などを担う。そして、富士通は仮想ネットワークに組み込まれた通信設備のシステム構成、混雑状況、通信処理能力の過不足状況等の変化を迅速に把握し、運用する可視化技術の研究を、NECソフトウェア東北と東北大学は通信混雑時においても平常時と変わらずに利用できる災害時に役立つサービスの通信量を低減する技術の研究を、東京大学は地震規模を測定するモニターシステムなど、大規模災害時に役立つM2Mサービスを通信混雑時においても効果的に利用する技術の研究を行う。
大地震や台風、竜巻、大雨・洪水など、様々な災害が起きる可能性があるだけに、安否確認手段として非常に重要な携帯電話の通信網の混雑緩和に向けた技術開発は誰にとっても重要なものと言える。それだけに今回の取り組みも一つの前進となりそうだ。
【情報元、参考リンク】
NTTドコモ/プレスリリース