ARROWS Z FJL22。カラーはブラック、ピンク、ホワイト。
■超急速充電ってなんだ?
急速充電というのは、充電池で動くデバイスにとって、永遠のテーマでもあるだろう。新ARROWSは超急速充電に対応し、約10分充電するだけで「たっぷり使える」という。この「たっぷり」って何ですか? という感じだが、要は夜までおそらく使える、というような意味のようだ。バッテリー容量は2,600mAhで、現在の国内スマートフォンのなかでは普通という感じ。
僕の知る限りでは、最も急速充電が速いノートパソコンはLenovoの「ThinkPad X1」で、実に30分でバッテリーの80%を充電してしまう。スマートフォンの充電池のバッテリー容量はノートPCと比較すればかなり小さいので、10分の充電で(一般的な使い方で)8時間ぐらい使えるというのはありえないことではないだろう。このあたりは実際に借りてきて検証したいところだ。
将来的にはスマートフォンも超省電力駆動になって、本体背面のソーラーパネルで充電して駆動するとかになるのかもしれない。
ARROWS Zの特徴 |
■通信の安定性を高めるマルチコネクション技術
このARROWS Zでは「マルチコネクション機能」によって、3G/LTEのモバイルデータ通信とWi-Fi(無線LAN)を同時に接続することで通信の安定性を上げているという。
マルチコネクションでWi-FiとLTEを同時に利用しているところ。 |
従来は電波の状況に応じて、モバイル通信とWi-Fiを状況に応じて切り替えて使っていたのだが、このマルチコネクションでは切り替えるのではなく、複数の通信を並行して行うことで、通信の安定性を増すのだという。
ちなみにこのマルチコネクションは現時点では標準ブラウザでのみ使えるという。これはパケットのコントロールが複雑なため、標準ブラウザ以外での通信関連アプリでの安定性を検証、コントロールできないことと、複数のストリームを作ったりした場合の制御が完璧にできる確信がないためだという。将来的にはマルチコネクションを利用できるアプリを拡張する可能性もあるだろう。
マルチコネクションの紹介パネル(※クリックして拡大) |
マルチコネクション比較の展示 |
現時点では標準ブラウザに限られるマルチコネクション。 |
最適通信設定 |
■デザイン
ボディデザインは実に丸っこい感じだ。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、ピンクの3色だが、正直、ピンクのカラーリングには少々馴染めない。女性はこういう色がスキなのだろうか? 女子高生向けなのだろうか?
カラーリングはともかく、手に持った印象では特に持ちにくいという感じはない。5インチディスプレイ搭載機のボディデザインもこなれてきたのを感じる。ちなみにテレビはフルセグ搭載だ。
CPUも2.2GHz駆動のクアッドコア Snapdragon 800なので、もはや普通の操作でストレスを感じることはなく、オーバースペック気味にすら感じる。
また、防水なのは日本の端末なので当然だが、micro USB端子やイヤフォン端子がカバーレス防水なのは便利だ。
ピンクはやはり目立つ。
■ARROWSはどこへ行くのか?
以前はARROWSと言えば全部入り端末の代表的な存在だった印象だが、今回のauのARROWS Zのアピール点は超急速充電とマルチコネクションなようだ。ちょっと地味に過ぎないか? という印象だが、超急速充電は忙しい現代人にはアピールできるのかもしれない。
ARROWS使いの女子高生達が、学校帰りにマックとかに寄って10分ぐらいコンセントにさせば、深夜まで使えるのなら確かに便利だ。
マルチコネクションで使うWi-Fi接続については公衆無線LANサービスが日本ではまだあまり普及しているとは言えないため、自宅以外では実感しにくいかもしれない。そういう面ではこの技術は北米市場などのほうがマッチするのではないだろうか?
また、気になるのは「iPhone 5s」も搭載した指紋認証だ。今後、ARROWSシリーズはこの点でiPhone 5sと比較されることは必至だろう。このあたりの比較でも、やっぱりARROWSは凄い! と言われる端末であって欲しいと思う。今回は試せなかったので、いつか比較してみたい。
カメラの下に指紋認証機能を搭載する。 |
(記事:一条真人)
【情報元、参考リンク】
au/ARROWS Z FJL22製品紹介プレスリリース