まず、ハードウェアにおいて、最近のスマホがトップエンドレベルの製品だけでなく、明確にローエンドな商品も新製品として出してくるようになってきたことがある。これは例えば「GALAXY」シリーズのローエンド向け製品「GALAXY Star」や「Pocket Neo」などにも現れているし、「iPhone」も廉価版(かつてのiMacのようにカラバリ展開するらしい)を出すのではないかとやたらにウワサになっている。
GALAXY Star
実際、欧米や日本などの先進マーケットではスマホは普及しきっており、これ以上の急速なマーケットの伸びを望むのは難しい。ビジネス的な拡大には次なるターゲットを開拓する必要があり、最近では新興国マーケットが注目されているが、加えて先進国においてのローエンド開拓ということがあるのは言うまでもないだろう。
インテルなどはスマホやタブレット向けに低消費電力なATOMをリリースしているが、スマホに関してはメインターゲットがアフリカやインド、中国などの新興国マーケットなのを明言している。まあ、これは現時点ではクアルコムほどのパフォーマンスのあるチップを作れないので、ハイエンドで戦うのは難しく、戦略的にそうなったという面もあるが。
そして、日本国内においても、スマホの価格は高く、通信費も高いと感じている人がいることだろう。そんな人々をターゲットにした動きも出てきている。その1つが最低月額2,980円で使えるNECビッグローブの「ほぼスマホ」や、コヴィアなどによる低価格なSIMフリー端末の登場だ。また、以前からイー・モバイル(イー・アクセス)はスマートフォン向けに通信費の安いサービスを提供している。テザリング可能で月々3,880円(LTE電話プラン(にねん)+データ定額5)というのは安い。
「ほぼスマホ」の構成 |
coviaの「FleaPhone CP-D02」 |
ほぼスマホは、モバイルルータサービスを展開しているNECビッグローブが、モバイルデータ通信機能だけに特化したスマホ(当然、NECカシオのMEDIAS)を低価格で提供するもの。これに同社製のIP電話アプリをセットし、電話番号での受発信を可能とすることで、電話としても使えるようにしている。ごく一般的なユーザーであれば、ほとんどの状況はこれでOKなのだろう。このモバイルデータ通信とIP電話の組み合わせによるローコストなスマホは今後、1つのジャンルになるのではないかと予想している。
マーケットが成熟していけば、ローエンドがマジョリティとなっていくのは当然のことだ。先進国のスマートフォン市場にもそんな時代が近づいているのかもしれない。
【情報元、参考リンク】
・GAPSIS/NECビッグローブがAndroidスマホとLTE通信、通話アプリをセットにした「ほぼスマホ」を提供開始。月額2980円から
・GAPSIS/【取材レポート】安価に運用できるLTE対応スマートフォン「ほぼスマホ」とIP電話アプリ「BIGLOBEフォン・モバイル」の発表会
・GAPSIS/covia、SIMフリースマートフォン「FleaPhone CP-D02」を4月12日に発売へ
・イー・モバイル/料金・プランについて
記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo、
ブログ:一条真人メモ
クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。
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本コラムは毎月第2・第4火曜日更新予定!
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