STREAM 201HW |
第1回目では基本仕様のおさらいと全体的な感想を、第2回目では端末の外観、ディスプレイ、パッケージ、付属品等の紹介を行った。第3回目となる今回の記事では、STREAM 201HWの性能や機能、プリインストールアプリ等についてみていきたい。
なお、記事中の写真やキャプチャ画像はクリックすれば拡大画像を閲覧できる。
≪ホーム、プリインストールアプリ≫
STREAM 201HWは非常にオーソドックスかつシンプルなAndroid端末だ。ホーム画面も派手さはなく、あらかじめ配置されているショートカット自体少ない。プリインストールアプリもほぼドロワー3枚分と少ない。余計なアプリが少ないので、購入直後に不必要なアプリをアンインストールする手間もほとんどない。
STREAM 201HWのホーム画面 |
標準的アプリ以外でプリインストールされているものはYahoo!も含めたソフトバンク系列のアプリがいくつかと「ニコニコ動画Lite」「Polaris Office」「Mobage Web」「GREE」などだ。Polaris Officeが入っているので、オフィス系のデータを最初から扱えるのはビジネスマンや大学生らにとっても嬉しいところ。
STREAM 201HWのプリインストールアプリ
(※必ずしも全ての端末が同じとは限りません)
≪設定≫
スマートフォン各機種において固有の機能は大抵「設定」項目か、個別アプリとして提供されているのでSTREAM 201HWでもまずは「設定」をチェックしてみる。しかし、何度か述べているようにSTREAM 201HWは「Nexus」シリーズに近い、“プレーンなAndroid端末”といった印象のモデルなので設定項目もシンプルで、独自のものはあまりない。
設定項目。後述するが「高速ブート」のオン/オフ設定がある。
スリープ状態から復帰する際に表示されるロック画面に配置するショートカットは自分で設定変更できる。
このロック画面のショートカット4つは自分で変更できる |
特徴的な独自設定は「高速ブート」設定くらいだろう。これは後述するのでそちらを参照してほしい。また、ロック解除画面には4つのショートカットを配置できる。このショートカットはユーザーが自分で変更できるので、例えば、TwitterやFacebookなどのアプリを配置してもいい。
≪高速ブート≫
STREAM 201HWの独自機能の一つが高速ブートだ。これは電源をオフにした状態から電源をオンにし、端末が起動するまでの時間が非常に短い、という機能になる。この機能を「高速ブート」と呼び、「設定」からオン/オフを切り替えることができる。
実際に高速ブートをオンにして時間を測ってみたところ、電源ボタンを押してから、端末のバイブレーションが動くまでが約3秒、そこからロック画面表示までが約6秒の計9秒程度で起動する。電源が実際に入るのはボタンを押してからバイブレーションが一瞬動いた時なので、起動時間だけで言うと後者の約6秒のみとなる。公式仕様では約5秒ということだが、あまり変わらない。ただし、電源ボタンを押し始めた瞬間からカウントした場合は約9秒になる。
高速ブートをオフにしたときは計30秒程度かかるので、速さの違いがかなりのものであることが分かると思う。病院や飛行機など、電源をオフにする機会が日常的にある人にとってはかなり便利な機能と言えそうだ。逆に普段から電源を入れっぱなしの方にはあまり意味がないかもしれない。とはいえ、速いにこしたことはないだろう。
≪動作パフォーマンス≫
STREAM 201HWの心臓部のスペックはOSがAndroid 4.0、プロセッサがQualcommのMSM8960、内蔵メモリが1GB RAMという構成になっている。MSM8960はデュアルコア1.5GHz駆動のプロセッサで、国内のデュアルコア・スマートフォンの多くで採用されている。また、ディスプレイは約4.3インチサイズで解像度は960×540だ。
動作パフォーマンスの決め手になるのはプロセッサ、メモリ、ディスプレイ解像度、OSなどになるが、MSM8960と960×540のディスプレイの組み合わせであれば、かなり快適に動くことは容易に想像でき、実際にその通りとなっている。体感的な動作パフォーマンスは快適で十分サクサクだ。
ベンチマークで数値を調べてみると、「Quadrant」では5490、「安兎兎ベンチマーク」では11090といったところ。最近のクアッドコア・プロセッサ搭載機と比較すると劣るものの、悪くない数値を出している。
Quadrantでの結果 |
安兎兎ベンチマークでの結果
≪通信速度≫
STREAM 201HW最大の魅力はやはり「SoftBank 4G」への対応と言える。SoftBank 4Gに対応することで、STREAM 201HWでは下り最大76Mbpsでの高速データ通信が可能だ。これは意外にも速く、10~30Mbps程度が普通に出る印象だ。平均的には10~20Mbpsという印象だが、ときには30Mbps以上、40Mbps以上の速度に出くわしたこともある。また、数Mbpsと遅いときもあるが、概ね速い印象だ。これまでのSoftBank 3Gに対して持っていたイメージを覆すほどの速度と言える。
下に、いくつかの測定例を掲載したい。これは東京・秋葉原のルノアール(窓から3mほど離れた席)で測定したものだが、ほかに御茶ノ水、東京、千葉県船橋市などいくつかのエリアで測っても似たような速度が出ていた。
Speedtest.netの結果。接続サーバはTokyo。
波形を見ると極端な落ち込みの少なさと、通信中の平均的なミニマム値がそれなりに高いことにも気づく。
波形を見ると極端な落ち込みの少なさと、通信中の平均的なミニマム値がそれなりに高いことにも気づく。
RBBTODAYのツールでの結果。
≪文字入力(FSKAREN)≫
Android端末では「iWnn」や「ATOK」「Simeji」など様々な日本語入力システムを使うことができるが、STREAM 201HWには富士ソフトの「FSKAREN」がプリインストールされている。最近ではどの日本語入力システムも多機能化し、使い勝手も全体的に高まっているので、どれでもある程度不満なく使える。しかし、その中でもFSKARENはオススメだ。
特に筆者の場合QWERTY配列のキーボードを愛用しているが、QWERTY配列でもキーによってフリック入力できるのが便利だ。数字はqやwなどをフリックすることで入力できるし、記号などもフリックだけで入力できる。キーボードを切り替える必要がないので、とても快適だ。
また、FSKARENでは多機能十字キーを備えている点も魅力だ。単純にカーソルを上下左右に一つずつ移動させるだけでなく、キーを長押しすることで連続移動させることも可能となっている。
FSKAREN。QWERTY配列、手書き入力の例。ほかに、ケータイ配列も利用できる。
≪カメラ≫
STREAM 201HWには有効画素数約800万画素のメインカメラが背面に、約130万画素のサブカメラが前面に搭載されている。有効画素数だけみると平凡だが、いくつか魅力的な機能が備わっている。
背面のメインカメラの有効画素数は約800万画素 |
撮影例1。デフォルト設定のまま撮影。 (※記事掲載にあたり縮小していますが、それ以外の調整・加工はしていません) |
撮影例2。デフォルト設定のまま撮影。蛍光灯の室内デスク上。 (※記事掲載にあたり縮小していますが、それ以外の調整・加工はしていません) |
一つは約1.8秒で10枚撮影できる連写機能だ。
連写は撮影モードを「連写」に変えることで撮ることができる。連写モードではシャッターボタンを一回タップすると、一気に10枚が連続撮影される。約1.8秒で10枚撮ることになるので、1秒あたり約5.6枚撮れる速度になる。子供やペットなど、動いている被写体を撮るときなど、動きのあるシーンを撮影するときに便利だ。
撮影モードには「HDR」と「パノラマ」もある。HDRは明暗差の大きなシーンなどで重宝する。パノラマは景色のいい場所で撮影するときなどに便利だろう。
左:撮影モード。右:フィルターの例。
他にも機能面ではフィルターが便利だ。「白黒反転」「ソラライズ」「ポスタライズ」「アクア」「モノクロ」「エンボス」などのフィルター加工が手軽にできるので、簡単な画像編集は標準カメラアプリだけでも楽しめる。
【情報元、参考リンク】
・STREAM 201HW製品紹介ページ
・STREAM 201HW タッチ&トライ・イベント・レポート 前編~プレゼン紹介~
・STREAM 201HW タッチ&トライ・イベント・レポート 後編~端末のファーストインプレッション~
・【新機種レポート】 下り最大76Mbpsをいち早く体験できるSoftBank 4G対応スマートフォン「STREAM 201HW」