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進研ゼミが副教材としてタブレットPCを提供。そのことから見る、学習ツールとしてのタブレットの役割を考察

先月、教育産業大手のベネッセコーポレーションが、学習用に特化したタブレット端末「Challenge Tablet(チャレンジ タブレット)」を「中学講座」の副教材として、希望者に提供すると発表しました。*1

Challenge Tabletの利用イメージ

OSにはAndroid 2.3を搭載し、電子辞書アプリや専用スタンドなども付属しており、家での学習はもちろん、ポータブルに適しています。また、中学生向けとのことで有害サイトへのフィルタリングを施す機能もあり、親の立場からも評価が高いでしょう。

この件へのネットユーザーの反応は、驚き(「学習の『おまけ』も進化したんだねえ」)と共感(勉強にはたしかに便利そう)が大勢を占めたように見えましたが、たしかに、学習ツールとしてのタブレット端末が有効そうなことは、私たち一般的なユーザーも十分想像可能ではあります。

では、実際にはどういうシチュエーションでタブレットは「役に立っている」のでしょう? 興味深いレポートが東京大学とソフトバンクモバイルが行なってきた「障がいを持つ子どものためのモバイル端末活用事例研究」、別名「魔法のプロジェクト」のレポートにまとめられています。*2

たとえば、

●音声アプリを使って漢字の読み方を調べる。
●弱視の児童が先生の実技を中継してもらうことで、近接して確認することが可能に。

などの利用法は、なるほど、私たちの想像が及ぶ範囲といえます。

その一方で、

●文字を書く能力に問題がないように見える児童に、タッチスクリーンで絵を描くアプリを使って字を書かせる→アプリ再生機能で、書き順の誤りに先生が気づく。

というような興味深い事例も紹介されています。児童というより教える先生の気づきを引き出す使われ方をしているわけです。

学習シチュエーションにおいて、タブレットPCが果たし得る役割の大きさは、いま私たちが漠然と想像している以上のものがあるのかもしれません。

*1:2012年10月22日 http://www.benesse.co.jp/newsrelease/20121022_001.html
*2:出典「魔法のふでばこプロジェクト2011年度レポート」2012年6月3版

【情報元、参考リンク】
進研ゼミ/Challenge Tablet

記事執筆者プロフィール
見城りこ

東京OLから一年発起してから海外へ渡り、6年。ロンドンのオフィスでリサーチライターとして活躍中。ITや新しいガジェットに関したテクノロジー関係の記事やレビューなどを担当。

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