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【新機種レポート】 いろいろな意味で熟成のスマートフォン「ARROWS ef FJL21」

富士通の「ARROWS」という名前を聞くと、ハイスペックを追い求めすぎて必ずしも完成度が高くない端末を想像してしまう人もいるかもしれない。しかし、それも今は昔。改善に改善を重ね、「ef」という名前の手堅いスペックのスマートフォンに生まれ変わって、再び我々の目の前に登場してきた。auの発表会でこの「ARROWS ef FJL21」を触ることができたので、そのファーストインプレッションをお送りしたい。

ARROWS ef FJL21。画面が少し暗いのは省電力機能で自動的に調節されているため。

《地味に生まれ変わったARROWS》

かつてはハイスペックを追い求め、しかも「全部入り」という命知らずな端末という印象のあったARROWSだが、今回のARROWS efでは一転して地味な端末として生まれ変わった。同じブランドの端末がここまで方向性をターンするのも珍しいという感じだが、当初持っていたビジョンを無理なく実現できるところまでハードウェアが進化してきたと考えることもできるかもしれない。

そのターンは外観にも現れている。実に地味なカラーリングが用意されており、ブラック(Solid Black)はともかく、Pink Gold、Soft Blueの地味さは半端ではない。もはや、中高年以上をターゲットにしているのだろうか? という気がしないでもない地味さだ。

ディスプレイは液晶で約4.3インチのHD解像度(1280×720ドット)となった。現在のスマートフォンとしては普通のディスプレイで、ボディサイズも約62×127×10.7mmと凡庸な感じだ。

カメラはメインは有効画素数約810万画素、サブカメラは約120万画素だ。そして、CPUはQualcommのMSM8960(1.5GHz)デュアルコアとなった。

全体に、“ザ・中庸”という感じだが、それだけに以前のモデルのように発熱が高くて困るというようなことにはならなそうなのがいい。

ちなみにボディ背面には傷や指紋がつきにくい「ウルトラタフガードplus」という技術が使われており、経年劣化を抑えてくれるという。たしかに指紋はつきにくい感じだ。

また、例によって防水端末なわけだが、イヤフォンジャックの部分はキャップレスで防水を実現していることは便利。地味だが評価したい部分だ。

カラーラインナップ。

バッテリー容量は1,800mAh。

イヤフォンジャック部分は防水だが、カバーはない。


《便利さを目指す「ヒューマンセントリックエンジン」》

今回のARROWS efもARROWSシリーズの端末なので、従来通り「ヒューマンセントリックエンジン」を搭載している。これは使いやすさを向上させる機能、セキュリティ的機能、ライフスタイルをサポートするアプリなどを総合して指している。いつも思うのだが、3つの機能ジャンルに名前をつけないとユーザーには漠然としすぎているのではないかと思う。

使いやすさを向上させる機能としては、水平なところに置くと数秒で自動的に画面オフになって電力を節約できるとか、手に持っているときは画面が消えないなどは、最近、他の端末にも使われているが、設定した年齢ごとに認識しやすいようにディスプレイの発色傾向をコントロールするなどは珍しい。高齢になると青を認識しにくくなるのだそうだ。

また、ボディを持っている側の指がさわっても誤動作しない「うっかりタッチサポート」や振動でタッチを知らせる「はっきりタッチ」などは同社のらくらくスマートフォンにも使われており、高齢者には便利だろう。

背面の指紋センサーもヒューマンセントリックエンジンの1つ。本体のロック解除が可能なので、人によっては便利だろう。地味なところではFMトランスミッタ機能を搭載していることも、FM波で音楽を飛ばせるのが便利だ。

背面の指紋センサー

ロック画面には親切にロック解除の方法も表示される。

ロック画面には内蔵アプリの万歩計の計測歩数も表示される。


《ARROWSは何を目指す?》

かつては高機能端末を目指していた感のあるARROWSだが、今回のARROWS efを触っているとターゲットが明らかに変わったのを感じる。性能的に中庸な感じなので、ヒューマンセントリックエンジンがポイントになってくる感じだろうか?

なんとなく同社人気の「らくらくスマートフォン」と同様にスマートフォンにあまり慣れない人たちにも優しい端末を目指しているのでは? という印象を受けた。普通のスマートフォンとらくらくスマートフォンの間の市場を狙った端末というわけだ。

地味なカラーリングもそれで納得できる。らくらくスマートフォンは優れた製品だと思うので、AEEOWS efもうまくプロデュースしていけば、今後、素晴らしい中高齢向け端末になれるのではないかと思う。


《基本仕様のおさらい》
  • OS:Android 4.0
  • CPU:Qualcomm MSM8960 1.5GHz デュアルコア
  • メモリ:1GB RAM/8GB ROM
  • ディスプレイ:4.3インチ TFT液晶(HD)
  • メインカメラ:約810万画素
  • サブカメラ:約120万画素
  • バッテリー容量:1,800mAh
  • Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n
  • Bluetooth:4.0
  • 本体サイズ:約62×127×10.7mm
  • 重さ:約139g
  • その他:防水・防塵対応、おサイフケータイ、NFC、赤外線通信、ワンセグ、Wi-Fiテザリング対応
  • 付属品:電池パック、卓上ホルダ

(記事:一条真人

UPDATE
件名及び本文中に一部誤字がありました。大変申し訳ございません。訂正してお詫び申し上げます。

【情報元、参考リンク】
KDDI/ARROWS ef FJL21製品紹介ページ

読者&編集部コメント欄

この記事のコメント:3 件
  1. じっくり書かれているので参考になります!

    コンセプトはessential focusedと聞いてます。
    仕様のおさらいはauサイトとあっていますので
    本文のスペックも訂正された方が良いかと…
    MSM8660→MSM8960
    1300万画素→810万画素

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  2. 間違いのご指摘ありがとうございます!大変ご迷惑お掛けしました。訂正してお詫び申し上げます。

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  3. >地味なカラーリングもそれで納得できる。らくらくスマートフ >ォンは優れた製品だと思うので、AEEOWS efもうまくプロデュー>スしていけば、

    AEEOWS ではなくARROWSですよ!(^^)!

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