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【一条真人取材レポート】 オレ予想では日本市場のトップを狙える端末「Optimus G」。発表会&端末レビュー

LGエレクトロニクスが18日開催した発表会でNTTドコモ向けスマートフォン「Optimus G」(L-01E)を短時間ながら触ることができたので、今回はそのショートレビューをお送りしたい。

左:発表会にはCMでお馴染みイケメン俳優の向井理氏も登場。
右:サプライズゲストの小島よしおが会場を盛り上げる。小島よしおは高速バージョンのギャグを披露。

≪QualcommのクアッドコアCPUに注目≫

まず、ディスプレイは液晶(約4.7インチ、1280×720)を採用しているが、無意味に発色がいいというよりは精細な描写で階調をきっちり表現してくれる感じで、写真などを表示するのに優れたポテンシャルを発揮してくれそうだ。

左:Optimus G。美しく繊細な表現力を持つディスプレイを搭載する。
右:左から順にOptimus Vu、Optimus G、Optimus it。
輝度はいずれも最大に設定。明るさ、色の表示の特徴は異なる。

この端末の1つの特徴はCPUで、Qualcomm製クアッドコアCPU「Snapdragon S4 Pro」(1.5GHz)を世界で初めて搭載した端末だ。この端末は世界同時発表ということだが、Qualcommの最新CPUを真っ先に調達できるのも世界でビジネスを展開しているLGエレクトロニクスならではと言えるだろう。

このSnapdragon S4 Proは、短時間ながら動作している端末を手にとってもそう熱くはならないようだ。このあたりをメーカーの方に聞いてみたが、動作状況に応じてコアの動作数やクロックを細かく調整しているため、必要に応じたパフォーマンスを発揮しつつも発熱は最低限に抑えられているも模様。他のスマートフォンと比べてもだいぶ違うようだ。

背面レイアウトはシンプル。短時間ながら背面があまり熱くならなかった。

ちなみに、L-01Eは日本市場向けの全部入り端末であるため、防水仕様(IPX5/7等級)であり、密閉性が高いため、発熱を抑えるのはより難しかったはずなのに見事である。また、驚くのはその端子類だ。「Optimus it」などと同様にカバーやキャップがなく、剥き出しなのに防水を実現しているという。スマートだ。

オーディオ端子、micro-USB端子、両方ともキャップ無しでも防水を実現

ボディは大柄ではあるがフラットでかなり薄い。この薄いボディに2,210mAhという大容量バッテリーを搭載している。LTE対応でテザリングも可能な端末なので、バッテリーは大きいに越したことはないという感じ。個人的には、そのうちモバイルルーター並の3,000mAhを超えるバッテリーを搭載した端末が登場するのも時間の問題だと思っている。

厚みもなかなか薄い。ストラップホールもある。

とりあえず、全部入りということで、おサイフケータイ、NOTTV、ワンセグ、赤外線通信などもにも対応しているが、この端末の凄さはそうしたハード面だけではない。

カラーはレッドとブラックの2つ。


≪ユニークなユーザーインターフェースが革新的≫

LGエレクトロニクスはスマートTVなどに関してもさまざまなユニークな提案をしているが、スマートフォンにおいても、特徴を発揮している。それが「Qスライド」、「Qメモ」、「デュアルスクリーン」、「ライブズーム」などだ。

多彩なインターフェースの提案

QスライドはLGビデオプレイヤー(あるいはワンセグ)で動画を視聴する際に動画表示の透過率を調整でき、動画を見ながら、他のアプリも使えるようにするという機能。たとえば、ワンセグでサッカーを見ながら、Twitterででツイートしたりできたら便利そうだ。

テレビを見ながらツイートするというのは現在、一部のスマートTVでも実現している機能であり、スポーツなどを見ながらリアルタイムにツイートできたら楽しそうだ。

左:Qスライド、右:Qメモ

Qメモは手書きメモなどの画面を表示しながら他のアプリが使える機能。電話をかけたりする場合に、電話番号メモを見ながら電話をかけられるのが便利そうだ。Optimus Gでは、「+」「-」のボリュームキーを同時押しすると、メモモードに入ることができる。この状態で、画面に手書きメモをし、画面左上の切替ボタンを押すと、メモを表示した状態で端末の操作が可能になる。上図の例のように、手書きの電話番号メモを表示した状態で、電話アプリを操作できる。

デュアルスクリーンはOptimus Gをテレビなどの外部スクリーンと接続し、2つの画面を使える機能。テレビにつないで大画面でゲームが出来ればいいというのがちょっと前の話題だが、この機能はそれ以上に進化している。プレゼンアプリのプレゼン画面だけをディスプレイ表示したりすることもできるし、ポインタ表示やメモ機能も持っているので、プレゼンにかなり便利そうだ。手元のスマートフォンでスライド一覧などを表示しつつ、テレビにはスライド一枚の全画面表示をする、などの使い方ができる。ちなみにテレビとの接続にはWi-FiダイレクトやMHLを使うことができる。



デュアルスクリーン機能

ライブズームとは動画をピンチ・ズーム動作で拡大できる機能だ。再生している動画の一部を拡大したい場合に便利。

動画を拡大できる

これら以外にもさまざまな小技的な機能が搭載されており、たとえば「ワイズスクリーン」はカメラでユーザーの顔を検出し、ユーザーがディスプレイを見ている場合、ディスプレイ表示をオフにしないという、どこかで見たことのある機能だ。


≪革新性を感じる端末≫

クアッドコアでのハイパフォーマンスに目が行きがちだが、その独自のインターフェース機能はかなりユーザビリティを向上させてくれそうだ。なかでもデュアルスクリーン機能はスマートフォンのプレゼン環境をかなり向上させてくれるなど、スマートフォンの使い方をも変えてくれそうだ。

バッテリー持ち時間やカメラ機能など、細部のパフォーマンスは短時間の試用では検討をつけることができないが、そのポテンシャルの高さ、革新性は十分に感じることができた。

日本市場でも「トップを狙える」ポテンシャルを持つ端末なのではないかと思う。

【関連リンク】
Optimus G製品紹介ページ


記事執筆者プロフィール
一条真人
ITジャーナリスト
Twitter:@ichijomasahjito、Facebook:masahito.ichijo
ブログ:一条真人メモ

クラウドサービスからスマートデバイス、デジタルAVまで、デジタル関連のアイテムが大好き。「ハッカー」(日本文芸社)、「PCプラスワン」(笠倉出版)などパソコン雑誌の編集長を経て、小説なども出版して現在にいたっています。PC、IT関連の本は50冊以上書かせてもらいました。スマートフォンは初代Xperia(あまりに美しいデザイン!)、iPhoneなど数機種使っています。

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