キャップレス防水も魅力のOptimus it |
セミナーイベントは3日・4日の両日行われ、一日目は西新店で、二日目は薬院店を舞台としました。
イベントのコーディネーターはAppComingの方波見豊氏で、セッションは下記の通りです。
(1) jig.jp 島田氏による「jigtwi for Android」の紹介
(2) LG 夏モデル新商品の紹介
(3) GAPSIS編集長 長田×フリーライター 井上氏によるドコモ夏モデル紹介トーク
第二回目の記事では、(1)のjigtwiのセッションを紹介しました。今回は(2)のLG新商品の紹介セッションです。ボリュームがあるため、前編と後編に分けてお伝えします。
《LG 夏モデル新商品の紹介》
登壇者はLGエレクトロニクス・ジャパンの橋本明世さんです。この記事では、橋本さんのトーク内容を話し言葉に近いイメージで紹介していきたいと思います。ただし、記事作成にあたり、内容は橋本さんが話した言葉そのままではなく、記事として読みやすいよう、補足説明を加えつつ、適宜編集していますのでご了承ください。
LGエレクトロニクス・ジャパンの橋本氏
●LGのドコモ向け夏モデル新商品
NTTドコモ(以下、ドコモ)が今夏用意した新商品ラインナップにおいてLGが提供する製品はスマートフォン2機種とモバイルWi-Fiルーター1機種です。スマートフォンは「Optimus it L-05D」と「Optimus Vu L-06D」、そしてモバイルWi-Fiルーターは「L-04D」です。Optimus Vuには、それをベースとしたコラボレーション端末である「L-06D JOJO」もあります。いずれの製品もドコモの高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」に対応しています。
左から順にL-04D、Optimus it L-05D、Optimus Vu L-06D (※画像の縮尺は実寸比ではありません) |
●XiといえばLG
Xiは「LTE(Long Term Evolution)」という通信規格を採用した高速通信サービスです。日本ではドコモが2010年12月から商用サービスの提供を開始しましたが、LGはLTEに関して高い技術力とノウハウを持っています。
例えば、世界に先駆けてLTE端末向けのモデムチップを2008年に開発したのもLGですし、ドコモ初のXi端末「L-02C」を提供したのもLGです。LGはLTE関連の特許において世界シェアの23%を占め、トップに立っています。そして2011年のXiデータ通信端末の販売実績もトップとなっています。
●Optimus it L-05D 〜開発背景〜
6月30日に発売されたスマートフォンで、グローバルモデルではなく、日本市場向けに開発された端末になります。デザインを含めて2年位前から開発に取り組み始めていますので、時間を掛けているモデルになります。開発にあたってコンセプトとしたのは、“iPhoneキラー”を目指すということです。2年前は、やはりスマートフォンといえばiPhoneという状況だったため、それに対抗する製品として開発に入ることになりました。
とはいえ、実際にOptimus itが市場に出るまでの間に、LGでは何機種かのスマートフォンを送り出しています。もちろん、Optimus itでは、それらの機種において得られた経験も活かしています。その経験から、私たちはOptimus itの開発にあたって“安心”というキーワードをポイントとして持つことにしました。端末の様々な部分で“安心”をキーワードとした工夫を盛り込んでいます。
●Optimus it L-05D 〜コンセプト〜
具体的なキーコンセプトは次の3点です。
・サクサク快適な動作
・コンパクトサイズ
・今まで通りの機能や使い勝手
例えば、iPhoneではUIのアニメーションも含めて、非常になめらかな挙動と操作感を実現しています。iPhoneのユーザーはそのような滑らかさを“ぬるぬる”と表現するようですが、今回のOptimus itでは“サクぬる”を目指しています。
私たちは“サクぬる”と呼んでいますが、これは“サクサクぬるぬる”の略で、高速な挙動・サクサク動く高速性能と滑らかさが一体となった快適な操作感を実現しています。高速性能の実現は、米Qualcommの「MSM8960」(1.5GHzデュアルコアCPU)のお蔭でもあり、このプロセッサは省電力性能にも優れています。
Optimus itではiPhoneよりもやや大きめの4インチ画面を採用していますが、本体の幅をできるだけ抑え、手に持ちやすいコンパクトサイズを実現しています。幅を抑えたこともあり、額縁部分が狭くなり、フロント全面が液晶画面であるかのようなデザインに仕上がっています。
また、コンパクトサイズながらハイスペックである点も魅力です。
1.5GHzデュアルコアCPUと高速通信Xiでサクサク快適な動作性能を実現しています。さらに、日本の定番機能にも取り組んでいます。もともと、“LGの端末は防水がつけば良いのに”という声があり、今回のOptimus itではその要望にこたえ、防水仕様にしています。結果、Optimus itは好調なセールスを記録し、今夏モデルの中でも良い位置につけています。
●Optimus it L-05D 〜予備バッテリーとバッテリーチャージャー〜
Optimus itのパッケージにはバッテリーが2個とバッテリーチャージャーが同梱されています。
現在のXi端末では、FOMA(3G)とXi(LTE)の切替は端末が自動的に行っています。端末は常に基地局を探し、チャンネルのチェック及び切替処理を行わざるを得ない状況下にあります。この処理のため、電力消費も多くなってしまいます。
そうでなくてもスマートフォンはバックグラウンドで動いているアプリが多くあり、基本的に電力消費が多いです。そこで、Optimus itでは、最初からバッテリーを2個つけ、さらにバッテリーチャージャーも同梱しました。
バッテリーの充電には基本的には本体が必要ですが、本体は1つしかないので、予備のバッテリーも単体で充電できるようにバッテリーチャージャーをつけました。これにより、本体に搭載するバッテリーと予備のバッテリーを同時に充電することができます。
●Optimus it L-05D 〜日本市場向けの機能〜
Optimus itは日本市場向けに開発された端末ですが、市場を意識して採用したいくつかの機能や仕様があります。ストラップホルダーの設置や、カラーラインナップなどはその一つです。カラーラインナップはホワイト、ブラック、ピンク、パープルの4色が用意されています。
さらに、防水性能に関しては、Optimus itでは世界初となる“キャップレス防水”を実現しています。Optimus itのmicro USB端子にはキャップがありません。にもかかわらず、IPX5/7相当の防水性能を確保しています。この防水技術については特許も取っています。キャップレス防水の何が良いかというと、キャップの劣化や閉め忘れを気にする必要がないということです。これも“安心”に配慮した設計ポイントの一つです。
ちなみにこの仕様はOptimus Vuも同じです。Optimus Vuのmicro USB端子にはスライドカバーがありますが、これはデザイン上の飾りに過ぎません。端子自体はOptimus itと同様に防水仕様なので、カバーを閉め忘れても防水性能に影響が出ることはありません。
micro USB端子とオーディオ端子はキャップレス防水仕様
そのほかの日本市場向け機能としては、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグなどがあります。
●Optimus it L-05D 〜4.0インチIPS液晶〜
LGは薄型テレビに代表されるようにテレビ向けのIPS液晶でも定評がありますが、スマートフォンのIPS液晶もとても美しい表現が可能となっています。色のゆがみが少なく、自然に表示することができる色再現性の高さ、動画再生をクリアかつ滑らかに行える力、そしてどの角度からでも美しく表示できる広い視野角などです。
加えて、タッチ操作のレスポンスも高く、操作もサクサクできます。
そして実は、Optimusシリーズでは「Optimus LTE L-01D」(ドコモ向け)が日経BP社による「スマートフォン画面表示満足度No.1」を受賞しています。
●Optimus it L-05D 〜多彩なカメラ機能〜
Optimus itではカメラ機能にも力を入れています。
キレイな写真が撮れる「HDR」機能、高速起動と高速撮影性能、ライブスナップショット機能、タイムマシーンショット(仮称)、ビューティーショット機能、連続フォーカス機能などが特徴的な機能です。
HDR機能は最近では多くのスマートフォンで搭載されている技術で、明暗差の大きなシーンなどで威力を発揮します。例えば屋外の明るい場所ながら、影のある暗い場所も含まれるシーンなどでは空の白飛びや影の場所が黒く潰れる現象がおきやすいですが、HDR機能を使えば、それらの現象を回避した明るくキレイな写真を残せます。
これは露出の違う複数枚の写真を合成し、最適化することで実現する機能ですが、多くの機種では2枚からの合成で画像を作成していますが、Optimus itでは、露出の違う3枚の画像から合成させています。3枚からの合成とすることで、より美しい写真を残すことができます。
また、Optimus itのカメラは、約1.3秒で起動し、写真撮影も撮影から保存までを約0.7秒で済ませることができます。すなわちカメラの起動から写真の保存までの流れを最短で約2秒でできます。この高速性能によって、撮影チャンスを逃しにくくなります。
ライブスナップショット機能も便利です。これは、動画撮影中に静止画を保存できる機能です。カメラアプリの右上に静止画保存用ボタンがあり、それをタップすることで撮影できます。
そして、変わり種の機能がマイムマシーンショット機能です。これは、シャッターを押した瞬間から1秒前までさかのぼって撮影する機能で、5枚の写真からベストショットを選べます。イメージとしてどういうことかというと、実はシャッターを押す1秒前の瞬間から撮影が始まっていて、連続して撮られた5枚の写真から最も良いものを選ぶことができる機能です。
コンセプトの一つである“今まで通りの機能や使い勝手”にはこのカメラ機能も含まれています。フィーチャーフォンの場合、カメラはかなり高性能ですし、高機能です。それらの高性能・高機能を犠牲にせず、“安心”してスマートフォンへ移行できるよう、カメラ機能にも力を入れています。
また、フロントのインカメラは有効画素数約30万画素ですが、ビューティーショット機能を使うことで、自分撮り写真をキレイに残すことができます。これは女性ユーザー向けの機能ですが、肌の色をキレイに撮影できますのでオススメです。
●Optimus it L-05D 〜文字入力とメール機能〜
メールを素早く入力できるようにも配慮しました。そのための工夫が2点です。一つは「ソフト十字キー」の投入で、二つ目は「絵文字クイック」です。
ソフト十字キーがあれば、文章を修正する際、文字を挿入する際などに、カーソルを素早く正しい位置へ移動させることができるようになります。十字キーがないと、文字挿入場所を正確にタップするのは難しいですよね。ですが、十字キーがあれば、解消されます。
「←」「→」キーのうち、「←」キーを長押しすると、ソフト十字キーが表示されます。
次に絵文字クイックですが、これは絵文字を素早く入力できるようにする工夫で、キーボードのサイドに絵文字エリアを設けています。この部分を使って絵文字を素早く入力できますし、ドラッグすれば絵文字キーボードが表示されるので、様々な絵文字から選ぶことができます。
また、Optimus itのユーザーの皆様にはデコメ絵文字の自動更新サービスも提供しています。毎月30個のデコメ絵文字が自動で追加されます。
●Optimus it L-05D 〜その他便利な機能〜
その他で便利な機能としては「LG On-Screen Phone」機能があります。これは、PCの画面にOptimus itを表示し、PCから遠隔操作できる機能です。「メール作成」「データ編集」「着信の確認」などが行え、データの転送も手軽にできます。
また、Wi-Fi関連では、「Wi-Fiダイレクト」への対応が便利です。これはWi-Fi機器同士で直接接続してデータ転送ができる機能です。アクセスポイントを介す必要がないので、非常に利便性が高い機能となります。また、Optimus itではWi-Fiテザリングにも対応しており、最大8台までの機器を同時接続することができます。
次回の後編ではOptimus Vuについての内容をお届けします! お楽しみに!
*上記リンクはシリーズ記事公開にあわせて追加していきます。
【情報元、参考リンク】
・AppComing/【AppComingイベントレポート】1. ドコモショップ西新店・薬院店紹介&ドコモ向けLG新商品タッチ&トライ
・AppComing/【開催レポート】Androidスマホプチセミナー・タッチ&トライ(ドコモショップ薬院店)およびAppComing Day! 非公式オフ(Optimus cafe)
・S-MAX/福岡は“あつかった”!?AppComing読者キャンペーン 2012 Summer イベントに参加してきた【レポート】