ソフトバンクモバイルは10日、災害などで通信障害が発生した際、そのサービスエリアを迅速に復旧させることを目的とした、係留気球を利用した臨時の無線中継システム(以下「気球無線中継システム」)を開発したと発表した。このシステムを用いたフィールド実証評価を行うための実験試験局の本免許も同日、総務省東海総合通信局から取得している。
同社はシステムの実証実験を2013年6月末までの間、愛知県稲沢市の木曽川周辺で行い、システム利用時の通信速度や通信品質、通信エリアの広さなどを評価するとしている。
気球の高度は地上約100mで、通信エリアは郊外地において半径3km以上が確保される見込み。
システムは中継元基地局(以下「親機」)と気球中継局(以下「子機」)で構成される。子機の位置と高度を安定させるために係留気球を用い、扁平型気球によって気球の空中姿勢を安定させる。
システムでは3G(2.1GHz帯)の通信を利用することが可能で、親機と子機間の中継周波数は3.3GHz帯で、帯域幅はいずれも5MHz幅となる。
気球を使うことで、臨時のシステムを迅速に立ち上げることができるため、災害時などに有効と期待される。
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