ビットワレット、KDDI、大日本印刷は6日、3社共同で近距離無線通信技術「NFC」(Near Field Communication)のプロトコルTypeAを使った電子マネーシステムのプロトタイプを開発したと発表した。NFCは主にAndroid(アンドロイド)スマートフォンの最新モデルに搭載され始めている近距離無線通信技術で、今後世界各国での普及が見込まれている。
「FeliCa」の規格を使った「おサイフケータイ」のサービスが普及しきった日本と違い、海外では携帯電話向けのこの種のサービスの普及はこれからであり、その規格としてFeliCaではなく、NFCのTypeA/Bが考えられている。
今回のプロトタイプシステムは、NFCの次世代電子マネーシステムの研究の一環として開発されたもので、NFC搭載スマートフォンやTypeAカードの非接触IC決済サービスに関する技術検証が行われている。
検証の結果、NFC搭載スマートフォンへの実装が可能であることが明らかになり、日本と比較して発展途上段階にある海外での電子マネーサービスの普及に弾みがつくと判断されたようだ。また、基盤となるシステムをサーバー管理型とすることで、加盟店に設定される端末のコスト削減や運用負担を軽減できるとしている。
今回の取り組みにおける3社の役割は次の通りだ。
・ビットワレット:次世代電子マネーサーバープロトタイプの開発と提供。次世代電子マネー対応決済端末の開発と提供。
・KDDI:Android搭載スマートフォン及びNFC対応UIMカードの提供。Androidアプリ及びUIMカードにかかる技術支援。
・大日本印刷:TypeAカードの発行及び提供。次世代電子マネー対応UIMアプリの開発と提供。UIMアプリへのパーソナライゼイション。
なお、現状では国内販売されているAndroidスマートフォンでは、NTTドコモ向けの「GALAXY SII LTE SC-03D」、「GALAXY NEXUS SC-04D」、au向け「GALAXY SII WiMAX ISW11SC」がNFCを搭載している。
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