なお、Android版Chromeのベータ版は、Androidマーケットで公開されており、誰でも入手できる(こちらのページからダウンロード可能)。米国や日本など、世界12か国で公開中だ。ただし、動作条件はAndroid 4.0以上のため、それ以外の端末ではAndroidマーケットで検索しても表示されない。
Android版Chromeには、以下のような特徴がある。
●ハードウェアアクセラレーターを利用した高速描画
●シンプルで使い勝手のよいUI
●PC版Chromeとの強力な同期機能
●履歴やクッキーを残さないシークレットモード
▲画面上部には、検索もできるアドレスバー(Omnibox)に、タブとメニューのボタンを配置。
Andorid 4.0の標準ブラウザーと同じだ
UIにおける最大のポイントは、タブの切り替えの容易さだろう。左右のスワイプで簡単に切り替えできるほか、タブボタンを押すとタブを一覧表示し、内容を確認した上で、切り替えたり、削除したりもできる。
▲画面の端をタップしたまま逆側にスワイプすると、簡単にタブ間を移動できる
▲タブのボタンを押すと、タブを上下に重ねて表示。不要なタブは左右へのスワイプで削除できる
スマートフォンの小さな画面でも快適に利用できるよう、密集してタップしにくい箇所を拡大表示する機能も備えている。
▲リンクが密集している部分をタップすると、自動的にその部分を拡大表示する
このあたりのUIについては動画の方がわかりやすいだろう。最後に動画を用意しているので、そちらを参照して欲しい。
同期機能では、同じアカウントを利用しているPC版のChromeとブックマークや履歴を共有できるほか、PC版のChromeで開いているタブを参照することもできる。実は、ブックマークなどの同期機能は、Android 4.0の標準ブラウザーも対応しており、さほど目新しいものではない。
新しいのはタブの参照機能だ。しかも、現在開いているページのみならず、履歴データもAndroid側に引き継げる。このため、ブラウザのバックボタンを押すことで、過去に開いたページが開く。PCでの作業を中断して外出しても、Androidでそのままブラウジングをシームレスで継続できるという仕組みになっている。
さらに、PC版Chromeの開発版に拡張機能「Chrome to Mobile Beta」をインストールすれば、PCで閲覧中のページをオフラインで閲覧できるようにスナップショットに保存して、Android側に送りつける機能も追加された。
▲PC版のChromeのブックマークは、「パソコンのブックマーク」から参照できる
▲PC版のChromeのタブを参照できる。「他のデバイスからの受信」は、
拡張機能「Chrome to Mobile」機能で送信したページ
その他、PC上のブラウザーでは今では標準となった「シークレットモード」をサポート。シークレットモードでは、履歴やクッキーなどが残らない。このため、家族などにはバレたくないサイトを覗いた後、履歴を消去し忘れても、後で使った人にバレずに済む。
▲人に見られたくないサイトは「シークレットタブ」で開けば、履歴が残らない
最後に、実際にタブを操作している様子を動画で撮影したので、ご覧いただきたい。UIのアニメーションも凝っており、なかなかわかりやすく、使い勝手もよかった。左右へのスワイプは、まれに失敗することもあるが、直感的でわかりやすい。
▼タブの切り替えの様子。タブが開くとき、閉じるときのアニメーションも凝っており、直感的なUIとなっている
このように、Android版Chromeは、なかなか高機能なブラウザとなっている。ハードウェアアクセラレーター機能を使うため、Andorid 4.0専用なのが残念だが、Android 4.0へのアップグレードを楽しみにする理由が1つ増えたといってもよいだろう。
(記事:吉川敦)
【情報元、参考リンク】
Android Market/Chrome for Android Beta
GAPSIS/Google、ブラウザ「Chrome」のAndroid版をリリース。高速表示や設定同期、シークレットモードなどを搭載