「京都禅寺巡り」の企画・開発には、「臨済宗(りんざいしゅう)・黄檗宗(おうばくしゅう)の研究機関である「財団法人 禅文化研究所」、日本システム技術、和合舎の三者が参加し、京都にある臨済宗・黄檗宗寺院の情報を総合的に提供するアプリとなっている。
禅寺を征する者は京都を征す―こう言ってもいいくらい京都の禅寺には名所が多く、京都観光として多くの方が参詣する、金閣寺・銀閣寺・龍安寺・高台寺などの有名寺院や、通天橋からの紅葉が大人気の東福寺もすべて禅寺。これらの寺院を含めた72ヶ寺を案内してくれるので、禅寺に関心がある方はもちろん、「歴女」や「仏像ガール」にも嬉しいアプリだ。
「京都禅寺巡り」では、一般公開されている禅宗寺院の紹介、拝観とアクセス情報、拝観料と引き換えに手渡されるパンフレットや掲示板などで得る限定的な情報、これらの寺院にある貴重な宝物、伽藍などの所蔵物や歴史の解説などを丁寧に紹介している。
例えば、各寺院の持つ歴史についての解説・寺院の建物や庭園の歴史・お寺を開いたお坊さんのライフヒストリーから襖絵の作者まで、「知りたい」気持ちをきめ細やかにフォローアップしてくれる。また、宝物非公開寺院の特別拝観情報なども掲載されているので、旅先でチェックすれば思わぬご利益が得られるかも?
京都を観光する際は是非参考にしたいアプリだ。
他にも「禅クイズ」や、GPS機能を使ったスタンプラリーも搭載し、その場に足を運びたくなる工夫が盛り込まれている。
「京都禅寺巡り」の各機能の紹介は次の通り。
■禅寺コレクト
貴重な仏像や絵画、季節ごとの寺院の風景など、見るだけで癒されそうな画像が多数収録している。一部エリアでは、収録されている画像と同じ風景の前に立ってカメラを起動し、実物の風景と画像を重ね合わせると、紅葉のイメージが見られるコンテンツなどもあり、まだ紅葉が始まっていない、もしくは少ししか紅葉が始まっていない時期に訪れても、なんとなく紅葉シーズンを味わえたり……ちょっと得した気分になれる。
■禅寺巡り(検索)
臨済宗・黄檗宗の有名寺院だけでなく、周辺にある各派末寺も案内してもらえる。行き先が決まっていないときは、「自然・建築・庭園・宝物・世界遺産と国宝・人物・食事・体験」の中の8項目、「体験」から選択すると「坐禅・法話・写経」などのサブカテゴリを表示。そのときの気分に合わせて、行きたい寺院を探すことができる。その他、桜や紅葉など美しい庭園のお寺、国宝や重要文化財の建築物のあるお寺、精進料理やお抹茶をいただけるお寺を簡単に検索でき、坐禅や写経をしたいといった際にも役に立つ。
検索にヒットした寺院情報では、通常非公開にされているような貴重な宝物を、臨場感のある美しい画像で閲覧することもできる。寺院やコンテンツは適宜追加される予定。
■カメラ&アルバム
アプリ内からカメラ撮影した写真は、GPS機能により撮影場所が自動記録され、アルバム機能では禅寺毎に整理された撮影写真を見ることができる。いちいち自分でフォルダを作って写真を整理して……という面倒もない。
■スタンプ
GPS機能を使って寺院参拝をすると、寺院固有の紋章である寺紋などが登録出来て、まるでスタンプラリーのように集めることができる。まずは禅寺コレクト13ヶ寺の寺紋やマークをゲットして、コンプリートを目指してみたい。今後も新たなスタンプラリーが計画されている。自分が学生の時にこんなアプリがあったら、修学旅行等でもっと楽しみながら寺院巡りが出来たのに……と思ってしまう。
■クイズ
禅文化研究所で作成された「禅クイズ」。簡単なものから難解な問題まで合計100問からランダムに出題されて、興味深く気軽に禅の知識を理解・習得でき、京都観光の予習・復習にも役立てる事が出来る。実際クイズに挑戦してみると、なかなか難しい!! 答えを見た時に「そういえば学校で習ったかも!!」と思うような問題もあり、改めて日本の歴史の勉強にもなると感じた。
■法話・禅語
臨済宗・黄檗宗の布教師による法話と解説を閲覧することができる。これは毎月更新。読んでみると、「なるほどね」と思わされる事から、心に響いてくるお話もある。ちなみに筆者は、「南禅寺派・興慶寺副住職 蓮沼直亮 師」による「笑顔の施し」という話が好きで、読んでいて心が温かくなった。
■情報配信
待ち受け画面にウィジェットを設置すると、特別参拝や法要などの情報が届く。年間行事や催しの情報に触れ、禅寺の様々な表情を楽しめる。
アプリの動作要件はAndroid 2.1以上で、価格は無料。ただし、一部コンテンツは有料サービスとなっていて、アプリ内にて有料登録を行うと、全てのコンテンツが利用出来る。※有料サービスは2011年12月開始の予定で、11月末までは全て無料で利用が可能。
あたりまえのことだが、お寺や仏教を一番よく知っているのはお坊さんで、禅僧自らが禅寺と禅を本気で解説したアプリには、他の追随を許さないコンテンツ力がある。今年は残り少ない秋だが、「今年の紅葉は京都で!」という方は、旅のお供に「京都禅寺巡り」はオススメだ。
(記事:とんすけ)
【情報元、参考リンク】
Android Market/京都禅寺巡り
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