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ソニー、ソニー・エリクソンを完全子会社へ。エリクソン保有分の株式を完全取得

ソニーは27日、同社及びTelefonaktiebolaget LM Ericsson(以下、エリクソン)が50%ずつ出資している合弁会社、英Sony Ericsson Mobile Communications AB(以下、ソニー・エリクソン)を完全子会社化することを明らかにした。エリクソンの保有株式を取得することで、100%をソニーが保有することになり、連結対象となる完全子会社になる。

今回の取引によって、ソニーはソニー・エリクソンが持つ広範なクロスライセンス及び5つの重要特許群をあわせて獲得することになり、今後の事業展開における力となる。もちろん、ソニー・エリクソンが注力し、成長させた「Xperia」シリーズを始めとするスマートフォン製品群もソニーの事業として組み込まれることになり、タブレット、テレビ、PCなどの他の分野の製品との連携強化も期待される。

ソニーはエリクソンの保有株取得にあたり、10億5,000万ユーロを現金で支払う。

なお、エリクソンはソニー・エリクソンの株を手放すことにはなるものの、今後もワイヤレス接続の分野においてソニーと協力し、様々なプラットフォームを接続するワイヤレス通信の普及を共に推進していく。

ソニーの代表取締役会長兼社長であるハワード・ストリンガー氏は次のように述べている。

「今回の取引はソニーにとってもエリクソンにとっても有意義なものであり、そして何よりも、いつ、どこででも好きなコンテンツを楽しみたいというお客様の期待に応えるものとなるはずです。

スマートフォンという成長事業を統合し、同時に、広範なクロスライセンスを含む戦略上大変重要な知的財産権へのアクセスを取得することで、我々が目指す“フォー・スクリーン戦略”の体制が整いました。ソニーは、スマートフォン、タブレット、ノートPC、テレビなどをシームレスに連携させ、より迅速にまた強いラインナップでお客様に提供しています。これらの製品とソニー自身が運営するネットワークサービスであるプレイステーションネットワークやソニーエンタテインメントネットワークを通じて、新しいオンラインエンタテインメントの世界を開拓していきます。また、今回の株式取得によって、商品設計、ネットワークサービスの開発、マーケティング活動など多くの事業領域で、商品群を横断した事業の効率性の向上も目指していきます。ソニーは、自らが保有する映画・音楽・ゲームなど全てのコンテンツを、幅広い商品を通してお楽しみいただける環境を、ソニーにしか成し得ない形で広げていきます」

また、エリクソンの代表取締役社長兼CEOのハンス・ヴェストベリ氏は次の言葉を寄せた。

「両社が10年前に合弁会社を設立した時には、ソニーのコンスーマー商品に関する知見とエリクソンの通信分野における技術力は、多機能携帯電話(フィーチャーフォン)を開発していくために、最適な組み合わせでした。今日、当社の保有するソニー・エリクソンの株式をソニーが取得してスマートフォンを幅広いコンスーマー商品群と融合するということも、前回と同様に合理的なステップであると考えています。一方、私たちは、研究開発の強みと業界随一の特許ポートフォリオを活かし、全てのデバイスに通信機能を持たせることで真につながった世界を実現するという目的に向かって注力していきます」

ソニー・エリクソンは2001年10月1日に、当時不採算事業だったソニーとエリクソンのそれぞれの携帯電話事業を統合して誕生した合弁会社で、その後は事業の黒字化を果たし、Walkman Phone、Cyber-shotケータイなど、いくつかのヒット商品を生み出した。2007年には「P1」を発売し、スマートフォンへの取り組みも開始。その後、Android(アンドロイド)スマートフォンに大きく軸足を移し、「Xperia」シリーズを確かなブランドへと成長させることに成功した。

2011年第3四半期(7月~9月)終了時点では、Android端末市場における11%の金額シェアを獲得し、同四半期の同社の売上の80%をAndroid端末が占めるほどになっている。

ソニー・エリクソンの従業員数は2010年12月時点で7,500人、本拠地は英ロンドン、研究開発拠点は北京、ルンド、シリコンバレー、東京に置かれている。

【情報元、参考リンク】
ソニー/プレスリリース(PDF)

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