Vision 007HW(カラー:ビビッドピンク)
本記事は、第1回目に引き続き、ファーウェイ・ジャパンによるプレゼン内容をベースに構成していきたい。Vision 007HWを実際に使ってみてのレビューは第3回目で紹介する予定だ。
まずは基本スペックをおさらいしよう。
搭載されるOSは、Android 2.3.4で、ディスプレイは3.7インチ液晶(解像度:800×480)、プロセッサは米Qualcomm製Snapdragon MSM8255 1GHz、内蔵メモリは512MB RAMでストレージ容量は2GBとなっている。外部メモリとしてmicroSD/microSDHCカードスロットを搭載し、最大32GBまでのカードを利用することができる。
ネットワークはGSM(900/1800/1900MHz)、3Gに対応し、下り最大14Mbps、上り最大5.7Mbpsのハイスピードをサポート。Wi-FiはIEEE802.11b/g/n準拠で、Bluetoothは2.1+EDRに対応。
カメラはコンパクトな筐体ながら前面にサブカメラ、背面にメインカメラの2基を備える。サブカメラの有効画素数は約30万画素で、メインカメラは約500万画素だ。メインカメラにはLEDフラッシュとオートフォーカス機能が搭載され、ズームはデジタル4倍まで可能。1280×720のHD動画を撮影することもできる。
端末のサイズは約60×119×11mmで、重さは約122g、バッテリー容量は1,400mAh。カラーラインナップはオービタルブラックとビビッドピンクの2色展開。なお、記事冒頭でワンセグ等の国内定番機能には非対応と記したが、緊急地震速報を利用することはできる。
これらの情報から分かるように、現在の国内市場ではスペックだけを取り上げて考えると標準的な端末に区分される。
しかし、詳しい感想は第3回で述べるとして、しっかりとした設計・調整がなされているからか、操作性と動作パフォーマンスはとても良い。日常利用する上で大きなストレスを感じることはなさそうだ。Android端末の場合、メーカーや機種によってパフォーマンスに違いがあり、それはスペック上の数値が同じ場合でも生じている。体感的なパフォーマンスに差があるのだ。しかし、Vision 007HWは少なくとも体感レベルは悪くない。
続いて、Vision 007HWならではの特徴をみていきたい。
やはり最大の特徴であり魅力は外観デザインになる。
前面にはラウンドガラス、背面にはアルミニウムを採用したボディが独自の色を打ち出している。ラウンドガラスによるタッチディスプレイのスマートフォンへの採用は世界初(7月12日ファーウェイ調べ)だ。
ラウンドガラスは一般にクリスタルジュエリーや時計などのアイテムで使用される。この特殊な加工技術を使って製造されたディスプレイ表面は非常に美しい曲面を描いている。特に縁の部分のR(アール)は見た目の良さはもちろん、手に持った時に程よい感触を与えてくれる。
側面・背面のラウンド形状も同様に手に馴染み易く、端末全体として“持ちやすさ”が実現されている。
通常、ラウンド形状のタッチディスプレイを何の対策もなしに採用した場合、タッチ操作の際に一般的なストレートディスプレイと比較すると、入力の掛かり方が異なる問題がある。ファーウェイはその点を独自に調整し、タッチ操作に問題やストレスが生じないように工夫している。
背面のアルミボディは、上部・下部で分割されており、上下はマット仕上げが施されたプラスチックとなっている。これも持ちやすさを向上させる役目を果たしている。上下部分と中央アルミ部分で色が若干異なるので、デザイン上のアクセントにもなる。
カラーラインナップは前述したようにオービタルブラックとビビッドピンク。どちらも、どちらかと言えば大人が好みそうな色味になっている。ピンクも子供っぽさは感じられず、大人の女性をターゲットにしていることが伺える。
実際、Vision 007HWの想定ユーザーは大人の男女。「最近スマートフォンが気になるのに、センスの良いスタイリッシュな、大人のためのスマートフォンがないと思っているユーザー」がターゲット。個性を重視し、デザインにもこだわりを持つ方が想定されている。
ラウンドガラスだけを見ても、他の機種とは異なる特徴になるので、このデザインを好むユーザーにはベストチョイスになるだろう。
横からの画像からわかるように、ラウンドガラスとはいっても、極端に丸みが形成されているわけではない。
左:ビビッドピンク、右:オービタルブラック。
一方、外観的な特徴に比べ、中身のソフトウェア面は非常にオーソドックスだ。言い換えれば特筆すべき点が少ないとも言える。しかし、余計なアプリやカスタマイズがないため、ゴチャゴチャせずに分かりやすいメリットもある。この辺りはユーザーによって捉え方が異なるだろう。
少なくとも、ホームアプリ、ウェブブラウザなどの基幹アプリのパフォーマンスは程よいレベルだ。同等スペックの端末の中では間違いなく良い方といえる。
非常にオーソドックスと表現した中身だが、一つ紹介すべきアプリケーションがある。
Vision 007HWは日本語文字入力システム(IME)に、富士ソフトが開発した「FSKAREN(エフエスカレン)」を採用・プリインストールしている。このFSKARENのデキが素晴らしい。FSKARENはAndroid Marketで一般公開されているので、他の端末のユーザーであっても試すことができる。とはいえ、980円の有料アプリなので、皆が皆、気軽に導入するのは難しいかもしれない。
FSKARENの機能は下に掲載したデモ動画である程度確認することができると思う。この動画はファーウェイ・ジャパンが開催したイベント中に行われたデモを収録したもの。カメラを固定できなかったことで手ブレが多い点と、マイク位置が遠く、音声を拾いにくかったことから音質レベルが悪い点などは予め謝罪しておきたい。しかし、動きは何となくでも伝わるものと思う。
入力方式はテンキー、QWERTYキーボード、手書き入力に対応している。また、かな漢字変換についてもAI予測、予測変換、連携予測など、一般的な機能をソツなく搭載。それに加え、非常に利便性の高いタッチジェスチャー機能が備わっている。カーソル移動などもフリック入力を使ってスムースに行うことができ、さらに、フリック入力についてもユーザーの好みに合わせて非常に多彩な使い方が可能となっている。
他にも、雑誌「LEON」とのタイアップによって実現したホームアプリのテーマ「LEON スマセレ」や「きせかえLab.」、無料のニュースウィジェット「The News Cafe」、同社製デジタルフォトフレーム「PhotoVision」端末へ写真画像を簡単に送れる「フォトビジョン簡単送信アプリ」など、いくつかのアプリやコンテンツが用意されている。
手頃なサイズで持ちやすく、ストレスの少ない動作パフォーマンス、かつ外観デザインにこだわった端末を求めるユーザーにとって有力な選択肢の一つとなるはずだ。
続く第3回では実際にVision 007HWを使ってみた上でのレビューを紹介したい。本記事中にも感想を一部盛り込んでいるが、第3回ではレビューを中心としたい。なお、第1回ではファーウェイの会社紹介をしているので、関心のある方はチェックしてみてほしい。
第3回へ続く
第1回/第2回/第3回
UPDATE
イー・モバイル向けスマートフォン「GS02」について特集した記事を第4回、第5回、第6回で公開。
【情報元、参考リンク】
ファーウェイ・ジャパン
ソフトバンク/Vision 007HW製品紹介ページ