パナソニックが携帯電話向けカメラに搭載される小型レンズの解像度を大きく向上させる技術を開発したと日本経済新聞が29日に報じた。同紙の報道によれば、パナソニックはレンズ表面に特殊な被覆を施すことで、焦点を合わせやすくし、解像度を従来品に比べて4倍にまで向上させることに成功したという。
この技術は2~3年後をめどに実用化され、自社製品のみならず外販も行われる予定という。現在の携帯電話搭載のカメラも十分に高解像度の写真が撮影できるようになってきたが、画質の追及や小型化には際限がなく、カメラ機能の充実は携帯電話として競合機種との差別化の一つの要素になる。
新開発された小型レンズを使えば、従来は3、4枚必要だったレンズ枚数が1、2枚で済むという。光の3原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の波長が異なるため、従来は複数のレンズを組み合わせる必要があった。しかし、新型レンズは、レンズ表面に光の屈折を微妙に調整できる特殊な被覆を施すことで、1枚のレンズで3つの光の焦点を正確に合わせることが可能になったと報じられている。
将来の早期投入が期待される。
なお、パナソニックは年4回発行の季刊誌として「パナソニック技報」をリリースしている。パナソニック技報はパナソニックグループの技術論文誌で、同社の開発者が記した技術論文や技術解説が詳しく紹介されている。パナソニック技報はPDF形式でウェブサイト上で公開されているので、PCやスマートフォンなどの端末からも閲覧可能だ。今回の新型レンズの情報は掲載されていないものの、他にも様々な新技術が紹介されているので、関心のある方はチェックしてみてほしい。
【情報元、参考リンク】
パナソニック
パナソニック技報
日本経済新聞
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