Android/iPhoneに手軽に追加できるIP電話サービス~BlueSIPフォンをチェック【前編】
後編ではアプリの機能、感想を中心にお届けしたい。
まず最初に全体的な感想を一言で述べると、IP電話として「普通に使えた」。競合サービスとなるSkypeとの比較で細かく見ていくと何点か気になる部分もあるが、それは比べた場合という話なので、日常利用する上では特に問題ないレベルだろう。機能面も基本的なものは一通り揃っているので、法人向けもしくは手軽に安価な通話サービスを利用したい個人向けには、一つの選択肢になる。
Skypeとの比較では、若干音質の差があることに加えて、機能の豊富さに違いがある。音質については、実用上問題になるレベルではないが、比較すると若干粗く感じる。とはいえ、端末によっても音質は異なるので一概には言えない。また、下にリストアップした主な機能一覧からわかるように、IP電話を扱う上で十分な機能が揃っている。今後はメッセンジャー機能も導入される予定だ。
主な機能は次の通り。
- 050番で始まるIP電話の発信・着信
- 3G/Wi-Fi設定
- 着信音設定
- 転送機能
- ボイスメール機能
- 音量設定
- Bluetooth出力
- ecoモード
- 録音機能
電話の発着信は3G/Wi-Fiどちらの回線でも利用できる。発信に使う「電話」アプリは端末にインストールされている標準のアプリを利用できるので、携帯電話番号での発信時とやり方は変わらない。電話帳も同じものを利用できる。
同じ電話アプリ、電話帳を利用するということから、090番などの携帯電話番号との発信番号切り替えのやり方が気になるかもしれないが、これはBlueSIPフォン内の設定で切り替えられる。「BlueSIPフォン」「携帯電話」もしくは、毎回の発信時に選択する「常に確認」の3タイプを利用できる。BlueSIPフォンを選べば050番号から発信し、携帯電話を選べば090番号などから発信する。「常に確認」は現状、2回選択肢をタップする必要があり、やや面倒なので、今後のアップデートに期待といったところ。
一方の着信については、特に事前設定などは必要ない。BlueSIPフォンのアプリが起動(ecoモード含む)していれば、050番号への着信をいつでも受けることができる。同時に090番などの携帯電話番号への着信も受けられる。どちらの番号への着信かは、着信通知画面が異なるのですぐに判断可能だ。
なお、IP電話サービスはネットワークを介した電話サービスであり、通常の携帯電話サービスとは仕組みが異なる。BlueSIPフォンも定期的なネットワーク通信によって着信をチェックしており、そのためにアプリが常駐することでバッテリーの消費はやや早まる。そこで、このアプリにはバッテリー消費を抑えるために最小限の処理だけに抑えた「ecoモード」という待機モードが用意されている。ecoモードに設定しておくことで、少しでもバッテリー消費を抑えることが可能だ。
ほかに、転送機能、ボイスメール機能などがある。転送機能は着信を別の電話番号へ転送する機能、ボイスメールはいわゆる留守番電話機能のことだ。これらの設定は一般的な電話サービスと同様に呼び出し時間、ボイスメール送信先などを設定できる。
細かい設定項目として、受話音量、送話音量、ヘッドセット受話音量、ヘッドセット送話音量、Bluetooth出力(Android 2.2以降で利用可能)、着信音設定などもある。そして、最新のアップデートによって、通話の録音機能が追加された。
使ってみた感想としては、「普通に使えるIP電話」という感じなので、安価に利用できるサービスを検討している法人、個人の方にとっては新しい選択肢になると思う。Skypeとの併用も可能なので、例えば090番などの携帯電話とSkype、BlueSIPフォンの3つの番号を1台の端末で使い分けることもできる。
本記事の前編は下記リンク先。
Android/iPhoneに手軽に追加できるIP電話サービス~BlueSIPフォンをチェック【前編】
【情報元、参考リンク】
BlueSIPフォン公式ウェブサイト
Android Market/BlueSIPフォン
ブルーシップコミュニケーションズ公式ウェブサイト