タブレットという製品市場はそもそもiPadが本格的に開拓したため、2010年に独占的存在であったことは予想できる結果だが、85%という数字は大きい。GALAXY TabはAndroid勢では唯一の対抗馬とされたが、実際にはライバルと呼べる段階には達していないことがわかる。また、Archosもシェアは低いものの、3位につけている。同社は早くからAndroidタブレットを開発・販売していたメーカーの一つで、ディスプレイサイズ違いで複数の製品を投入した。
2011年もおそらくiPadの高いシェアは変わらないだろう。米Motorola MobilityからiPad対抗製品として「XOOM」がリリースされたが、販売台数は10万台程度とみられている。また、今後はサムスン電子から「GALAXY Tab 8.9」「GALAXY Tab 10.1」といったシリーズ新製品が登場予定で、東芝からも「REGZA Tablet AT300」が発表されたが、「iPad」の新モデル「iPad 2」にどこまで対抗できるかはわからない。
しかし、HTC、ソニーなどもこの市場に製品を投入予定であり、いずれはシェアも伸びてくるはずだ。
とはいえ、現時点ではAndroid 3.0向けに最適化されたアプリが少ないため、そもそも普及のステップに入るには準備不足、時期尚早と言えなくもない。2012年辺りになればアプリ市場も整ってくるはずだ。
ABI Researchは今後のタブレット市場の成長予測もレポートしており、同社は2014年までに爆発的な伸びを見せると考えている。その後の成長は鈍化し、頭打ちになるとの予測だが、2014年には出荷台数ベースで1億1千万台前後の市場になる見込みだ。
Source: ABI Research. |
タブレット市場はiPadとAndroidだけでなく、カナダのResearch In Motionのタブレット「PlayBook」や、米MicrosoftのWindows 7を搭載したモデルなど、複数のプラットフォームが戦う市場だ。2011年の変化に注目だろう。
【情報元、参考リンク】
ABI Research/Apple iPad Held 85% Media Tablet Market Share in 2010