米Googleはタブレット向けのOS「Android 3.0」(開発コード「Honeycomb」)を発表済みで、すでに搭載端末も販売されている。しかし、ソースコードの一般公開は当面の間行わない方針のようだ。現時点では公開時期は完全に未定。同社がHoneycombのソースコード公開を見合わせている理由は、このバージョンのOSの特殊性にあるという。
Androidはバージョン2.3まではスマートフォンでの利用を想定した開発、機能拡充が進められてきたが、昨年、米Appleがタブレット端末「iPad」をリリース、好評を博したことでライバルメーカー各社からAndroidを採用した対抗タブレットが多数登場し始めた。これらのモデルにはAndroid 2.2以下のバージョンが搭載され、Androidスマートフォンと基本的に同じユーザー・エクスペリエンスが提供された。もちろん、ディスプレイサイズはより大きい。しかし、当然ながらAndroid 2.2以下のバージョンはタブレット端末のような大きなディスプレイを想定したOSではない。UIも同様で、決してタブレットでの操作に最適化されたものではなかった。
そこでGoogleはタブレット向けに最適化されたバージョンとしてAndroid 3.0(Honeycomb)の開発を進め、2月にはそれを搭載した端末が米Motorolaからリリースされた。このMotorola製のタブレット「XOOM」は国内でもKDDIから4月に発売予定だ。
Android 3.0(Honeycomb)は2.3以前のバージョンとは完全に異なるUIを持ち、ウェブブラウザやGmail、YouTubeなどの基本アプリも別物に変わった。例えばブラウザにはデスクトップ向けChromeと同様に、画面上部に常時タブが表示される。広いスクリーンを最大限効率的に上手く活用できるように、Android 3.0は設計されている。
このことが今回のソースコード公開延期の理由になっている。
現在のAndroid 3.0はスマートフォンで使えるようにカスタマイズできる状態にはない。しかし、公開した場合はメーカーが独自にカスタマイズを施し、スマートフォンに搭載して端末を販売してしまうかもしれない。その場合、混乱が生じることは避けられず、ユーザーにとっても複雑な状況と化してしまう。また、そもそもスマートフォンでまともに動くかどうかすらわからない、という。
Googleはスマートフォンとタブレット向け、別系統のOSを2種類存続させるつもりはなく、Honeycombの次のメジャーアップデートでは統合する予定とみられている。すなわち、2.x系と3.x系の統合だ。
これは開発コード「icecream」もしくは「icecream sandwitch」と噂されるバージョンだ。このバージョンはスマートフォンやタブレットなど、複数のカテゴリの端末で利用できる統合OSになると考えられており、今夏リリースと予想されている。
【情報元、参考リンク】
Reuter/Google delays open access to new Android software
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