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【書籍レビュー】Android Layout Cookbook アプリの価値を高める開発テクニック

インプレスジャパンから3月11日に発売となった書籍「Android Layout Cookbook アプリの価値を高める開発テクニック」(著者:あんざいゆき氏)を紹介したい。本書はアプリ開発者向けの書籍だが、一般的なプログラミング解説書とは趣が異なり、アプリの見た目(UI)やレイアウトの設計、ユーザーの使い勝手を高めるノウハウなどに焦点を当てている。また、それをメインとしつつも約半分の章ではアプリの容量を減らす方法やマルチスクリーン/マルチデバイスへの対応、Android 2.2/2.3の新機能解説などにもページが割かれており、幅広い読者を想定している。

UIやユーザビリティ、その他の章も含めて本書の全体的なイメージは“アプリを一般公開する前に押さえておきたいノウハウ集”というのが適しているように思う。ここで言う「一般公開」は、ただ単に一般向けに配信するという意味ではなく、多くのユーザーに使ってもらう上で恥ずかしくないUI、使いやすいUI、その他細かい部分までキッチリとした詰めを行ったアプリを公開するという意味として捉えて欲しい。

対象読者はJava及びAndroidアプリ開発の基本的スキルを持った方で、Androidアプリを作るのが初めてという方向きではない。今述べたように、これからAndroid Marketでの一般公開に進もう、と考えている方がアプリのブラッシュアップの参考資料として確認しておきたい本の一つだろう。とはいえ、上級者向け書籍というわけでもなく、初級を終え、中級に入る段階の方向けの書籍といえそうだ。

いずれにしても購入される場合は実際に手にとって確認されることをオススメしたい。

以下、具体的に各章ごとに間単に紹介していきたい。書籍選択の際の参考になれば幸いだ。

章立ては次の通り。
  • 第1章:レイアウト
  • 第2章:カスタマイズ
  • 第3章:リストビュー
  • 第4章:アプリの容量を減らす
  • 第5章:マルチデバイス
  • 第6章:ユーザビリティ
  • 第7章:Android 2.2と2.3の新機能
  • 第8章:レイアウトサンプル集

この書籍は最初のページから順に読み進めてもいいが、関心のある章だけピックアップしてもいい。

例えば第1章~第3章は、アプリのUIを設計する上で基礎となる技術的解説だ。これらの章はAndroidアプリ開発の基本スキルがある方の場合、読み飛ばすこともできる。第4章~第6章は、アプリを一般公開する前に押さえておきたいノウハウが紹介されている。それぞれの内容は章タイトルから想像できると思う。いきなりこの章から読んでも構わない。さらに、第7章はAndroid 2.2と2.3の新機能についての解説、第8章はレイアウトサンプル集と、それぞれ独立して読むことができる。

「Layout Cookbook」と題しつつも内容は多岐に渡っているので、関心のある章がいくつかある方にとってはオススメできると思う。


第1章:レイアウト
p.002~p.052

この章はレイアウトの基礎的な話。ボタンやタブ、画像などをどのようにレイアウトするか、という技術面の話がメイン。ボタンを画面下部に配置させるためのサンプルコードや、縦横の余白を設定する方法、ベースレイアウトのコンポーネント化、それを活かして同じレイアウトを複数作成する方法、描画速度向上のノウハウ、画像のサムネイル表示、タブの設計など、アプリのUIに関する解説で構成されている。



第2章:カスタマイズ
p.054~p.105

第1章ではデフォルトのUIを使った解説だが、第2章ではオリジナルの画像を使ったボタンの作成など、UIのカスタマイズ方法が説明されている。Androidの標準UIはやや地味なので、分かりやすさを損なわない範囲で魅力的なデザインを作り上げたい。この章はボタン、チェックボックス、ラジオボタン、シークバーなどの基本的なパーツに加え、タイトルバーや通知ビューなどのカスタマイズや設定方法が紹介されている。



第3章:リストビュー
p.108~p.153

リストビューの設定・カスタマイズをメインに紹介している。ヘッダ、フッタの設置、スクロールバーのカスタマイズ、行のレイアウトなどについて説明。



第4章:アプリの容量を減らす
p.156~p.184

ここではアプリの容量を抑える方法が紹介されている。基本はアプリ内で使用する画像のスリム化だ。また、可能であれば単純な形状は画像を使わずにコードを使って実現したい。チェックボックスなどもタグとチェックマークのオン/オフ画像を重ね合わせることで綺麗なものが作成できる。ラジオボタンも同様で、こうしたパーツを一つ一つ見直し、できる範囲でコードに置き換えることで容量を削減できる。



第5章:マルチデバイス
p.186~p.232

Android搭載端末はメーカーによってもモデルによってもディスプレイのサイズ/解像度が異なる。特に昨年後半以降は数多くのタブレットが世界中でリリースされ始め、Androidアプリの対象はスマートフォンだけに留まらなくなっている。アプリ開発者は当然これらの端末を広くサポートすべきであり、それを考慮した設計が必要だ。この章ではそのための考え方とノウハウが紹介されている。



第6章:ユーザビリティ
p.234~p.278

第6章ではユーザーがアプリを使っていてイライラするシーンを未然に防ぐための措置がいくつか紹介されている。まず最初にANR(Application Not Response)を回避する方法だ。また、アプリ内で行われる処理の進捗状況を表示するバーの表示方法、ソフトキーボードの表示に関するチップス、QuickSearchBoxの使い方、検索機能の実装などが紹介されている。これらの内容を必要に応じて活かすことでユーザーのストレスを軽減することができるだろう。



第7章:Android 2.2と2.3の新機能
p.280~p.310

国内流通モデルの多くはAndroid 2.1搭載スマートフォンだが、世界に目を向けるとAndroid 2.2が多い。また、2.3搭載機種も今後は普及し始める。この章では2.2/2.3に対応したアプリを作る上で知っておきたい、それぞれのバージョンでの新機能が解説されている。具体的にはデータのバックアップ/リストア、アプリを外部メディア(microSDカード)に移動させる機能などだ。



第8章:レイアウトサンプル集
p.312~p.372

この章ではいくつかのレイアウトサンプルが掲載されている。サンプルにはコード、解説も記されているので、実際にUIを設計する上で直接的な参考になるはずだ。



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【情報元、参考リンク】
インプレスジャパン/Android Layout Cookbook アプリの価値を高める開発テクニック
Android Market/Android Layout CookBook デモあぷり

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