なお、擬似マルチタッチ機能でできることはピンチズーム処理。ソフトウェア側で擬似的に実現する機能であることから、一般のアプリでの動作保証はできない。問題なく利用できるのは、ソニー・エリクソン側が対応措置を採るアプリのみとなるようだ。今のところはウェブブラウザとGoogleマップが対応予定。
以前からXperia X10にはマルチタッチ対応への期待が高かった。というのも、同時期に発売された他社製ハイスペック端末は基本的に皆マルチタッチに対応していたからだ。有力機種の中でXperia X10のみがシングルタッチのスマートフォンだったこともあり、一部のユーザーから不満の声があがり、問い合わせも非常に多かったようだ。
とはいえ、日常使う上ではマルチタッチがなくとも特別不便を感じることもない。また、ハードウェア側が複数入力を認識できないとの話もあり、最近ではこの話題はすっかり沈静化していた。そのタイミングでの朗報であり、可能であるのならば、もちろん嬉しい事だ。
ソニー・エリクソンはXperia X10でのマルチタッチ対応は難しいとわかっていながら、ユーザーの声を無視できず、何とか実現できないか検討を重ねてきたという。最終的にハードウェア側がマルチタッチを考慮していないこともあり、制限的な機能になってしまうものの、独自の技術を用い、擬似的な形で実現できることがわかった。そこで今回の発表に至ったようだ。
アップデート適用後のXperia X10では、ブラウザとGoogleマップにおいて、ピンチイン/ピンチアウトによるズーム処理が可能になる。下に掲載したデモ動画をご覧頂ければ、思いのほかスムースに実現できていることがわかる。
また、一般のアプリに関しても、完璧な動作は保証できないものの、一応は対応しているようだ。ただし、ピンチズーム処理のような指をスライドさせる操作ではなく、2点を同時タップするような処理は厳しい模様。例えばスーパーマリオのようなアクションゲームで、キャラクターを左の指で移動させつつ、右の指でジャンプなどのアクションをさせるような場合だ。デモ動画ではAngry Birdsでの挙動も紹介されている。
【情報元、参考リンク】
Sony Ericsson Product Blog/Work Ongoing on Pinch Zoom for Xperia X10