Android Usability Seminar 2010は、Androidアプリ開発におけるユーザビリティをテーマにしたセミナー。一般にアプリの使い勝手を決めるのはUI、メニュー体系、デザインなど、ユーザーが直接触れる部分。Androidスマートフォンはタッチ操作を主体とすることにより、一見操作が簡単に思えるものの、最高のユーザビリティを提供するには適切でわかりやすいデザインが必須だ。これはもちろん単純なデザインの美しさだけに留まらない。
それだけにアプリ開発者にとってはデザイン開発への苦労もあると思う。本セミナーでは、具体的に4つのテーマでセッションが行われる。慶應義塾大学大学院教授、LEADING EDGE DESIGN代表の山中俊治氏は「使いやすさをデザインするということ」というテーマで、そもそも「使いやすさ」とは何なのか、また、使い勝手の検証の在り方に突っ込んだ講演を行う。Flashデベロッパーでテクニカルライターの池田泰延氏は「Flash PlatformによるAndroidアプリ開発のこれから」と題したテーマだ。
米Adobe SystemsのFlashに関しては、米Appleが対抗ポジションを表明していることもあり、ネガティブな話題も多い。特にセキュリティ面に関してはその性質から明るい話題は皆無に近い。それでも現時点でのインターネット市場にはFlashコンテンツが溢れるほど存在しており、完全なウェブのユーザー・エクスペリエンスを得るにはまだまだ切り離せないところにある。さらに、AndroidプラットフォームにとってはFlashは非常に大きな魅力ともなっている。
Androidはバージョン2.2から、Flash及びAdobe AIR 2.5に対応する。これにより、世のFlash開発者がAndroidプラットフォームに流れてくる状況が訪れるものと期待されている。池田氏はこのタイミングに合うテーマで講演を行う。先日開催されたイベント「Adobe MAX 2010」の報告を交え、「Adobe AIR 2.5を用いたアプリ開発」「スマートフォンでのFlash Player 10.1とHTML5」などが解説される。
そして残る2つのセッションはエイチアイのインタフェース技術部門デザイン課に所属する工藤重人氏による「ユーザビリティと満足度向上の勘所」と、サイバーエージェントの新規開発局システムディベロップメントグループに所属する切通伸人氏、同社新規開発局フロントクリエイティブグループの馬場絵美氏による「『アメーバピグ』に見るデザイナーと開発者の協業」だ。
エイチアイはMascotCapsuleを提供している企業として、iアプリ開発者などにとっても馴染み深い存在のはずだ。今回のセッションでは、過去の開発経験を踏まえ、ユーザビリティと満足度の向上方法などが解説される。加えて、Androidアプリで注目を集める3次元(3D)グラフィックスのUIへの適用についても、実現方法が紹介される。
サイバーエージェントのアメーバピグは、多くの方が少なくとも名前はご存知のサービスだろう。
最近ではAndroid向けのアプリもリリースされており、同社はAndroid及びスマートフォン市場への注力を表明している。今後の国内Androidアプリ・サービス市場において有力なプレーヤーになることが考えられるだけに、同社の開発プロセスなども参考になりそうだ。具体的にはアメーバピグのアプリはAdobe AIRが活用されており、その事例が紹介される。また、同アプリ開発におけるデザイナー、ソフトウェア開発者との協業などにも触れられるようだ。
以下、開催概要。
- 日時:2010年11月27日(土)13:00~16:45
- 場所:TKP代々木ビジネスセンター(地図)
- 主催:日経BP ITpro Android Application Award 2010-11 Winter事務局
- 特別協賛:KDDI、NTTドコモ、シャープ、ソニー、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
- 協力:日経デザイン
- 参加費:無料
- 参加申し込みページ
【情報元、参考リンク】
Android Usability Seminar 2010