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ソフトバンク、Android Market上の全有料アプリを携帯電話料金と合算して支払えるキャリア課金を提供へ

ソフトバンクモバイルは4日、2010年冬・2011年春の新商品発表会を開催。Androidスマートフォンに関しては先行して発表済みの「HTC Desire HD 001HT」と詳細未公表のディズニー・モバイル向け端末を含めた計7機種がラインナップされる。今回詳細が発表されたのはシャープ製端末2機種「GALAPAGOS 003SH」「GALAPAGOS 005SH」、Huawei製「004HW」、ZTE製「Libero 003Z」、DELL製「Streak 001DL」の5機種。米Appleのスマートフォン「iPhone」を前面に押し出した戦略を採るソフトバンクだが、Androidスマートフォンのラインナップ拡充にも力を入れている。

そして発表会ではAndroidスマートフォンの周辺環境を整備するいくつかの施策も発表された。電子書籍サービス、動画配信、オススメアプリを紹介する「SoftBankピックアップ」、セキュリティ関係のオプションサービス「スマートフォン基本パック」などだ。しかし、最も注目したいサービスはこれらではなく、Android Market上の有料アプリに対するキャリア課金システムの導入かもしれない。

ソフトバンクは12月中旬以降を目処に、Googleが運営するアプリマーケット「Android Market」上の有料アプリの支払いを携帯電話料金と合算して支払うことのできるサービスを提供する。重ねて言うが、対象マーケットは「Android Market」だ。すなわち無料アプリを含めて10万件以上のアプリが登録・配信されているAndroid標準マーケット上の有料アプリが基本的に全て対象になる。

これは間違いなく画期的なことで、NTTドコモもauも導入していない。これら2社の場合は独自マーケットを設け、その中の有料コンテンツに関しては課金サービスを投入している。前者の場合は「ドコモマーケット」、後者の場合は「au one Market」だ。しかし、ユーザーの視点からすると、独自マーケット上での料金課金サービスには大した実益がない。最も多くの数のアプリが揃う場所は、やはり標準の「Android Market」だからだ。

今回のソフトバンクのキャリア課金は「Android Market」上の有料アプリが対象となるので、利便性の向上度合いは計り知れない。

通常はAndroid Market上の有料アプリは、Googleの決済サービス「Google Checkout」を使って購入する。あらかじめGoogle Checkoutに自分のクレジットカードを登録しておくと、そのカード宛で料金が請求される仕組みだ。だが、当然ながら未成年者やクレジットカードを持たないユーザーの場合は、この方法では有料コンテンツを購入できない。

ソフトバンクが導入するシステムではこの問題が解消される。より広い年齢層、そして更なるユーザー層が有料アプリを気軽に購入できるようになるはずだ。

なお、具体的な仕組みに関しては、実は基本仕様と大きな差異はない。支払いシステムとしてGoogle Checkoutを使う点は変わりないからだ。ユーザーはGoogle Checkoutの利用登録をする必要はある。結局どういうことかいうと、購入時の窓口はGoogle Checkoutのまま。Google Checkoutが料金を請求する宛先として、クレジットカードのほか、ソフトバンクの課金システムが加わるということだ。例えば一般的な通信販売システムを見てもわかると思う。支払い方法にはクレジットカードのほかに、代金引換払いや銀行振り込みが用意されているのが普通だ。これまでのGoogle Checkoutにはクレジットカードという支払い方法しか用意されていなかったのだと考えればいい。

サービスのローンチ後には、ソフトバンクのAndroidスマートフォンユーザーが有料アプリを購入する際、Google Checkoutの購入確認画面の中で支払い方法を選択できるようになる。その項目の中に「ソフトバンクのアカウントに請求」というものが新設される。これを選択して購入した場合、月々の携帯電話料金の支払いと合算して徴収されるわけだ。

独自マーケットを設立せずに、標準のAndroid Marketでの利便性向上を図ろうとする辺りに、NTTドコモやKDDIとソフトバンクの間に考え方の違いがあることが伺える。

【情報元、参考リンク】
ソフトバンク/Android マーケット紹介ページ

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